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モンクロシャチホコ


モンクロシャチホコ   撮影場所は全て:勿来の関
モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/23
 シャチホコ科の蛾モンクロシャチホコを紹介します。
 いつも通る歩道の上が,今日(2013年8月23日)は気になりました。近くのサクラの木の下は汚れているのに向こうのサクラの木の下はきれいです。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/24
 しゃがんだ途端,何やらいい香りがしました。(調べたらサクラの葉に含まれているクマリンの香りだそうです。)トウモロコシを小さくしたような物が沢山落ちています。落ちている周りは桃色に染まっています。夜降った雨で染みたようです。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/24
 中には新しい感じの物もあります。染みていないから分かります。一番新しいのは緑色の物のようです。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/24
 下が汚れていたサクラの木を見上げると,枝先ほど葉がありません。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/23
 目の前の葉を見ると,黒い体の周りに黄色の毛が生えた毛虫が大勢で食事中です。写真を撮ろうとして葉が揺れると尻と頭を上げる格好をとります。左が尻で右が頭です。
 道路を汚していたのは,このモンクロシャチホコの幼虫だったのです。トウモロコシのような物は,この幼虫の糞だったのです。沢山の糞に糞害するところですが,踏んづけても平気です。いい香りがする糞だからです。私はこの糞を集め袋に入れて持ってきました。ときどき袋を開けては糞香を楽しんでいます。
 ところで,糞は何故このような形をしているのでしょう。おそらく幼虫が葉をかじってできた粒がある程度消化されて粒のまま糞として出てくるからでしょう。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/23
 葉が揺れてよく写せないので道路において撮ると黄色の毛が11の輪を描くように生えていて所々に赤い筋が見えます。尻を上げて威嚇しています。秋には蛹になり,そのまま冬を越します。


モンクロシャチホコ
撮影日:2013/08/20
 若い幼虫は紅色です。サクラの葉の成分に赤い色素があるのでこのような色を帯びるのでしょう。だからサクラの花びらは薄桃色を帯びるのでしょう。


モンクロシャチホコ
撮影日:2012/06/09
 翌年の初夏に羽化した成虫です。簡単な紋様なので一度見たら覚えてしまう蛾です。


 実は,この観察をした翌日,悲惨な現状を目にしました。昼から降り続けた雨で46匹もの幼虫が歩道に落ちていました。全滅かなと思いながらサクラの木を見上げると一匹だけ葉の裏に止まっていました。雨が降っただけで幼虫の数がこんなに減ってしまったら,モンクロシャチホコはいなくなってしまうのではと思いながら外のサクラの木の様子を見て回りました。
 まず第一に,探すときこつは,木の下の糞を見つけることです。
 次に,枝先に葉がついていない枝を見つけて丹念に探します。
 こうすれば幼虫は見つかります。
 そうして探した結果,外の木のモンクロシャチホコは大丈夫だと分かりました。

 この経験から得られた知恵で分かったことがあります。それは,盆が過ぎる頃からサクラの木の下が汚れていたらモンクロシャチホコの幼虫が盛んに食事をしているということです。

 科名 シャチホコガ科
 和名 モンクロシャチホコ
 大きさ 開張 ♂45-54 ♀55-59mm
 出現月 7~8月
 食餌植物 サクラ類、ナシ、ズミ、ビワ ※終齢幼虫はほとんどの草本、木本の葉を摂食する。
 特徴
 ・お盆が過ぎた頃サクラの木の下が汚れていたらモンクロシャチホコの仕業。
 ・糞からはクマリンの香りがする。
 ・枝の先から食べ始まる。
 ・頭と尻を上げる姿からフナガタムシ(舟形虫)の異名を持つ。
 ・秋に土中に入り蛹化,越冬する。

盆過ぎに 糞が散らばる 木の下に

これは何 座る側から 糞香る




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tag : モンクロシャチホコ

コメントの投稿

Secre

はじめまして

いつも楽しみにブログ拝見させていただいております。

シャチホコガの幼虫の中でも、地味な印象のこのモンクロシャチホコですが、桜の葉を食べた幼虫は糞だけでなく幼虫自体も桜の香りがするらしく、食べると大変美味なのだそうです。
また、一度にまとまった量を確保できるのも食材として優れているとして、虫色愛好家達の間では「桜毛虫」と呼ばれ絶賛されているイモムシなのです。
調理法は揚げる、茹でる、蒸すなどシンプルなもの・・・


ちなみに自分は食べた事はありませんが・・・
試してみては、いかがでしょうか!?(笑)

Re: はじめまして

はじめまして。
ブログを読んで頂き有り難うございます。
糞が香あることは今年発見しましたが,
モンクロシャチホコの幼虫が香ある良い食材とは知りませんでした。
一度に46匹以上の幼虫が採集できれば食べ応えがあることでしょう。
蛾は幼虫や成虫を探して写真を撮るだけで満足しています。食べるまでは・・・

クマGさんのブログを拝見しました。
文章が洒落ています。
ヤマホトトギスの花とツトガ科の蛾の写真きれいです。
蛾が一心不乱に中を覗き込むようにしながら蜜を吸っているところが微笑ましいです。

こんばんわ~~

コメントありがとうございました。
色々と拝見させていただきますと、私の方こそ参考にさせていただかねばと痛感いたします。
近年は、野鳥撮影をメインとしていまので、他の分野が疎かになっています。
色々とお教え頂ければ幸いです。

No title

 記事拝見いたしました。当方の観察でも桜の樹は丸裸で、樹下周辺に、乾燥して黒くなった粒をばらまいたように大量の糞が落ちていました。ただサクラの匂いがする、などには気づかず、そのような事実も知りませんでした。
 毛虫は無毒なので農薬散布などでの駆除など行わず、たいてい放置するのだそうですね。

はじめまして

コメント有難うございました。

糞に香りがあることや食べれることは初めて知りました。
来年発見しましたら糞のにおいは嗅いで見たいと思います。
食べるのはやっぱり気持ち悪いのでちょっと遠慮したいと思ってます。

色々虫について乗せてありますので勉強になります。
見たことも無いような虫も乗っていたので、こんな虫もいるのだと知ることが出来ました。

Re: はじめまして

ご訪問有り難うございます。
私も糞の香については今年初めて知りました。
観察を続けていると発見があり驚きます。
また,このブログを見て下さい。

No title

いつもコメントしていただき有難うございます。
モンクロシャチホコ、魅力的な蛾ですね。
今年は見つけたいと思います。
桜の木ですね。
果たして当方の地元にはいるか!

ごま さんへ

8月になりましたら,道路に幼虫の糞が転がっていますから下の方も見て下さい。
見つけましたら香を是非楽しんで下さい。
上の方はサクラの葉が食べられている木を探せば見つかります。

No title

はじめまして。
毛虫は苦手ですが
いなくなったら成虫の蛾も
いなくなって大変なことになってしまいますね。
ウンチがあまい香りとは
意味があるのでしょう。

せいパパ さんへ

はじめまして。
おはようございます。
このブログを見て頂き有り難うございます。
私は勿来の関で生き物の写真を撮り投稿しています。
毎日観察していると今まで分からなかったことが少しずつ分かったきました。
ウンチの香りはサクラの葉の成分が原因していると思います。
去年はモンクロシャチホコの幼虫が沢山見られましたが,
今年はとても少ないです。
またのご訪問をお待ちしています。

No title

「蛾像掲示板」から跳んできました。

そうなのですよね、蛾の幼虫の食害っていつも糞で初めて気づくのですよね。
公園などで幼虫をいっぱい見かける割に成虫は珍しい気がします。
この蛾がツマキシャチホコ類の仲間というのが不思議です。

なお、昆虫の幼虫をあれこれ食べくらべている方によると、この種が一番美味しいそうです。
シーズンにいっぱい採って茹でて冷凍しておくとか。
ただ Coumarin はよい香りでも有毒なのですが … (捕食者よけでしょうか)

黒猫 さんへ

こんにちは。
ご訪問・コメント有り難うございます。

私も幼虫の数が多い割には成虫が少ないと感じています。
2年前の大発生のときには大雨で多くの幼虫が地面に落ちていました。

クマリンの香は好きです。家畜などには食欲促進になると聞きました。
人間には消化できずないので毒なのでしょうか。
少量食べれば大丈夫なのでしょう。

またのご訪問をお待ちしております。

No title

おはようございます!
Itotonboさんは 蛾のみならず、花のこともお詳しいのでビックリです!♪(^^)

おっ! 凄いコメント数になりましたね!
もう、大丈夫そうですね!
蛾の愛好者も多いのですね!
この調子で 御発展を!
P★! P★!

●白雲 さんへ

こんばんは。
コメントを書いて下さる方が居られて嬉しいです。
蛾だけでなくチョウ・トンボ・甲虫も好きになってきました。
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