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クロオビフユナミシャク

2014年12月17日(水)
686クロオビフユナミシャク第2段   撮影日:2014/12/17 場所:勿来の関

 シャクガ科ナミシャク亜科のクロオビフユナミシャクを紹介します。
 このところ,代わり映えのしない蛾の登場で,がっかりさせられています。今日も,何も収穫がなかったと諦めながら,建物の梁(はり)を見上げますと黒灰色の見慣れた蛾が止まっています。そうです。クロオビフユナミシャクの雌です。今日(2014年12月17日)で今年2回目の出会いです。
クロオビフユナミシャク
今回は前翅の筋模様がはっきり出ているクロオビフユナミシャクの雌。
 前回のときには,翅の筋模様や腹端近くの円い紋が,はっきりと撮れませんでしたので,祈りながらシャッターを押しました。
 今回は,明るいところに止まっていたこともあってねらい通りの写真が撮れました。雌雄とも長い前足を持っているようです。雄(大きい翅がある方が雄です。)の写真からは,触角に短い毛が生えているのが分かります。雌の触角は糸状のようです。

クロオビフユナミシャク
この膨らんだ腹には,卵が入っている気がするクロオビフユナミシャクの雌。
昨日,雌と雄を同じビニル袋に入れてみました。交尾するだろうと思ったからです。袋の中でどちらも歩き回りました。すぐ脇をすれ違うときには「いよいよ始まるぞ。」と胸が,どきどきしました。しかし,何度すれ違っても交尾までには至りませんでした。袋の中には翌日になっても卵が見られませんでしたので,腹が膨れているように見えても産卵後の個体なのかもしれません。

クロオビフユナミシャク
腹端にはナミスジフユナミシャク<以前の記事はこちら>のような円い紋が見られるクロオビフユナミシャクの雌。
 雌は子孫を残すためだけに,生きているように思われます。それは次のことからです。
 ①翅の面積が広いと多くの熱が奪われるので短い翅にして歩いて移動している。 ②液状の食べ物は体が凍る原因になるので,羽化すると同時に食べません。だから,口は無いそうです。雄は口があるのか確認しましたが髭のような毛が生えていて口の有無は分かりません。
 ③翅や口を造らずに,それらのエネルギーを卵の数の多さや質の向上に費やしていると思われます。
 ④繁殖活動を天敵の少ない冬に行っている。

 この様にして1年の中でも一番寒い時期を子孫繁栄ために生きている雌の究極の狙いを感じます。

クロオビフユナミシャク
触角には短い櫛歯状の毛が見えるクロオビフユナミシャクの雄。

 科名 シャクガ科ナミシャク亜科
 和名 クロオビフユナミシャク
 大きさ 前翅長♂18~23mm ,♀5~7mm(体長9~11mm)
 食餌動植物 幼虫はアカシデ、クマシデ、イヌブナ、クヌギ、コナラ、アベマキ、シラカシ、アラカシ、ズミ、リンゴ、タカオカエデの葉,ヤマツツジの葉と花を食べます。
 分布 北海道,本州,四国,九州,対馬
 出現月(羽化する月) 12~1月
 特徴 成虫には口が無く食べません。雌の翅は退化して短く飛べません。

健気さや 子孫残しに エコな雌

クロオビフユナミシャク
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