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カギバイラガ


カギバイラガ
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カギバイラガ 前翅前縁の隙間が気になっていました。撮影日:2013/06/02 場所:勿来の関

 今日(2013年6月2日),観察したイラガ科の蛾を紹介します。
 名前はカギバイラガといいます。名前が分かるまでに時間がかかりました。シャクガ科の蛾は翅を左右に広げて止まりますが,壁に対して翅を垂直に立てて止まる蛾はシャチホコ科やイラガ科やヤガ科にいます。
 そこで,シャチホコガ科から探しましたが見つかりません。イラガ科を探しても見つかりません。最後のヤガ科を調べても見つかりませんでした。
 困り果てましたが,シャチホコガ科で翅を垂直に立てて止まる蛾で写真のように翅に紋様が無い蛾を探しました。シャチホコガ科には,1種類いました。その名はキシャチホコです。でも,何となく違います。キシャチホコは前縁が重なっていますが,写真の蛾は前縁の間から腹部が覗いているからです。1枚目の写真からは分かりませんでした。でも,前縁の部分に隙間があるのが妙に気になっていました。2枚目の写真を見てから,はっと気が付きました。今は真っ直ぐ腹部を伸ばしていますが,腹端を上に上げる習性を持つイラガ科の蛾だと思ったのです。
 早速,イラガ科を探しましたが似たような画像が見つかりません。Web図鑑「四国産蛾類図鑑」には黒っぽい小豆色のカギバイラガだったからです。次に,私が立ち上げているホームページ「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の中の「蛾の図鑑」を探すと似た画像がありました。
 念のために「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で確かめました。ここには,黒っぽい小豆色のも褐色のも出ていました。個体差が大きい蛾のようです。一安心しましたが,出現月を見て疑問が出てしまいました。出現月(羽化する月)が8月~10月になっているのに,勿来の関ではもうすでに6月に出現してしまっているからです。8月と6月では違いが大きすぎるからです。この図鑑には写真の撮影日が書かれてあるので見てみました。「【成虫写真4】は2004年5月30日、和歌山県中辺路町にて。【成虫写真5】は2005年6月19日、埼玉秩父地。」となっていて,6月頃から出現していることが分かり,ほっとしました。
 名前に付いているカギバとは,横から見たとき前翅翅頂が鉤のように曲がっているからでしょう。でも,この程度に尖っている翅頂の蛾は沢山います。それでも,これといった特徴がないカギバイラガには,そうつけるほかなかったのでしょう。

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カギバイラガ 隙間から腹部が覗いています。撮影日:2013/06/02 場所:勿来の関

 このように私は1つの種を同定するにも時間がかかっています。見つけるまで大変ですが,いろいろ推測して探し当てたときの喜びは,ひとしお大きいです。

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カギバイラガ 腹を斜め上に上げています。撮影日:2012/09/13 場所:勿来の関


五七五

個体差が カギバイラガは あり過ぎる

褐色の カギバイラガが 勿来には 




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