早春の花 ヒサカキ② 観察記より

ヒサカキ(ツバキ科)
3.20観察
悪臭する花 だか葉は虫に食われやすい
 あれは,春まだ早い勿来の関での出会いであった。シュンランとショウジョウバカマを観察しに行ったときである。道を歩いていると,どこからともなくいやな臭いが,してくるではありませんか。周りを見渡しても花らしい花は見つからない。臭いがする方向に歩いていくと,低い木にがくの黒ずんだ白い小さな花がびっしりと咲いていた。その下向きの花に近づくにつれ悪臭が益益強くなる。得も言われぬ臭いである。それ以来しばらくの間,勿来の関には,この悪臭があちこちに立ちこもっていた。この地域にはヒサカキが多いからである。それまでは「なぜ,この辺は変な臭いがするのだろう。」としか気に留めなかったが,これを契機に長年の疑問が解け,ヒサカキは臭いで存在が分かる身近な植物となった。しかし,早春にはこの独特なにおいで,ヒサカキの存在が分かるが,花の季節が終わると視覚と記憶だけが頼りになり探すのが難しくなる。
 関南の神社に行ったときである。例のヒサカキの悪臭に惹かれ臭いのする方に歩いていくと白花でなく見慣れぬ桃色のヒサカキが咲いているではありませんか。臭いに似合わぬきれいな桃色の花に見とれてしまった。この神社の境内にはカゴノキ・オガタマノキ・オオバボダイジュ・クスノキ・イチョウといった珍しい樹木が見られるので,選ばれて植えられたのだろう。
 実は後で分かったことだがヒサカキは雌雄異株で雄花の方は桃色をした奇麗な花をつける。
 黒ずんだがくが,汚さと嫌な臭いを強調していて好感を持てる植物ではないが,私が住んでいる地域では,このヒサカキを神棚に捧げている。この周辺にはサカキが分布してないからである。しかし,非サカキ(サカキにあらず)を捧げては,神様に失礼だと思うので,名の由来を調べてみる。緋サカキでは実態に合わない。姫サカキなら花や葉や木が小さいので実態に合っている。姫サカキ訛ってヒサカキになったと解釈したほうが無難だと考える。
 なぜヒサカキは,このような悪臭を出しているのだろうか。それは,葉を食い荒らす虫を寄せ付けないようにしているからと,思ってきたが,あるときから,その反対に臭いを出すことによって虫を呼んでいるのだと思うようになった。サカキは雌雄異株でこん虫の力を借りなければ結実しない。そのうえ,ヒサカキの花咲く頃は活動する昆虫が少なく特有な臭いで開花を知らせ受粉を促していると思われるからである。しかも,花以外は悪臭がしないからである。虫よけのためなら,葉も悪臭がするはずである。この葉を食い荒らすホタルガの幼虫に触れるといやな臭いを出すという。ヒサカキの悪臭を利用しているこの昆虫の方が賢く上手であると思われる。

 この辺に ヒサカキの花 咲いてる 姿見ずとも 臭いで分かる

 虫除けと 思うていたら その逆に 悪臭出して 虫を呼ぶ知恵


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下向きに咲くサカキ
 撮影日:2000/6/26 場所:北茨城市車

サカキ(ツバキ科)
6.26観察
品がある花   下向きに咲く花
 中妻のある会社に通っている頃,道路が白くなっているのに気づき車を止めて近づいた。急カーブの塀の内側にある大木の真下に落下した白い花が多く見られた。見上げると見慣れない花が咲いているではありませんか。花を頂くのを申し出にくく感じられ高枝鋏で小枝を失敬することにした。さっそく植物名を調べたが,何の仲間か皆目見当がつかず時間がかかった。ツバキ科のサカキと判明。分布は関東地方以西となっているが,まだ一度も見たことはなかった植物である。
 サカキの花もヒサカキの花も下向きに咲くが,花柄が長く大きい花の方がサカキである。何と言っても悪臭が無く品よくきれいに見えるサカキの方が好きである。

  サカキ無く 奉るのは ヒサカキに

 花盛り 見上げず知れる 道路上 品のある花 名前を知らず

 高い場所 花を写せず 困り果て 鋏使って 小枝頂く
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