スカシドクガ
スカシドクガ 写真をクリックすると大きくなります。 撮影日:全て2013/05/19

スカシドクガ 翅の色はうっすらと青みがかっています。
昨晩の月は上弦(月の入りのとき弦が上になるから)でした。上弦の月にもなると月の明かりで相当明るくなります。そんな晩はわざわざ灯火まで蛾は飛来しません。ところが,午後6時頃から雲がかかってきて暗い晩となりました。 しかも,蒸し暑い晩でしたので,蛾の出現が期待できます。そんな訳でいつもより早く寝ることにしました。
早起きして出かけて行くと,多種類の蛾が壁・窓ガラス・外灯に止まっていました。その中にあまり見られない白い蛾がいました。写真を撮っているうちに黒点とうっすらと青みがかった翅の色からスカシドクガと分かりました。毒針毛があるモンシロドクガなら写すのは止めましたが,それが無い蛾なので安心して何枚か撮っていました。撮っているうちに何カ所にも薄黄色の小さな粒があることに気が付きました。スカシドクガの頭部を見ると,外灯との間にその小さな粒が見えました。スカシドクガの卵だと気付いたのはそのときです。
何を間違えたのか,このスカシドクガの雌は鉄の外灯に卵を生んでしまったのです。食餌植物はアワブキなのに卵から孵った幼虫の運命はどうなるのでしょう。

スカシドクガの卵が外灯と胸部の間に見えます。
その卵を写したら,薄黄色で円盤のような可愛い形をしていました。昔,飲んだ肝油の薬を思い出します。2個ずつ重ねて生んだ所もあるし,6個も重ねた所もありました。そんなに重ねても落ちないのは,表面に強力な接着剤が付いているからでしょう。しかも,上下の面を平らにして,接触する面積を広くしています。このようにして接着を強くしているスカシドクガの知恵に感心します。

スカシドクガの卵
もっと写しやすいところに移そうとマツの葉を胸部に差し込んでいたら飛び立ってしまいました。近くのサクラに止まるのかと思って見ていました。何度か止まる素振りを見せましたが,下の林の方に飛んで行ってしまいました。
「アワブキの木を目指して飛んでいくんだよ。」と祈りながら見ていました。
短歌と五七五
重ねても 黄色の卵 落ちません 接する面を 広くしている
生んじゃった 鉄の柱に この後は 幼虫の運 どうなることか
すぐ飛べる 羽ばたきもせず この毒蛾
安心だ 毒蛾と呼ぶが 針持たず
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