シロモンツマキリアツバ
シロモンツマキリアツバ

シロモンツマキリアツバ 白い三つの紋がありミツボシツマキリアツバではないかと迷ってしまう。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関

シロモンツマキリアツバ 前翅は外縁付近で明るい褐色にならないのでシロモンツマキリアツバと判断できる。撮影日:2012/06/18 場所:勿来の関
変わった止まり方をする蛾シロモンツマキリアツバ(ヤガ科ツマキリアツバ亜科)を紹介します。以前に紹介したリンゴツマキリアツバと同じ止まり方をします。どちらも前縁に白紋があってよく似ていますが,シロモンツマキリアツバの方は後翅中央付近に三つ星の白紋があるので区別がつきます。
ところが,同じような紋があるミツボシツマキリアツバともよく似ています。今日(2013年6月10日)まで,その違いが分かりませんでしたが,やっと違いに気付きました。前翅の付け根から外縁まで黒っぽい方がシロモンツマキリアツバなのです。外縁線から外側が急に明るい褐色になるのがミツボシツマキリアツバです。この違いに気付き私のHP「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の「蛾の図鑑:アツバ類 4」に掲載のミツボシツマキリアツバの名を削除しシロモンツマキリアツバと訂正しました。
ミツボシツマキリアツバが勿来の関に生息していないことは,食餌植物のハルニレの分布からも明かです。ハルニレは日光の戦場ヶ原周辺に行かないと見られないどちらかというと高原で見られる植物です。この点に早く気付いていれば同定で悩まずに済んでいたのにと後悔しています。
一方,シロモンツマキリアツバの食餌植物は,勿来の関で普通に見られるガマズミです。6月上旬,白い小さな花が無数に咲きます。それに合わせるかのように,毎年シロモンツマキリアツバは出現しています。
このシロモンツマキリアツバは,アツバの仲間の例に漏れず独特な下唇鬚(かしんしゅ)を持っています。それを写すには横の方向からせまると上手く表現できます。
名前にツマと付いていますが,端で妻の意味ではありません。ツマキリとは端切りで外縁が前翅・後翅とも真ん中あたりを頂点とするように切られた形をしているからです。前縁に大きな白紋があるのでシロモンと名付けられたのでしょう。

シロモンツマキリアツバ このように翅を立てて止まる。横からせまると独特な下唇鬚を写せる。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関
五七五
シロモンは ガマズミ食べて 生きている
ミツボシは ハルニレ食べて 生きている
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