ヒメハナマガリアツバ
ヒメハナマガリアツバ 撮影場所は全部勿来の関

全体的に紋様がはっきりしているヒメハナマガリアツバ。 撮影日:2013/08/29

決定的な証拠となる触角に瘤がないヒメハナマガリアツバ。 撮影日:2013/08/31

今では東北南部まで北上しているヒメハナマガリアツバ。 撮影日:2013/08/31
ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾ヒメハナマガリアツバを紹介します。
前翅長11mmくらいの小さな蛾です。下唇鬚(かしんしゅ)が発達しているので語尾にアツバが付くヤガ科の蛾であるとすぐに分かります。
ハナマガリアツバに酷似していて画像だけ見て確かなことはいえませんが,次にあげる事柄からヒメハナマガリアツバと判断しました。
①全体に紋様がはっきりしている。
②後翅中央ある白帯が明瞭。
③前翅後翅中央を走る白帯に外横線がはっきり見える。
④2枚目の写真の蛾のように触角に瘤(こぶ)がない。
⑤前翅翅頂付近とその横に黒紋があるものがいる。
決定的なものは,④にあげたように触角にある瘤の有無です。
改めて私のHP「蛾の図鑑」のハナマガリアツバを見ましたら触角に瘤がありません。だから,これをヒメハナマガリアツバと訂正しなければなりません。
科名 ヤガ科 クルマアツバ亜科
和名 ヒメハナマガリアツバ
大きさ 前翅長11mmくらい
出現月 6~10月
食餌植物 不明
特徴
・ハナマガリアツバに酷似。
・暖かい地方の蛾。関東でも,たまに見られるとあるが今は東北でも見られる。
・触角に瘤がない。
似ていても 触角に瘤 なかりけり
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tag : ヒメハナマガリアツバ
シロスジトモエ
シロスジトモエ

触角の形状が雄と雌では違うシロスジトモエ。櫛歯状の触角なので雄のシロスジトモエです。 撮影日:2011/08/18 場所:勿来駅西公園
ヤガ科シタバガ亜科の蛾シロスジトモエを紹介します。
勿来の関より北へ3km進んだ勿来駅のすぐ近くに勿来駅西公園があります。周りは住宅地ですが西側には湿地と林が広がっています。少し,勿来の関とは環境が違います。だから,観察される蛾も異なった種類が少し見られます。そこで,トモエ模様と白い筋がある蛾を2011年8月18日に見ました。
この公園には一晩中外灯がともっているので蛾が飛来して来ます。明るくなると元いた所に戻る蛾もいます。外灯の周りの植え込みに潜むものもいます。朝の5時頃になると,カラスが潜んでいる蛾を食べにやって来ます。カラスの陰に驚いて飛び出すと餌食になってしまいます。追いかけて口で挟み食べてしまいます。真っ直ぐ飛んで逃げている途中で,食べられるのを私は2回見ることができました。
だから,飛び出さず,じっと同じ場所にいるのでしょう。昼間は天敵の目を避け,暗くなるのを待って飛ぶのでしょう。でも,カラスも考えています。歩いて蛾を探し回っています。少しでも動いたら見つかってしまいます。だから,ツトガ科の蛾は葉の裏に隠れています。でも,すごく臆病で人影に驚いて飛び出してしまいます。ここは鳥と蛾の根比べです。ツトガ科以外の蛾は写真を撮ろうと私が近づいても,あんまり逃げないのは生き延びるための知恵なのでしょう。
ところが,ある日スズメがひらひら飛んでいる蛾を追いかけていました。蛾の飛ぶ方向が急に変わるのでスズメは,なかなか追いつけません。それでとうとう蛾は助かりました。このとき,初めてなぜ蛾が真っ直ぐ飛ばず,ひらひら飛ぶのか訳を知りました。ところで,この写真は朝の5時頃写しました。その訳は朝早く行かないと,カラスに食べられてしまうからです。
科名 ヤガ科 シタバガ亜科
和名 シロスジトモエ
大きさ 開張55-63mm
出現月 4~8月
食餌植物 サルトリイバラ、シオデ
特徴
・雄の触角は櫛歯状で,雌は羽毛状。
大胆な 太い白筋 目を奪う
tag : シロスジトモエ
ヘリジロキンノメイガ
ヘリジロキンノメイガ 撮影場所は全部勿来の関

縁(へり)にある縁毛が白く金色に輝いて見えるヘリジロキンノメイガ。 撮影日:2013/08/14

ツトガ科特有の(触角を上にして止まる)止まり方をするヘリジロキンノメイガ。腹部中央には2本の白帯があります。 撮影日:2013/08/29

腹端には白黒・白の紋様があるヘリジロキンノメイガ。 撮影日:2013/08/29
ツトガ科ノメイガ亜科の蛾ヘリジロキンノメイガを紹介します。
へりにある縁毛(外縁の外側にある毛)が白く,翅が黄金のようにまぶしく輝いて見えるので,ヘリジロキンノメイガと呼ばれるのでしょう。最初の写真がその様子をそのまま表しています。
2枚目と3枚目の写真の写真から腹部中央付近に2本の白帯と腹端に白黒・白の紋様があることが分かります。腹端がとがらず白黒・白の紋様がないものもいます。おそらく雄と雌の違いなのでしょう。
ヘリジロキンノメイガ幼虫の食餌植物はムラサキシキブです。勿来の関ではごく普通に見られます。だから,もっと多くのヘリジロキンノメイガが見られてもよさそうなのに見られる数は多くはありません。
毎回お話ししていますが,黄色の蛾で触角を翅の上に乗せて止まるのはツトガ科特有の習性です。
科名 ツトガ科 ノメイガ亜科
和名 ヘリジロキンノメイガ
大きさ 前翅長10mm
出現月 7~9月
食餌植物 ムラサキシキブ
特徴
・触角を翅の上に乗せて止まる。
・腹端に白黒・白の紋様がある。
・腹部中央に2本の白帯がある。
黄色蛾で 上に触角 ツトガなり
tag : ヘリジロキンノメイガ
オスグロトモエ
オスグロトモエ

3枚の写真の蛾は亜外縁線の屈曲がどれも弱いオスグロトモエ。 撮影日:2013/08/25 場所:勿来の関

夜の8時20分頃,灯火に飛来したオスグロトモエ。 撮影日:2011/08/16 場所:勿来の関

縁毛がついているので羽化して間もないオスグロトモエ。 撮影日:2010/08/09 場所:平潟
ヤガ科シタバガ亜科の蛾オスグロトモエを紹介します。
以前2013-07-04にオスグロトモエ<記事はこちら>について紹介しました。
今年の夏(2013年8月25日)にオスグロトモエの雌と思われる蛾に出会いました。 勿来の関の芝生公園を歩いていると,突然,大きな蛾が目の前を通過しました。追いかけて撮った写真が最初のものです。
オスグロトモエなのかハグルマトモエなのか結論は出ません。私だけでなく皆さん同定に迷っておられるようです。決定的な決め手はないものの「山陰産蛾類図鑑」のモス屋さんが「ハグルマトモエ♀と比べて、後翅の亜外縁線の屈曲が弱いことが多い。」<記事はこちら>ことを見つけて下さったので紹介します。
それで,私は「後翅の亜外縁線の屈曲」の様子を見直しました。最初の写真で説明すると後翅の亜外縁線とは一番下の白線の下にある黒い線をいいます。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の画像を見ると黒い線ばかりでなく,その上の白線も一緒に屈曲しています。
ここに載せた写真の3枚は亜外縁線の屈曲が弱いように感じます。7月上旬には春型のオスグロトモエが見つかりました。だから私は勿来の関と平潟で見られるのはオスグロトモエであると結論を出しました。
私のHP「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の「蛾の図鑑」にあるハグルマトモエを近いうちにオスグロトモエに訂正します。
科名 ヤガ科 シタバガ亜科
和名 オスグロトモエ
大きさ 開張 52-75mm
出現月 4~6,7~9月
食餌植物 アカシア、モリシマアカシア
特徴
・雌はハグルマトモエの雌と似ていて写真で見分けるのは困難。
・春型は雄も雌も紋様は似ている。
・夏型の雌の紋様はハグルマトモエの雌に似る。
疑問
・アカシアもモリシマアカシアもオーストラリア南東部、タスマニアを原産地とする植物です。オスグロトモエはそこからやって来た外来種なのでしょうか。それとも,ニセアカシアを食餌植物としているのでしょうか。さらにはニセアカシアは北米原産なので昔からオスグロトモエはいたのでしょうか。
昔から生きていたとすればニセアカシアが入ってくる前に食べていた植物は何だったのでしょうか。
・私はアカシアもモリシマアカシアも勿来の関にはないのでニセアカシアの間違いと考えています。
春型が いれば当然 夏型も
アカシアを 食べているのか 幼虫は
tag : オスグロトモエ
クロスジノメイガ
クロスジノメイガ 撮影場所は勿来の関

橙と黒のコントラストが美しいクロスジノメイガ。 撮影日:2013/08/25

触角をツトガ科特有の翅の上に乗せて止まるクロスジノメイガ。 撮影日:2010/10/07

後翅の黒筋模様も素敵なクロスジノメイガ。 撮影日:2011/08/05
ツトガ科ノメイガ亜科の蛾クロスジノメイガを紹介します。
開張が26-32mmなので,前翅長は13-16mm程の大きくない蛾ですが止まっていると目を惹きます。明るい橙色に黒い縞模様があるからです。白い足先に付け根が黒い足をクモが獲物を待つような格好で止まっているので何か不気味な感じがします。しかし,この簡単な黒筋模様には,人に真似ができない美しさがあります。
食餌植物はキブシ・ヤマボウシ・ミツバウツギの3つが知られています。勿来の関でミツバウツギは未だ見ていませんが,ヤマボウシはぽつぽつ見られる程度です。でも,キブシは勿来の関に普通に生育しています。このことから考えると,もっと多くのクロスジノメイガが見られてもいいと思うのです。その原因は,灯火に集まりにくいのか灯火の場所が羽化する所から離れているからなのでしょう。
科名 ツトガ科 ノメイガ亜科
和名 クロスジノメイガ
大きさ 開張 26-32mm
出現月 5~9月
食餌植物 キブシ、ミツバウツギ、ヤマボウシ
特徴
黒筋に 橙色が 照り映える
tag : クロスジノメイガ
ヨシツトガ
ヨシツトガ 撮影日:2013/08/08 場所:勿来の関

思わず吹き出してしまうヨシツトガの姿。ふさふさで大きい下唇鬚(かしんしゅ)が笑いを誘います。

触角を翅の上に乗せて止まる典型的なツトガ科スタイルのヨシツトガ。

外横線の曲がり角に黒点を持つヨシツトガ。大きな円らな瞳で観察者を観察しています。
ツトガ科ツトガ亜科の蛾ヨシツトガを紹介します。
ちょっと大きめのツトガ科の蛾だなと感じながら写真を撮りました。画像を見て思わず吹き出してしまいました。体に似合わない大きな下唇鬚(かしんしゅ)を目の前に広げているからです。さらに,大きい円らな瞳が目を惹きます。この愛嬌のある姿を見て一遍に好きになりました。
これらの写真を見て何科に属するか分かったら一人前です。触角を翅の上に乗せているのでツトガ科,メイガ科ですが,褐色の翅からツトガ科だろうと予想がつけば,もう通です。
2本の線がうっすらと見えますが,頭に近い方の線(外横線)の曲がる所に黒い紋が見られます。
科名 ツトガ科 ツトガ亜科
和名 ヨシツトガ
大きさ 開張 25-33mm
出現月 7月,8~9月
食餌植物 ヨシ、ツルヨシ
特徴
・ふさふさとした下唇鬚(かしんしゅ)をつけている。
・外横線の曲がる所に黒い紋がある。
・触角を翅の上にして止まる典型的な姿からツトガ科,メイガ科と分かる。
ふさふさの 下唇鬚持ちの ヨシツトガ
tag : ヨシツトガ
モンクロシャチホコ
モンクロシャチホコ 撮影場所は全て:勿来の関

撮影日:2013/08/23
シャチホコ科の蛾モンクロシャチホコを紹介します。
いつも通る歩道の上が,今日(2013年8月23日)は気になりました。近くのサクラの木の下は汚れているのに向こうのサクラの木の下はきれいです。

撮影日:2013/08/24
しゃがんだ途端,何やらいい香りがしました。(調べたらサクラの葉に含まれているクマリンの香りだそうです。)トウモロコシを小さくしたような物が沢山落ちています。落ちている周りは桃色に染まっています。夜降った雨で染みたようです。

撮影日:2013/08/24
中には新しい感じの物もあります。染みていないから分かります。一番新しいのは緑色の物のようです。

撮影日:2013/08/24
下が汚れていたサクラの木を見上げると,枝先ほど葉がありません。

撮影日:2013/08/23
目の前の葉を見ると,黒い体の周りに黄色の毛が生えた毛虫が大勢で食事中です。写真を撮ろうとして葉が揺れると尻と頭を上げる格好をとります。左が尻で右が頭です。
道路を汚していたのは,このモンクロシャチホコの幼虫だったのです。トウモロコシのような物は,この幼虫の糞だったのです。沢山の糞に糞害するところですが,踏んづけても平気です。いい香りがする糞だからです。私はこの糞を集め袋に入れて持ってきました。ときどき袋を開けては糞香を楽しんでいます。
ところで,糞は何故このような形をしているのでしょう。おそらく幼虫が葉をかじってできた粒がある程度消化されて粒のまま糞として出てくるからでしょう。

撮影日:2013/08/23
葉が揺れてよく写せないので道路において撮ると黄色の毛が11の輪を描くように生えていて所々に赤い筋が見えます。尻を上げて威嚇しています。秋には蛹になり,そのまま冬を越します。

撮影日:2013/08/20
若い幼虫は紅色です。サクラの葉の成分に赤い色素があるのでこのような色を帯びるのでしょう。だからサクラの花びらは薄桃色を帯びるのでしょう。

撮影日:2012/06/09
翌年の初夏に羽化した成虫です。簡単な紋様なので一度見たら覚えてしまう蛾です。
実は,この観察をした翌日,悲惨な現状を目にしました。昼から降り続けた雨で46匹もの幼虫が歩道に落ちていました。全滅かなと思いながらサクラの木を見上げると一匹だけ葉の裏に止まっていました。雨が降っただけで幼虫の数がこんなに減ってしまったら,モンクロシャチホコはいなくなってしまうのではと思いながら外のサクラの木の様子を見て回りました。
まず第一に,探すときこつは,木の下の糞を見つけることです。
次に,枝先に葉がついていない枝を見つけて丹念に探します。
こうすれば幼虫は見つかります。
そうして探した結果,外の木のモンクロシャチホコは大丈夫だと分かりました。
この経験から得られた知恵で分かったことがあります。それは,盆が過ぎる頃からサクラの木の下が汚れていたらモンクロシャチホコの幼虫が盛んに食事をしているということです。
科名 シャチホコガ科
和名 モンクロシャチホコ
大きさ 開張 ♂45-54 ♀55-59mm
出現月 7~8月
食餌植物 サクラ類、ナシ、ズミ、ビワ ※終齢幼虫はほとんどの草本、木本の葉を摂食する。
特徴
・お盆が過ぎた頃サクラの木の下が汚れていたらモンクロシャチホコの仕業。
・糞からはクマリンの香りがする。
・枝の先から食べ始まる。
・頭と尻を上げる姿からフナガタムシ(舟形虫)の異名を持つ。
・秋に土中に入り蛹化,越冬する。
盆過ぎに 糞が散らばる 木の下に
これは何 座る側から 糞香る
tag : モンクロシャチホコ
クロシタアオイラガ
クロシタアオイラガ 撮影場所は全て:勿来の関

外横線が頭の方に凹みハート形の紋様を持つクロシタアオイラガ。 撮影日:2011/06/12

ごっつい足をしているクロシタアオイラガ。 撮影日:2011/06/12

食事中のクロシタアオイラガ。 さて,頭は左と右のどちらでしょうか。 撮影日:2013/08/23

頭の方が大きく見えるクロシタアオイラガ。黒い突起は見えません。 撮影日:2013/08/23

黒い突起が4つ見えるクロシタアオイラガ。どんな働きをしているのか知りたいものです。 撮影日:2013/08/23
イラガ科の蛾クロシタアオイラガを紹介します。
この蛾と似た蛾にヒロヘリアオイラガいます。それの食餌植物はサクラ、ウメ、ソメイヨシノ、モミジ、アカメガシワ、カキなので勿来の関に普通に見られる植物です。蛾の観察を始めて,2年半経ちますが未だ見たことがありません。四国では観察されていて,食餌植物も沢山ある勿来の関で見られないのが不思議でたまりませんでした。
もしかして暖かい地方に分布する蛾なのかもしれないと思い「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に掲載されている写真の撮影場所を見ると長野県が北限のように感じました。念のために青森県の蛾を沢山載せているHP「あおもり昆虫記」でクロシタアオイラガを探したらありませんでした。未だ,茨城県あたりまでは北上してきていないので見られないのでしょう。
以前にナシイラガ (08/18)の記事<こちら>を書きましたが,その幼虫に似たクロシタアオイラガの幼虫を昨日(2013年8月23日)見つけました。3枚目の写真を見ているうちに,頭はどちらか考えてしまいました。皆さんは分かりますか。
私は分からないので「幼虫図鑑」の中の画像掲示板<こちら>を利用して尋ねました。解答を見て目から鱗が落ちました。ちょっとしたことに気がついていれば分かることだったのです。
ヒントを差し上げます。今,この幼虫は食事中です。どこから食べ始めるのでしょう。葉の様子を見てお考え下さい。
答える前に気がついたことがあるので少しお付き合い下さい。3枚目の写真で左側をよく見ると黒い突起が幾つか見えます。この黒い突起はどんな働きをしているのか気になってしかたがありません。教わらずに自分で調べればいいのでしょうが・・・。
さて,イラガ科の幼虫は葉の端からかじって食べていきます。だから3枚目の写真で頭は右です。黒い突起が無い方が頭です。
クロシタアオイラガの幼虫について「そよかぜ」さんが詳しい記事を載せています。<こちら>
背中の紋様は個体変異が多少あるようです。
クロシタアオイラガとヒロヘリアオイラガの区別は簡単です。外横線が頭の方に凹みハート形に見えるのがクロシタアオイラガだからです。
ところで,ひどい目にあうのを覚悟してクロシタアオイラガの幼虫の刺に触ってみました。もちろんそっとです。なんと何でもありません。三度試しましたが痛みは感じません。おそらく刺が皮膚に食い込んではじめて痛みを感じるのだと思いました。
ところが,この後サクラの葉に止まっているナシイラガの写真を撮ろうとして手を伸ばした瞬間痛みが走りました。ナシイラガの幼虫の刺が皮膚に食い込んだのでしょう。少し腫れ上がりました。でも,1時間くらいで痛みは取れました。クロシタアオイラガの幼虫の場合は毒の強さはどうなのでしょうか。
科名 イラガ科
和名 クロシタアオイラガ
大きさ 開張23-29mm
出現月 5~6,8~9月
食餌植物 クヌギ、クリ、サクラ、ウメ、カキ
特徴
・幼虫には刺があり刺さると痛み腫れる。
・尻の方には黒い突起がある。
・背の紋様には,多少個体変異がある。
イラガさん 端の方から 食べていく
刺ささる 痛みもあるし 腫れもする
tag : クロシタアオイラガ
ヨモギネムシガ
ヨモギネムシガ 撮影場所は全て:勿来の関

ヒメハマキ模様が沢山あって角張った馬蹄形白紋のヨモギネムシガ。 撮影日:2013/08/10

大雑把なヒメハマキ模様で簡単な山形模様白紋のヨモギネムシガ。 撮影日:2013/08/17

形のいい馬蹄形白紋のヨモギネムシガ。 撮影日:2011/08/18

上が空いてる白紋のヨモギネムシガ。 撮影日:2012/07/21
ハマキガ科ヒメハマキガ亜科の蛾ヨモギネムシガを紹介します。
この蛾を見て亜科名が分かったらすばらしいです。ヒメハマキ模様があるので,この蛾はハマキガ科ヒメハマキガ亜科に属します。ヒメハマキ模様については以前にセモンカギバヒメハマキ<こちら>で取り上げました。
前翅に独特の馬蹄形の白い紋がありますが、私の観察では上が閉じてるものやら開いているものやらさまざまです。中には屋号に使われている山形のものまであります。個体変異が大きい種のようです。白い紋同様ヒメハマキ模様も長いものから短いものまであります。
科名 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科
和名 ヨモギネムシガ
大きさ 開張 14-24mm
出現月 6~10月
食餌植物 ヨモギ
特徴
・白い紋は個体変異が大きい。
・ヒメハマキ模様がある。
白い紋 開くものから 閉じるもの
tag : ヨモギネムシガ
サザナミアツバ
サザナミアツバ 撮影日は全て:2013/08/22 場所は全部:勿来の関

翅頂に入る長い線が目を惹くサザナミアツバ。下唇鬚(かしんしゅ)が左右に開いているように見えてしまいます。

紫色に光っているが実際は上のような色のサザナミアツバ。下唇鬚(かしんしゅ)は上下にずれています。

胸部から翅頂に入る長い線があるサザナミアツバ。この線と後縁の間に褐色の線が3本あります。
ヤガ科アツバ亜科の蛾サザナミアツバを紹介します。
この蛾は今日(2013年8月22日)建物の隅の壁に止まっていました。発達した下唇鬚(かしんしゅ)からヤガ科のアツバ亜科であろうと予想がつきました。黒くて細長く胸部近くから翅頂に入る長い線が目を惹きました。さらに,発達した下唇鬚が八の字に開いて見えました。家のパソコンで拡大すると上下にずらしていることが分かりました。頭を上にして見ると左の下唇鬚を下にしています。このように下唇鬚を揃えず上下にずらしているアツバ類をよく見かけますが,何か訳でもあるのでしょうか。訳を知りたいものです。
翅が紫色に光っている写真がありますが,実際は茶褐色です。サザナミアツバと名が付いていますが,この蛾のどの部分の模様を見て命名したか分かりません。
科名 ヤガ科 アツバ亜科
和名 サザナミアツバ
大きさ 前翅18mm
出現月 4~10月
食餌植物 ハギ
特徴
・胸部近くから翅頂に入る長い線がある。
・その長い線と後縁の間に3本の褐色線がある。
長い線 サザナミアツバ 翅頂入り
tag : サザナミアツバ
ウスモンツマオレガ
ウスモンツマオレガ 撮影日は全部 2013/08/20:場所は全て勿来の関

真横から写したウスモンツマオレガ。つまの折れ曲がりは分かりませんが,薄黒い紋が見えています。白い頭からヒロズコガ科を予想し的中しました。

斜め上方から写したのでつまの折れ曲がりがよく分かるウスモンツマオレガ。頭の前方には2つのふさふさした毛の束が逆八形に出ています。

後ろから写したウスモンツマオレガ。折れ曲がって広くなっています。
ヒロズコガ科ツマオレガ亜科の蛾ウスモンツマオレガを紹介します。
この蛾は昨日(2013年8月20日)建物入り口の柱に太い糸くずが張り付いているように止まっていました。去年までの私ならよく確かめもせず息で吹き飛ばしていたでしょう。でも,小さい蛾ほど変化があって面白いと気づいてからは,吹き飛ばしはしないで写真を撮っています。
小さい蛾なので,また名前が分からないかもしれないと思いました。キバが無く頭が白いのでヒロズコガ科もしれないと思いながらネットで調べると予想が的中しウスモンツマオレガと分かりました。
何とも奇妙な名だと思っていました。三枚目の写真でやっとそのいわれが分かりました。この蛾の前翅先端(外縁の部分)が直角に折れ曲がっていたのです。幸いにも斜め上方から写していたのでその様子が分かりました。つま(端)が折れ曲がっているのでツマオレガと,さらに黒い紋がはっきりせず薄いのでウスモンツマオレガと呼ばれるのでしょう。
科名 ヒロズコガ科 ツマオレガ亜科
和名 ウスモンツマオレガ
大きさ 開帳 14-17mm
出現月 7~8月
食餌植物 不明
特徴
・前翅の後端(外縁)が曲がっている。だから,つま(端)折れ蛾の名が付く。
・前方にふさふさの毛が逆八の字形に二束出る。
翅の端(つま)が 折れ曲がっていて ツマオレガ
tag : ウスモンツマオレガ
ヒメクビグロクチバ
ヒメクビグロクチバ 撮影場所は全部,勿来の関です。

黒い紋と内横線の間に白点は見られないヒメクビグロクチバです。 撮影日:2013/07/31

斜め横前方からも白点は見られないヒメクビグロクチバです。じっとカメラマンを見ていたようです。 撮影日:2013/07/31

黒い帽子を被っていて愛嬌のある顔のヒメクビグロクチバです。 撮影日:2013/07/31

白点は無く亜外縁線が最後の脈まではっきりしているヒメクビグロクチバです。 撮影日:2013/08/07
ヤガ科シタバガ亜科の蛾ヒメクビグロクチバを紹介します。
ヒメクビグロクチバは昨日,紹介しましたナニワクビグロクチバと大変よく似ていて同定にとても時間がかかりました。それほど注意深く見ないと,区別できませんでした。ヒメクビグロクチバの特徴は2つあって,それが区別する大切なポイントになっています。
①前翅にある黒い紋と内横線の間に小さな白点がありません。
紛らわしく少しずれた所に片方しかないものがあります。すごく小さな点で小さな白点ではないような気がします。
②亜外縁線が後縁付近まで明瞭です。
この2つの観点から見たら,私のHP「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の中の「シタバガ亜科1 クチバ類」(下から4番目)にあるヒメクビグロクチバはナニワクビグロクチバだったことに気がつきました。(8月中にはヒメクビグロクチバの新しい写真を載せる予定です。)なにしろ小さな白点があり,しかも亜外縁線が後縁近くで不明瞭になっているからです。(小さな白点は画面上でCtrlキーを押しながらマウスのホイールボタンを前に回転させれば大きくなって見えるようになります。元に戻すのには,Ctrlキーを押しながら反対に回して下さい。)
ヒメクビグロクチバは今年(2013年)7月30日に初めて見つけた蛾でした。そのときは,今まで見てきたナニワクビグロクチバだろうと思ったのできちんと写真を撮りませんでした。ところが,写真を拡大して見ると白点がないことに気がつきました。そこで,次の日も同じ建物の中にいることを期待しながら勿来の関に行きました。運良くガラス窓に止まっていてくれました。今度はいろいろな方向から撮ったり,前翅長を測ったりしました。
前翅長を測りましたら18mmと昨日紹介したナニワクビグロクチバの20mmより小さいことが分かりました。植物でも昆虫でも小さいものには,ヒメをつけます。しかも,人間でいうと首に当たる部分が黒くなっていますので,ヒメクビグロクチバと呼ばれるのでしょう。
科名 ヤガ科シタバガ亜科
和名 ヒメクビグロクチバ
大きさ 前翅長18mm 開帳 37-40mm
出現月 7~10,3月
食餌植物 ヤブマメ
特徴
・黒い紋と内横線の間に小さい白点がない。
・白い亜外縁線は前翅後援近くで不明瞭にならない。
・ナニワクビグロクチバより少し小さい。
ヒメの方 白点は無く 最後まで はっきりとした 亜外縁線
tag : ヒメクビグロクチバ
ナニワクビグロクチバ
ナニワクビグロクチバ 撮影場所は全部:勿来の関

亜外縁線が後縁近くで不明瞭になるナニワクビグロクチバ。 撮影日:2012/08/05

まるで黒い鉢巻きをしているように見えるナニワクビグロクチバ。小さな白点が見えます。 撮影日:2012/08/08

内横線と黒い紋の間に小さな白い点が見えるナニワクビグロクチバ。亜外縁線が後縁付近で不明瞭になっています。 撮影日:2012/08/06
ヤガ科シタバガ亜科の蛾ナニワクビグロクチバを紹介します。
ナニワクビグロクチバはヒメクビクロクチバと大変よく似ていて注意深く見ないとどちらも同じ種に見えてしまいます。ナニワクビグロクチバの特徴は2つあってそれが区別点となっています。
①前翅にある黒い紋と内横線の間に小さな白点があります。
②亜外縁線が後縁付近で不明瞭になります。
この2つを覚えていれば、両者を間違えることはありません。
語句の説明は,蛾loveさん力作の<こちら>と<こちら>を参考にして下さい。そこでは内縁という語句を使っていますが、私は後縁という語句を使っています。それは前と後は対になっているので前縁に対して後縁の方がわかりやすいと思うからです。
科名 ヤガ科シタバガ亜科
和名 ナニワクビグロクチバ
大きさ 前翅長20mm
出現月 2~3月,8月,11~12月
食餌植物 不明
特徴
・黒い紋と内横線の間に小さい白点がある。。
・白い亜外縁線は前翅後援近くで不明瞭になる。
・目の上に三角形の黒帯がある。
小さいが 白点特に 目をつけて
tag : ナニワクビグロクチバ
ナシイラガ
ナシイラガ 場所は全部:勿来の関

腹端が覗いていてシャチホコガ科と間違えそうなナシイラガ。茶褐色の部分はフラッシュを炊くと白い斑点が出てしまう。 撮影日:2013/07/01

胸部の毛が発達していてライオンのように見えるナシイラガ。 撮影日:2013/07/01

4対の大きな角に刺が生えているナシイラガの幼虫。刺に触れるとしばらく痛みます。 撮影日:2013/08/18
イラガ科の蛾ナシイラガを紹介します。
今日(2013年8月18日),桜の木の下を歩いていると,緑色の幼虫が道路に動かずにいました。幼虫の食餌植物がソメイヨシノなので,桜の葉から落ちたのでしょう。しゃがんで見ると4対の大きな角があり,それぞれに刺が生えていました。去年,イラガの幼虫を見ていたので直ぐイラガ科の幼虫だと分かりました。
前にイラガの刺に触れてしばらくの間,痛い思いをしたので,今回は触るのをやめました。ただ,背中の筋模様が違うのでイラガでないと思いました。背中の濃い緑色の筋模様を頼りにネットで調べるとナシイラガだと分かりました。
成虫の黄橙は鮮やかで人目を惹きつけます。ナシイラガを前から見ると胸部の毛が発達していてライオンのたてがみのように見えます。翅を左右に開かず立てていて腹端を翅の後ろから覗かせているのでシャチホコガ科と間違いやすいです。でも,外縁が滑らかな曲線でなく直線なのでイラガ科と予想がつきます。
つまり,翅を立てて腹端が覗いていたら,イラガ科かシャチホコガ科のどちらかです。
科名 イラガ科
和名 ナシイラガ
大きさ 開帳 30~35mm
出現月 7-8月
食餌植物 ナシ、ソメイヨシノ、クリ、クヌギ、カキ、ダイズ、ケヤキ、ツクシヤブウツギ
特徴
・幼虫の刺に触ると大変痛い思いをする。
・翅を立てて腹端を翅の後ろから出して止まることが多い。
・フラッシュを炊くと茶褐色の部分に細かい白点が出る。
翅を立てて 腹端見える ナシイラガ
触れないで 痛みが続く 刺の毒
tag : ナシイラガ
セスジナミシャク
セスジナミシャク 撮影場所は全部:勿来の関

縁毛や腹端が金色に輝くセスジナミシャク。羽化したばかりなのでしょう。 撮影日:2013/08/17

上からでなく横から写すと中央が盛り上がっていることが分かるセスジナミシャクです。 撮影日:2013/08/17

褐色の炎がめらめらと燃えているような紋様のセスジナミシャクです。 撮影日:2012/08/26
シャクガ科ナミシャク亜科の蛾セスジナミシャクを紹介します。勿来の関では4月下旬頃からと8月中旬頃からが多く見られる時期です。
今日(2013年8月17日),久しぶりに再会して画像を見た途端,奇麗さに見とれてしまいました。黒い地に白・薄黄・茶色・金色の筋や紋様があり目立つので見る人を惹きつけてしまいます。金色に光る部分があって,しばし見とれてしまいました。
図鑑でこの蛾を見たとき是非,この目で見たいと思いました。そう思い続けながら,やっと会えたときにはカメラを向けた途端逃げられてしまい悔しい思いをしました。
勿来の関には,オオハガタナミシャクというよく似た蛾も見られますが,セスジナミシャクの腹部の背には筋があるので両者の区別は簡単です。
セスジナミシャクは最初の写真のように頭を下にして止まることが多いです。
背に筋があるナミシャクなのでセスジナミシャクと呼ばれるのでしょう。
科名 シャクガ科ナミシャク亜科
和名 セスジナミシャク
大きさ 開帳 ♂:22~25mm ♀:24~28mm
出現月 4-7,9-10月
食餌植物 アケビ,ミツバアケビ
特徴
・オオハガタナミシャクと似ている。
・頭を下にして止まることが多い。
筋模様 きらきらしてる セスジかな
めらめらと 燃えているよう 筋模様
背に筋が あるので分かる セスジかな
tag : セスジナミシャク
ホソバシャチホコ
ホソバシャチホコ 撮影日は全て2013/08/04:場所は全て:勿来の関

外横線の内側は茶褐色で外側は灰褐色のホソバシャチホコ。

櫛歯状の触角が見え太い腹端が覗いているホソバシャチホコ。

りりしい顔立ちのホソバシャチホコ。目と目の間の褐色は,鱗粉がはがれる程顔を何回もこすりつけたことが分かる。
シャチホコガ科の蛾ホソバシャチホコを紹介します。
シャチホコガ科の蛾は翅を屋根形に閉じて止まる種と左右に開いて止まる種があります。このホソバシャチホコは翅を左右に開いて止まる種です。去年(2012年)初めて見た蛾です。今年になって見たときには全然覚えが無く,名前を調べなければなりませんでした。でも,櫛歯状の触角と太い腹端が見えるのでシャチホコガ科の蛾と予想して調べました。予想が的中し早く調べられました。
成虫は地味な色をしていますが,幼虫は緑色の紋や美しい模様があって奇麗です。
科名 シャチホコガ科
和名 ホソバシャチホコ
大きさ 開帳42-48mm
出現月 5-6,8月
食餌植物 ミズナラ,コナラ,クヌギ,アラカシ
特徴
・前翅中央前縁よりに薄褐色の紋がある。
・外横線の内側は茶褐色で,外側は灰褐色である。
シャチホコガ 太い腹端 覗かせる
tag : ホソバシャチホコ
ヤシャブシキホリマルハキバガ
ヤシャブシキホリマルハキバガ(旧名 ホソバキホリマルハキバガ) 撮影日は全て:2013/08/12 場所は全て:勿来の関

前翅中央付近の逆立った茶色の毛を挟んで2つの瓢簞形の黒い紋があるヤシャブシキホリマルハキバガ。

胸部からの白線がX字状になるヤシャブシキホリマルハキバガ。実際は3枚の写真とも頭を上にして止まっています。

細い下唇鬚(かしんしゅ)が2つ見えるヤシャブシキホリマルハキバガ。
マルハキバガ科の蛾ヤシャブシキホリマルハキバガ(旧名 ホソバキホリマルハキバガ)を紹介します。
この蛾は2013年8月7日に初めて見た蛾です。そのときは,写し方が悪くキバ(下唇鬚(かしんしゅ))が写っていなかったので何科に属するか見当がつかず名前調べは諦めていました。前翅長15mmの細長い褐色の蛾でした。
ところが,「南四国の蛾-nifty」の「高知の自然2 物部町ライトトラップ 2013.8.2」
URLは
http://nabega1225.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/201382-bff4.html
を8月9日に拝見しましたら,そっくりな画像が載っていて名前が分かりました。
「ライトトラップ」の記事を拝見していて思うことは,高知県で見られる頃,勿来の関でも同じ種が見られるということです。
この蛾は,ホソバキホリマルハキバガと呼ばれていましたが,「「日本産蛾類標準図鑑」では,ヤシャブシキホリマルハキバガと改められたようです。幼虫の食餌植物を樹木と推定していましたが,「ヤシャブシ」だと分かったので「ヤシャブシキホリマルハキバガ」と改名されたのでしょう。
今年(2013年)は,何度も見ているので大量発生のようです。最初に見たときには,蛍光灯の枠にぶら下がっていました。二度目のときは,窓枠にぶら下がっていました。三度目のときだけ,壁に止まっていました。
勿来の関には,ヤシャブシが沢沿いに沢山生育しています。早春に花が咲きますが,その頃この木のそばを通ると甘い香りがします。枝には前年の黒褐色の実がついているので,すぐ見つけられます。この木を食餌植物にしている蛾が20種以上存在しているのに何故未だ3種類しか見られないのか不思議でしたが,やっとヤシャブシキホリマルハキバガが4番目に姿を見せてくれました。
ヤシャブシについては以前に,オビカギバ<こちら>と一緒にこのブログに載せました。
科名 マルハキバガ科
和名 ヤシャブシキホリマルハキバガ(旧名 ホソバキホリマルハキバガ)
大きさ 前翅長15mm前後
出現月 6月,岩手7月中旬-8月
食餌植物 樹木と推定
特徴
・ぶら下がる習性があるように思われる。
・前翅の所々に茶色の毛が逆立って生えている。
茶色の毛 所々に 逆立って 盛り上がっている ヤシャブシキホリ
tag : ヤシャブシキホリマルハキバガ
アオフトメイガ
アオフトメイガ

口吻を伸ばして水分の補給をしているアオフトメイガ。 撮影日:2013/08/13 場所:勿来の関

フラッシュを炊いて写したら緑色が濃くなり広がるアオフトメイガ。 撮影日:2013/08/14 場所:勿来の関

フラッシュ炊かずに写すと緑色の部分は薄くなるアオフトメイガ。 撮影日:2013/08/14 場所:勿来の関
メイガ科フトメイガ亜科の蛾アオフトメイガを紹介します。
この蛾を見るのは昨日(2013年8月13日)が初めてでした。今日,再会できたので取り直しをしました。
目で見たときには最初の写真のように,緑色の部分はあまり濃くありません。フラッシュを炊いて写すと,緑色の部分が濃くなったうえに広がります。懐中電灯の光を当てても緑色の部分は濃くなり広がります。
名前を調べるときに次のような予想を立てたので早く分かりました。
①触角を翅の上にのせているのでツトガ科かメイガ科であろう。
②ツトガ科には黄色の蛾が多いのでメイガ科を調べよう。
③メイガ科でもシマメイガ亜科には赤味がかった蛾が多いのでフトメイガ亜科を調べることにしよう。
科名 メイガ科フトメイガ亜科
和名 アオフトメイガ
大きさ 前翅長16mm
出現月 6-8月
食餌植物 不明
特徴
・緑色の部分は光が当たると濃く見える。
・ツトガ科の蛾は触角を翅の上に乗せて止まる。
触角の 位置で科名が 分かりけり
緑色 光当てれば 濃く変わる
tag : アオフトメイガ
セモンカギバヒメハマキ
セモンカギバヒメハマキ 撮影日はすべて:2013/08/12 場所はすべて:勿来の関

大きく丸い目が可愛いセモンカギバヒメハマキ。

白い短い線が斜めに立ち上がるセモンカギバヒメハマキ。前翅翅頂が鉤状に曲がりとがります。

背中にある茶色の紋が目立つセモンカギバヒメハマキ。
ハマキガ科ヒメハマキガ亜科の蛾セモンカギバヒメハマキを紹介します。
前翅長7mm程度の小さい我です。背にある茶色の紋が目につく蛾です。前翅前縁の後半に白い筋模様(長いのを除いて5本)が横から撮った写真に写っています。
この模様はヒメハマキ模様といいます。白くて短い線が前翅前縁から斜めに出るように並びます。このような線が見られたらハマキガ科ヒメハマキガ亜科を探すと早く見つけることができます。
前翅後方の色と模様が綺麗だと感じています。それに加えて、体の割に大きな丸い目をしていて可愛い蛾です。
このセモンカギバヒメハマキの幼虫の食餌植物はハギだそうです。勿来の関にはヤマハギが沢山生育しています。ですから,もっと見られてもいいはずなのに,何故か今年始めてみる蛾です。
背中の紋が大きく目立ち,前翅の翅頂が鉤状に曲がってとがっているので、セモンカギバヒメハマキというのでしょう。
科名 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科
和名 セモンカギバヒメハマキ
大きさ 開張13-16mm
出現月 5下旬-8月
食餌植物 ハギ
特徴
・ヒメハマキ模様(斜めに立ち上がる短い白い線)が見られる。
・背中の茶色の紋が目立つ。
・前翅の翅頂が鉤状に曲がってとがる。
白い線 数本もある ヒメハマキ
tag : セモンカギバヒメハマキ
キクビゴマケンモン
キクビゴマケンモン

黒い斑模様がゴマのように見えるキクビゴマケンモン。 撮影日:2011/08/11 場所:勿来の関

外横線が途中で途切れないキクビゴマケンモン。 撮影日:2012/06/22 場所:勿来の関

首と胸(背の方)に茶色の毛が見えるキクビゴマケンモン。首にある毛は,たてがみのようです。 撮影日:2012/06/22 場所:勿来の関
ヤガ科ケンモンヤガ亜科の蛾キクビゴマケンモンを紹介します。
昨日(2013年8月11日)紹介しましたゴマケンモンによく似ています。ゴマケンモンを見てもキクビゴマケンモンと思ってしまうほど普通に見られる蛾です。
キクビゴマケンモンの特徴をお知らせします。
①外横線が途中で途切れません。
②首や胸部(背の方)に茶色の毛があり,黒い毛があるゴマケンモンと違います。
特に首の周りはライオンのたてがみのようになっていて黄色がかった茶色なので目立ちます。
黒い斑模様をゴマに見立ててゴマケンモン,更に,首の周りが黄色がかった茶色なのでキクビゴマケンモンと呼ばれるのでしょう。
科名 ヤガ科ケンモンヤガ亜科
和名 キクビゴマケンモン
大きさ 開張35-36mm
出現月 6-7月
食餌植物 クマシデ、サワシバ
特徴
・外横線が途中で途切れない。
・首や胸部(背の方)に茶色の毛がある。黒い毛があるのはゴマケンモン。
たてがみを 茶髪に染める キクビかな
tag : キクビゴマケンモン
ゴマケンモン
ゴマケンモン

外横線が途中で切れるゴマケンモン。 撮影日:2013/08/10 場所:勿来の関

羽化して時間がたつと緑色が薄れるゴマケンモン。 撮影日:2013/08/11 場所:勿来の関

首と胸(背の方)の毛が黒いゴマケンモン。 撮影日:2013/07/07 場所:勿来の関
ヤガ科ケンモンヤガ亜科の蛾ゴマケンモンを紹介します。
この蛾はキクビゴマケンモンと似ているため今年(2013年)の7月7日に見つけていましたが,つい最近になって初見の蛾だと気づきました。
どちらも緑色の地に似たような黒い線があるので気がつかなかったのです。2種類の違いを見つけましたのでお知らせします。
①外横線が途中で途切れます。
②首や胸部に黒い毛があり,茶色の毛があるキクビゴマケンモンと違います。
一番良い決め手は,②なので,斜め前か正面から写した写真があれば鬼に金棒です。
去年までなら上から写しただけで,その蛾を全て捉えたと思い込んでいましたが,今年は,斜め前方や後方,正面,横からと写真を撮っています。そのお陰で蛾を詳しく知ることができるようになってきました。
科名 ヤガ科ケンモンヤガ亜科
和名 ゴマケンモン
大きさ 開張30mm
出現月 5-6,7月
食餌植物 クリ、シラカンバ、ミズナラクヌギ、カシワ
特徴
・外横線が途中で切れる。
・首や胸部に黒い毛がある。茶色の毛があるのはキクビゴマケンモン。
首の毛と 胸部の毛まで よく見よう ゴマケンモンは 黒く染めてる
tag : ゴマケンモン
フタスジシマメイガ
フタスジシマメイガ

縁毛が全て白いフタスジシマメイガ。しかも,外縁近くに黒い線があります。 撮影日:2012/06/09 場所:勿来の関

のけ反るように止まるフタスジシマメイガ。触角を翅の上にしているのでメイガ科かツトガ科の蛾だと分かります。 撮影日:2012/06/09 場所:勿来の関

後翅の色が前翅より灰色がかっているフタスジシマメイガ。 撮影日:2013/07/02 場所:勿来の関
メイガ科シマメイガ亜科の蛾フタスジシマメイガを紹介します。
蛾も植物と同じく必ず似ている種がいて同定に頭を悩まします。
フタスジシマメイガと似ている蛾にトビイロフタスジシマメイガいます。線の色が似ていて一瞬迷ってしまいます。前翅前縁の外横線の部分が少しだけ太くなっている点が,太くて長いトビイロフタスジシマメイガの外横線と違います。
一番大きな違いは,縁毛の色にあります。フタスジシマメイガの縁毛の色は全部白いです。前日と前々日にトビイロフタスジシマメイガとシロモンシマメイガについて紹介しましたので読んで下さい。
下に違いを書きますので参考にして下さい。
縁毛の色 翅の色
フタスジシマメイガ 全部白いです。 灰色っぽい小豆色
トビイロフタスジシマメイガ 黒と薄黄色です。 くすんだ小豆色
シロモンシマメイガ 全部小豆色です。 小豆色
科名 メイガ科シマメイガ亜科
和名 フタスジシマメイガ
大きさ 開張21-22mm
出現月 5-9月
食餌植物 枯葉、腐植物、鳥の巣、カシワ
特徴
・トビイロフタスジシマメイガに似ているが縁毛の色が全部白い。
・シロモンシマメイガの縁毛の色は全部小豆色である。
・前翅の色は灰色っぽい小豆色で後翅はもう少し灰色になるのもいる。
縁毛が 全て白いは フタスジだ
tag : フタスジシマメイガ
トビイロフタスジシマメイガ
トビイロフタスジシマメイガ

のけ反るような姿勢で止まるトビイロフタスジシマメイガ。 撮影日:2011/06/29 場所:勿来の関

触角を翅の上に乗せて止まるトビイロフタスジシマメイガ。メイガ科の特徴です。 撮影日:2012/07/07 場所:勿来の関
メイガ科シマメイガ亜科の蛾トビイロフタスジシマメイガを紹介します。
昨日(2013年8月8日)紹介しましたシロモンシマメイガとよく似ていてなかなか見分けがつかなかった蛾です。
次の点が異なります。
①前翅の縁毛の色が,翅頂側半分と後縁側が黒でその間は薄黄色です。後翅は前翅に隠れていない部分は分かりませんが見えている部分は薄黄色です。
②紋と線の色が縁毛と同じく薄黄色です。シロモンシマメイガの紋と線の色は真っ白です。
③翅の色がくすんだ小豆色です。
科名 メイガ科シマメイガ亜科
和名 トビイロフタスジシマメイガ
大きさ 未測定ですが,小さい蛾です。
出現月 6月
食餌植物 不明
特徴
・シロモンシマメイガに似ているが縁毛の色の違いで区別できる。
・トビイロフタスジシマメイガの縁毛の色は黒と薄黄色である。
・翅はくすんだ小豆色である。
縁毛の 色の違いで 区別する 黒と薄黄は トビイロの方
tag : トビイロフタスジシマメイガ
シロモンシマメイガ
シロモンシマメイガ

頭,白紋,白筋以外は小豆色のシロモンシマメイガ。 撮影日:2013/07/12 場所:勿来の関

頭は薄褐色で縁毛は全部小豆色のシロモンシマメイガ。 撮影日:2012/07/26 場所:勿来の関

頭を壁から離し腹端を上げるシロモンシマメイガ。 撮影日:2013/07/12 場所:勿来の関
メイガ科シマメイガ亜科の蛾シロモンシマメイガを紹介します。
翅全体の色が小豆色をしていて白い紋と白い筋模様がある蛾です。トビイロフタスジシマメイガと似ていてどこで区別するのか分からず,同定に大変苦労した蛾です。両者を見比べているうちに縁毛(前翅や後翅の外縁に生えている毛)の色が違うことにやっと気が付きました。
シロモンシマメイガの縁毛は全て翅の色と同じ小豆色です。
トビイロフタスジシマメイガの縁毛は全て同じ色ではありません。
7月1日に紹介しましたオオウスベニトガリメイガのように,シロモンシマメイガも足を突っ張って頭を壁から離し,しかも腹端を持ち上げるようにして止まります。その様子を写したのが3枚目の写真です。
科名 メイガ科シマメイガ亜科
和名 シロモンシマメイガ
大きさ 前翅長 8~9mm
出現月 7-8月
食餌植物 不明
特徴
・トビイロフタスジシマメイガに似ているが縁毛の色の違いで区別できる。
・シロモンシマメイガの縁毛の色は全部小豆色である。
縁毛が 全て小豆が シロモンだ
tag : シロモンシマメイガ
ムラサキミツボシアツバ
ムラサキミツボシアツバ 撮影日はすべて:2013/08/07 場所もすべて:勿来の関

何処の部分のホシを指しているかはっきりしないムラサキミツボシアツバ。

薄茶色の部分が広がっている雌のムラサキミツボシアツバ。

下唇鬚(かしんしゅ)先端の小さな突起物の働きが気になるムラサキミツボシアツバ。下唇鬚が上下に重なっているように見えるがそこまで観察していません。
ヤガ科アツバ亜科の蛾ムラサキミツボシアツバを紹介します。
前縁に斑模様が並び,その間を埋めるように薄茶色が広がっているので遠くからでも目立つ蛾です。ミツボシアツバと大変よく似ていて画像だけでは同定が難しいです。ムラサキミツボシアツバは資料がほとんど無くて比べる画像が少ないです。でも,ムラサキミツボシアツバの前翅の色は薄褐色というより紫がかっています。これら3枚の写真も紫っぽいのでムラサキミツボシアツバと断定しました。
この蛾はアツバ亜科の例に漏れず下唇鬚(かしんしゅ)が発達しています。
この写真のムラサキミツボシアツバは薄茶色の部分が広がっているので雌です。雄の方は薄茶色の部分がありません。未だ,見つけていません。灯火に飛来するのは,ほとんどと言っていいくらい雄の方なのに,ミツボシアツバのように雌の方が飛来するのは珍しいことです。
科名 ヤガ科アツバ亜科
和名 ムラサキミツボシアツバ
大きさ 開張 33-40mm
出現月 7-10,3月
食餌植物 不明
特徴
・雄と雌では色が違う。雄は焦げ茶で,雌には薄茶色の部分がある。
・ミツボシというが何処の部分を指しているか分からない。
・ミツボシアツバとよく似ている。
すぐ分かる 雌の印は 薄茶色
tag : ムラサキミツボシアツバ
ギンモンカバマルハキバガ
ギンモンカバマルハキバガ

触角の斑模様が奇麗なギンモンカバマルハキバガ 撮影日:2013/08/02 場所:勿来の関

内横線が真っ直ぐなギンモンカバマルハキバガ 撮影日:2013/08/06場所:勿来の関

触角が出ている所が白いギンモンカバマルハキバガ 撮影日:2013/08/02場所:勿来の関

中横線がL形で少し大きいツマジロベニマルハキバガ 撮影日:2012/08/04場所:勿来の関
マルハキバガ科マルハキバガ亜科の蛾ギンモンカバマルハキバガを紹介します。
前に紹介しましたツマジロベニマルハキバガによく似た蛾です。
前翅長4mm程の大変小さな蛾です。小さい蛾ほど奇麗であると思っていますので,建物の壁を気を付けて見ました。すると一見ごみのような物が付いていました。懐中電灯で照らしますと縞模様がある蛾であることが分かりました。画像を確認するとツマジロベニマルハキバガの仲間であることが分かりましたので念入りに写真を撮りました。
ツマジロベニマルハキバガの中横線は,横から見るとL字のように頭の方に曲がっています。
ギンモンカバマルハキバガの中横線は,横から見るとほぼ真っ直ぐです。どちらの触角も白と黒の斑模様が奇麗です。
科名 マルハキバガ科マルハキバガ亜科
和名 ギンモンカバマルハキバガ
大きさ 開張 9mm 前翅長 4mm
出現月 7-8月
食餌植物 不明
特徴
・前翅長 4mm程の小さい蛾である。
・中横線は真っ直ぐである。
・ツマジロベニマルハキバガと似るが中横線の様子で区別できる。
小さな蛾 色鮮やかで 負けぬなり
tag : ギンモンカバマルハキバガ
ヤマガタアツバ
ヤマガタアツバ

一見ハングロアツバに似ているが後縁に平行な茶色の紋が無いのがヤマガタアツバです。 撮影日:2011/05/20 場所:勿来の関

左右の下唇鬚(かしんしゅ)を上下にずらしているヤマガタアツバ。 撮影日:2012/05/22 場所:勿来の関

外横線中央が突き出ているので山に見立ててヤマガタアツバとなったのでしょう。 撮影日:2013/08/05 場所:勿来の関
ヤガ科アツバ亜科の蛾ヤマガタアツバを紹介します。
前に(2013年7月30日)ブログでハングロアツバを紹介しました。その蛾にヤマガタアツバは,とてもよく似ていて判断に迷ってしまいます。私がどう判断してヤマガタアツバとしたか紹介します。
濃い褐色の先端が,外横線と後縁が交わる部分まで張り出していればヤマガタアツバです。
一方,ハングロアツバは,外横線と後縁が交わる部分から,胸部からの白線が止まる所まで後縁と平行に茶色の部分が続いています。つまり,前翅後縁中央付近に茶色の紋があるのがハングロアツバなのです。その紋らしきものはヤマガタアツバにもありますが,はっきりと後縁に平行になっている紋はありません。
このことが分かってからはヤマガタアツバとハングロアツバの同定は楽になりました。
胸部からの白線の有無は同定の根拠にはなりません。あるものとないものがいるからです。
外横線中央が外縁の方に突き出ているのを山に見立ててヤマガタアツバ(山形厚羽)と名付けたのでしょう。
科名 ヤガ科アツバ亜科
和名 ヤマガタアツバ
大きさ 開張 28-32mm
出現月 5-9月
食餌植物 ウツギ、マルバウツギ、アカソ
特徴
・後縁に平行した茶色の紋が無い。
・胸部から内横線まで走る白線を持つヤマガタアツバもいる。
後縁の 茶色い紋が 決め手なり それが無いのは ヤマガタアツバ
トビフタスジアツバ
トビフタスジアツバ

内横線と外横線との間にある紋で笑っているように見えるトビフタスジアツバです。 撮影日:2012/06/24 場所:勿来の関

内横線も外横線も前縁近くで凹むトビフタスジアツバです。下唇鬚(かしんしゅ)は小さいです。 撮影日:2012/06/24 場所:勿来の関

外縁付近は黒ずんでいて写真のように線らしきものは見えないトビフタスジアツバです。 撮影日:2013/08/03 場所:勿来の関
ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾トビフタスジアツバを紹介します。
クルマアツバ亜科にはトビフタスジアツバに似た蛾が12種類以上もいて迷ってしまいます。私が調べた種類は下の通りです。
①トビスジアツバ ・・・横線3本
②ヒメツマオビアツバ・・・横線3本
③ツマオビアツバ ・・・横線3本
④キイロアツバ ・・・横線3本
⑤ウスキミスジアツバ・・・横線3本
⑥ウスグロアツバ ・・・横線3本
⑦ヒメコブヒゲアツバ・・・横線3本
⑧シラナミアツバ ・・・横線3本
⑨クロスジアツバ ・・・横線3本
⑩トビフタスジアツバ・・・横線2本
⑪ミスジアツバ ・・・横線4本
⑫ニセミスジアツバ ・・・横線4本
この中で横線が2本のものは,⑩トビフタスジアツバだけですので同定は簡単です。横線は内横線と外横線の2本で目立つ存在です。だから,①のトビスジアツバと区別する為にもフタスジを強調してトビフタスジアツバと名付けられたのでしょう。
写真には亜外縁線らしきものが真一文字に見えますが,目には外縁部が薄黒く見えるだけで,横線は内横線と外横線の2本しか見えません。
その2本の横線が特徴的なので,一度見たら忘れられません。真一文字に走る横線が前縁付近で外縁の方に凹んでいるからです。凹んだ上の方には黒い線があって笑っているように見えます。
下唇鬚(かしんしゅ)が発達したアツバ類の中にあって,このトビフタスジアツバの下唇鬚は小さいほうです。
飛二筋厚羽ではなく鳶二筋厚羽(鳶色=茶褐色)の意味です。
科名 ヤガ科クルマアツバ亜科
和名 トビフタスジアツバ
大きさ 開張 20-31mm
出現月 4-6,8-10月
食餌植物 枯葉
特徴
・亜外縁線がなく外縁付近は黒ずんでいる。
・内横線も外横線も前縁付近で外に出張るが,後縁向かう線は真っ直ぐである。
・アツバでも下唇鬚(かしんしゅ)は小さい。
五七五
前縁の 近くで凹む 笑い顔
鳶色で 横線二つ このアツバ

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tag : トビフタスジアツバ
シロホシクロアツバ②
どちらの蛾でしょうか?

紋の色が黄色なのでフタキボシアツバに見えてしまいます。撮影日:2012/06/24 場所:勿来の関

でも,外横線が前縁付近で急に曲がることや下唇鬚(かしんしゅ)が大きく曲がっているのでシロホシクロアツバです。撮影日:2012/06/24 場所:勿来の関
今日(2013年8月3日),勿来の関に行きますと床に上の写真のような蛾が止まっていました。私は画像をみて,咄嗟に蛾の名前が分かりました。
さて,昨日(2013年8月2日),紹介しましたものを参考にしてこの蛾はシロホシクロアツバか,それともフタキボシアツバか考えてみましょう。
①紋の色に注目して判断するとフタキボシアツバになります。
②外横線と下唇鬚(かしんしゅ)に注目して判断しますとシロホシクロアツバになります。
③シロホシクロアツバの画像をネットで探しますと,ほとんど紋の色は黄色になっています。キボシクロアツバと名前を変えた方がぴったりな感じを持ちます。
結論
外横線が前翅前縁近くで急に曲がり,下唇鬚(かしんしゅ)が大きく曲がっているのでこの蛾はシロホシクロアツバです。
ところで,昨日のシロホシクロアツバより黒い蛾でした。
五七五
判断は 星の色より 線を見て
tag : シロホシクロアツバ②
シロホシクロアツバとフタキボシアツバ
ブログ154シロホシクロアツバとフタキボシアツバ

外横線が前翅前縁近くで急に曲がるシロホシクロアツバ。右の星が黄色に見え色で判断はしない方が無難です。 撮影日:2013/08/01 場所:勿来の関

上とこの写真からシロホシクロアツバの下唇鬚(かしんしゅ)が大きく曲がっているのが分かります。 撮影日:2013/08/01 場所:勿来の関

外横線が急に曲がらないフタキボシアツバ。下唇鬚は前に突き出ます。 撮影日:2011/07/14 場所:勿来の関
ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾シロホシクロアツバ,フタキボシアツバを紹介します。私は,この2種類の蛾を先日(2013年7月31日)まで区別することができませんでした。ところが,2013年7月31日やっと違いが分かり同定することができましたので,皆さんに紹介します。ただ私が写したフタキボシアツバは内横線の下に小さな黄色の点がありません。前翅前縁近くの内横線下にある黒ずんだ点がそれに代わるものだと思っています。
2種類の違いは下の通りです。
シロホシクロアツバ フタキボシアツバ
星の色 白(黄のもいる) 黄
外横線 前翅前縁近くで急に曲がる 前翅前縁近くで急に曲がらない。
下唇鬚 大きく曲がる 前に突き出る
星(斑紋)の色だけで決めると間違うので外横線の様子も見て判断すると同定が確かなものになります。
科名 ヤガ科クルマアツバ亜科 科名 ヤガ科クルマアツバ亜科
和名 シロホシクロアツバ 和名 フタキボシアツバ
大きさ 開張 22-25mm 大きさ 前翅長 9mm
出現月 7-9月 出現月 6-7,8-9月
食餌植物 広葉樹の枯葉 食餌植物 不明
特徴 特徴
・外横線が前翅前縁付近で急に曲がる。 ・外横線が前翅前縁付近で曲がらない。
・下唇鬚(かしんしゅ)が大きく曲がる。 ・下唇鬚が前に突き出ている。
アツバ類は下唇鬚(かしんしゅ)が発達しています。
五七五
決め手なり 外横線の 曲がり方
ツマキシロナミシャクの擬態
ツマキシロナミシャク

このツマキシロナミシャクは触角を翅の上に乗せるとこまでヒョウモンエダシャクをまねている。 撮影日:2012/06/13 場所:勿来の関

後翅の外縁が黄色でヒョウモンエダシャクに上手く化けているツマキシロナミシャク 撮影日:2012/06/14 場所:勿来の関

黒い斑模様はともかく頭から腹までが黄色でキシタエダシャクに化けているキガシラオオナミシャク 撮影日:2011/06/30 場所:勿来の関
シャクガ科ナミシャク亜科の蛾ツマキシロナミシャク,キガシラオオナミシャクを紹介します。
ツマキシロナミシャクは前に紹介したヒョウモンエダシャクに大変よく似ています。頭から腹まではキシタエダシャクに似ています。それらに似ていると有利なことがある為と思われます。即ち,天敵の鳥が敬遠するヒョウモンエダシャク・キシタエダシャクに似ることは生き残る可能性が大きくなるということです。ツマキシロナミシャクの方は,頭から腹までが黄色なので翅を左右に少しだけ開けば,どちらにも似てしまいます。上手く化けたものです。ツマキシロナミシャクの食餌植物は実が食べられるサルナシですから毒は無いと思われます。
キガシラオオナミシャクは翅の紋様はあまり似ていませんが,頭から腹までが黄色で前翅の紋様と合わせればキシタエダシャクと似ていると思われます。
最初にヒョウモンエダシャク,次にキシタエダシャクを紹介し,今日これらの蛾を取り上げたのは理由があります。観察をしていて,白地に黒の斑模様をした蛾が何故多いのか不思議に思っていたのです。多く見かける訳は,ヒョウモンエダシャクの記事を書いている途中で気が付きました。毒を体内に溜め込んでいるヒョウモンエダシャクやキシタエダシャクは,鳥が敬遠して食べないので,多く生き残れます。それらに似ているツマキシロナミシャクもキガシラオオナミシャクも鳥に敬遠されて生き残れる数が増えます。
だから,ヒョウモンエダシャクのような白地に黒の斑模様をした蛾が沢山見られる訳です。
科名 シャクガ科ナミシャク亜科
和名 ツマキシロナミシャク
大きさ 前翅長 18-22mm
出現月 5-6月
食餌植物 サルナシ
特徴
・外縁部が黄色なので翅はヒョウモンエダシャクに擬態していると思われる。
・頭から腹までが黄色なのでキシタエダシャクにも擬態していると思われる。
・ツマキとは端が黄色,つまり後縁が黄色であることを示している。
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ヒョウモンに 擬態するとは 知恵がある
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