カタクリ
北茨城春5花 カタクリ編


早春の花の女王たち:カタクリ 十分な光を浴びて反り返る花びら 撮影日:左2008/4/24 右2008/4/27
早春の花の中で印象深いものを三つ紹介します。
最初に挙げるのはカタクリです。
図鑑でカタクリの群落の写真を見てから是非一度見たいと思いました。
先輩に案内され,斜面一面に咲いているカタクリを見て群落の広さと可憐さに感動してしまいました。その感動が忘れられず,それから毎年春になるとそこを訪れるようにました。
でも,タイミングがずれては可憐なカタクリの花には会えません。そこで,カタクリの花と同じ頃咲く身近な花を探しました。ソメイヨシノの花が満開の頃カタクリも満開になることが分かりました。
植物の写真を写すときは,朝早く出かけていました。遅く行くと風が出てきてぶれてしまいます。また,日が当たって影ができ,奇麗な写真にならないからです。そんなあるとき,いつもの朝より早く出かけました。ところが,カタクリの花を見て困ってしまいました。ほとんどのカタクリの花の花びらが上に反り返っていないのです。


早春の花の女王たち:カタクリ 十分な光を浴びると左のように 撮影日:左2000/4/11 右2008/4/27
カタクリは光が当たらないと花びらが上に反り返らないのです。
直接,日光があたらなくてもある程度明るくなれば反り返るようです。
古殿町に咲くカタクリより北茨城市のカタクリは花が小さいと感じ不思議に思っていました。この謎はチューリップの花を見ているうちに解けました。開花したばかりのときは小さく,散る頃には大きくなっています。
その大きさの変化はチューリップの花の開閉と関係があるのです。チューリップの花は昼間は開き,夜は閉じます。そのとき,花びらの外側や内側の細胞を成長させるので閉じたり開いたりできるのです。
つまり,細胞の数が増え成長するので花びらが大きくなるのです。
カタクリの花が咲いている頃は,明るい場所になっています。ところが,初夏の頃は日が当たらず薄暗い場所になってしまいます。それは,回りの樹木が葉を茂らせたからです。もうこうなってからは,樹木の下の植物は成長できません。日光が葉に当たらず養分を作れないからです。
だから,カタクリは光が当たる早春に,いち早く芽を出し成長して種子を作り子孫を残す道を選んだのです。
もうこの頃,カタクリの姿はどこを探しても見つかりません。枯れてしまったのです。
因みに,写真のようにピンクが濃いカタクリの花はごくわずかです。探し回らないとなかなか,奇麗な花には出会えません。また,ピンクが濃い花を選んで写しても白っぽく写りがっかりすることが多いです。
ここに載せた写真は,偶々濃く写ったカタクリたちです。
光浴び 花反り返る 春の山
不思議にも 桜の花と 開花時期 合うと分かりて いそいそと行く
次回はイワウチワを予定しています。
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