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マダラマルハヒロズコガ


マダラマルハヒロズコガ
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マダラマルハヒロズコガ 下の端から頭を出している。撮影日:2013/06/30 場所:勿来の関

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マダラマルハヒロズコガ 上に移動するときは,このように長く体を出す。撮影日:2013/06/30 場所:勿来の関

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マダラマルハヒロズコガ 右横に移動するときは左端を反時計回りに180度回転させる。撮影日:2013/06/30 場所:勿来の関

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マダラマルハヒロズコガ 成虫。撮影日:2013/06/30 場所:勿来の関

ヒロズコガ科の蛾マダラマルハヒロズコガを紹介します。
 この蛾の成虫の写真は去年の夏に撮っていました。独特な巣の写真を今日撮ったので記事を書きます。柵を何気なく見ると,見たいなと思っていた8の字形(瓢箪の形)の巣がぶら下がっていました。暫く見ていると,下の方から頭を出しました。
 そのまま観察していて分かったことを次に書きます。
  ①巣の大きさ
    長い方9mm
短い方5mm
    くびれた所4.1mm
    厚さ1mm程度
  ②頭は長い方の端(どっちから出すかはそのときの状況次第)から出す。
  ③上への移動は,巣から体を長くだして巣を引くようにして移動する。
  ④右への横方向の移動は,長い方の右端から体を出し,巣を反時計方向に180度回転させて進む。※頭が出なかった方がどうして落ちないのか不思議。

 幼虫は枯葉や樹皮を食べるとされていたが,アリの幼虫を食べる肉食性であることが分かったそうである。

マダラマルハヒロズコガの幼虫についての記事を2つ紹介をします。
 ①青森の蝶たち::マダラマルハヒロズコガ  URLは下です。
http://ze-ph.sakura.ne.jp/zeph-blog/index.php?e=128

②マダラマルハヒロズコガの幼虫 URLは下です。
http://o-san.blog.eonet.jp/jinenjo/2013/06/post-2f08.html


 科 ヒロズコガ科
 和名 マダラマルハヒロズコガ
 大きさ 前翅長 9mm前後  
 出現月 6月~9月
 食餌植物 アリの幼虫らしいことが分かってきた。
 特徴 幼虫は扁平な巣の中にいる。横への移動の仕方が面白い。


五七五

幼虫は 8の字形の 巣の中に


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tag : マダラマルハヒロズコガ

ギンスジアオシャク


ギンスジアオシャク
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ギンスジアオシャク 水色の紋が目を惹きつけます。撮影日:2012/09/10 場所:勿来の関

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ギンスジアオシャク 白い筋を銀色に見立てて名付けたと思われます。撮影日:2013/06/29 場所:勿来の関

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ギンスジアオシャク 個体変異があり多少紋様が違います。撮影日:2011/08/30 場所:勿来の関

 シャクガ科アオシャク亜科の蛾ギンスジアオシャクを紹介します。この蛾は2011年から毎年観察されています。6月下旬から9月上旬まで勿来の関では見られますが,そう多くはありません。
 前翅長12~13mmの小さな蛾ですが,緑色の地に前翅外縁にある明るい水色の紋が映えて奇麗に見える蛾です。アオシャク亜科の内で,一番美しい蛾だと思っています。今年は今までになく一番早く姿を現してくれました。天井に張り付いているギンスジアオシャクを見つけました。今までは遠くて上手く写せないので,諦めていました。でも,最近は奥の手で写真撮りに成功しています。ススキの先で蛾を下に落とすまです。今日の蛾は下まで落ちずに,あいている隙間から一旦外に出ました。でも,どういう訳かまた,中に入ってきて前より写しやすい距離まで近付いてくれました。
 今日だけでなく,戻る蛾がいることは前にも観察しています。前にはこんなことがありました。50m離れた林目指して飛んでいった蛾が途中で鳥に食べられたり,スズメに追いかけられたりするのを目撃しています。幸い動作の遅いスズメにはひらひら飛ぶ蛾の動きについて行けず命拾いをした蛾がいました。
 一直線を描くように飛ぶより,ひらひらと上下左右に飛ぶ方が助かる確率が高いということをこのとき初めて知りました。
 白い筋模様を銀色にたとえてギンスジアオシャクと呼んでいると思われます。

 科 シャクガ科アオシャク亜科
 和名 ギンスジアオシャク
 大きさ 前翅長:12~13mm  
 出現月 6~9月
 食餌植物 クサイチゴ、クサフジ
 特徴 個体変異があり紋様が多少違っています。


五七五
水色が 目を惹きつけて じっと見る


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tag : ギンスジアオシャク

ナカムラサキフトメイガ


ナカムラサキフトメイガ
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ナカムラサキフトメイガ 前翅長 11mm程度の小さい蛾です。撮影日:2013/06/27 場所:勿来の関

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ナカムラサキフトメイガ 6色の彩りの奇麗さに暫し見とれました。撮影日:2013/06/27 場所:勿来の関

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ナカムラサキフトメイガ 太い腹なのでフトメイガと呼ばれるのでしょう。撮影日:2013/06/27 場所:勿来の関

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ナカムラサキフトメイガ 後翅の翅脈に沿って毛が生えていることに気が付きました。撮影日:2013/06/27 場所:勿来の関

 メイガ科フトメイガ亜科の蛾ナカムラサキフトメイガを紹介します。
 前翅長 11mmくらいの小さな蛾ですが,黒紫・桃・橙・黒・黄・赤が並んだ彩りに暫く見とれていた程奇麗な蛾です。私が命名者だったら,ニジイロフトメイガと付けたことでしょう。
 去年,写したときには気付きませんでしたが,意外に毛深い蛾であると思いました。後翅の翅脈に沿って長い毛が生えているからです。しかも,二筋も生えています。どんな役目を果たしているのか知りたいものです。(最後の写真参照)
 翅の付け根が紫色で腹部が太いからナカムラサキフトメイガと呼ばれるのでしょうが,付け根の根をとってネムラサキフトメイガと名付けてもよかったと思っています。

 科 メイガ科フトメイガ亜科
 和名 ナカムラサキフトメイガ
 大きさ 前翅長 11mm前後  
 出現月 5月~9月
 食餌植物 カシワ
 特徴 6色で彩った奇麗な翅を持つ。後翅の翅脈に沿って二筋毛が生えている。


五七五

彩りに 暫し見とれる 奇麗さよ

二筋も 毛が生えている 不思議なり

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tag : ナカムラサキフトメイガ

アケビコノハ 幼虫


アケビコノハ   写真は全てクリックすると大きくなります。
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アケビコノハ ふだんは頭部が上で尾脚が下になっています。体の色は焦茶色。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

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アケビコノハ 目玉模様が大きく見えるがしまりがないように見えます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

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アケビコノハ 目玉が小さく見えるがにらんでいるように見えます。体に触られると目玉模様のある部分に尾脚のある所を近付けます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

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アケビコノハ 脱皮前には頭部が下になります。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関

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アケビコノハ 脱皮後残された皮。黒くて細い胸脚が見えるので頭部だと分かります。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関

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アケビコノハ 体に触られると尾脚の先の黒い部分が凹んで見えなくなります。撮影日:2013/06/10 場所:勿来の関

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アケビコノハ いつも後ろの腹脚で体を支えています。食べるときには胸脚で葉や茎を押さえるようにします。撮影日:2013/06/13 場所:勿来の関

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アケビコノハ a頭部 b胸脚(成虫になったときの足になります。) c1~4腹脚 d尾脚 e目玉模様撮影日:2013/06/15 場所:勿来の関

 アケビコノハを紹介します。これらはアケビコノハの幼虫です。勿来の関には,アケビコノハの食餌植物であるミツバアケビやアケビが普通に生育しています。だから,幼虫はすぐ見つかるだろうと予想していました。ところが,なかなか見つかりません。一度でいいから,目玉模様のある幼虫を見ようと,諦めずに探した甲斐があってとうとう,2013年6月7日(金)に見つけました。

6月7日(金)
 横から見ると二つの目玉模様が見えますが,上から見ると四つも見えます。(2枚目の写真)
 体に触るとどうなるか,近くにあった葉で触るとUの字に空いていた隙間を埋めるようにしました。(3枚目の写真)
 更に触ると嫌々するように体を横に振ります。

6月8日(土)
 幼虫の頭がどちらかWeb図鑑「ある蛾屋の記録」の「基本用語と基礎知識」の「幼虫同定の初歩 図3-1」で調べました。URLは下記の通りです。
http://www.jpmoth.org/base/L3_001.jpg

 先端が二つに分かれている方が頭と思っていましたが,丸みがあり黒くて細い胸脚が3対ある方が頭でした。(その3対が本来の足だそうです。)
先端が二つに分かれている所を尾脚,体の真ん中あたりにある太い足は腹脚といい幼虫のときだけ見られるそうです。

6月9日(日)
 昨日まで頭が上だったのに,今日は下になっていました。(4枚目の写真)

6月10日(月)
 昨日の場所より20cm右へ移動していた。
 焦茶色から全体に白っぽくなり黄色や橙色が目立つようになっりました。(6枚目以降の写真)
 なぜ,体の色が急に変化したのかと不思議に思いながら昨日いた場所を見て気が付きました。脱皮した証拠を示す黒い皮が残っていたのです。(枚目の写真)
 胸脚がついている部分が見えるので,脱皮するときは頭を下にするようです。頭を下にして脱皮するのはヨコヅナサシガメと同じです。
 側にあるミツバアケビの葉をもぎ取って体に触ると尾脚の先端の黒いものが縮んで見えなくなります。(6枚目の写真)

6月13日(木)
 午前9時15分頃,元気にミツバアケビを食べていました。写真を写そうとして手が植物に触れると不自然な振動が伝わり,アケビコノハは活動を止めてしまうのでミツバアケビに触らずに写しました。

6月15日(土)
 午前7時17分頃,この日も食欲旺盛に食べていました。

6月16日(日)
 今日はどうしているかなと思いながら近付くと法面がきれいに除草されていました。勿来の関は福島県立公園になっていて,春夏秋の年3回の除草をしています。その結果,アケビコノハが生活していたミツバアケビを取り除かれてしまいました。
運が良ければ蛹の様子まで見られると喜んでいましたが,残念な結果になってしまいました。
 あんな観察しやすい場所はなかったのに残念です。

 科 ヤガ科エグリバ亜科
 和名 アケビコノハ
 大きさ 幼虫 大きくなると70~80mm  成虫 前翅長 50mm前後  
 出現月 5月~10月
 食餌植物 ミツバアケビ、アケビ、ムベ、アオツズラフジ、ヒイラギナンテン、メギ、カキ
 特徴 鳥の目に似た目玉模様が2対ある。尾脚を目立たせてヘビの鎌首に似せている。


観察して分かったこと
 ①脱皮したら焦茶色から全体的に白っぽくなり,黄色や橙色が目立つようになる。
 ②普通は,頭は上になっているが,脱皮のときは下にする。
 ③頭を隠すように丸くなる。
 ④尾脚をヘビが鎌首をもたげるように,いつもしている。
 ⑤不審な震動が伝わると動きを止めて暫く動かなくなる。
 ⑥幼虫の足は胸脚3対・腹脚4対(頭に近い1対は小さい)・尾脚1対である。
 ⑦体を支えるのは,後ろ3対の腹脚である。
 ⑧葉や茎を食べるときは胸脚で動かないようにしているように見える。

尚,成虫の方のアケビコノハのURLは下です。
http://kitaibaraki987.blog.fc2.com/blog-entry-4.html

五七五

鳥の目の 効き目の程は 如何ほどか

念を入れ ヘビの頭に 似せている

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tag : アケビコノハ幼虫

フジフサキバガ


フジフサキバガ
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フジフサキバガ 工夫して写した写真の中で上手く写せたのは僅かでした。撮影日:2013/06/25 場所:勿来の関

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フジフサキバガ 牙のような下唇鬚(かしんしゅ)の下にふさふさした毛の束が見えます。撮影日:2013/06/25 場所:勿来の関

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フジフサキバガ どうしても黄色はフラッシュを焚くと斑が生じます。撮影日:2013/06/25 場所:勿来の関

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フジフサキバガ 工夫しても角度が悪いと色が飛んでしまいます。撮影日:2013/06/25 場所:勿来の関

 キバガ科の蛾フジフサキバガを紹介します。
 今年で2回目の出会いです。前回のときは翅の紋様を上手く写せないうちに逃げられてしまいました。翅が黄色なのでフラッシュを焚くと色が飛んでしまうので,工夫しながら何枚も撮ってやっと上手く写すことができました。

 その方法は下のようにします。
  ①懐中電灯で蛾に光を当てる。
  ②シャッターを半押しする。
  ③蛾に光が当たらないようにする。(スイッチを切るか,ずらす。)
  ④シャッターをおす。

 ただの黄色い蛾とばかり思っていましたが,このような紋様があるなんて初めて知りました。

 前方に出ている触角からまた触角が出ているようで奇異に感じますが,斜め後方に伸びたものがキバのようで惹きつけられます。その下にある毛の束はどんな役目を果たしているのか知りたいものです。
 幼虫がマメ科のフジを食べ房のようなものからキバが出ているように見えるので,フジフサキバガと名付けられたのでしょう。

 科 キバガ科
 和名 フジフサキバガ
 前翅長 小さい蛾10mm程度
 出現月 5月~7月
 食餌植物 フジ・ヤマフジ・ナツフジ
 特徴 房のようなものから斜め後方に伸びるキバ。


五七五

見事だな 大きな牙が 惹きつける

工夫して 奇麗に撮れた 翅の模様

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tag : フジフサキバガ

クロツヤミノガ


クロツヤミノガ
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クロツヤミノガ 翅を立てて止まると前縁の翅頂部分が丸く見える。撮影日:2011/06/23 場所:勿来の関

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クロツヤミノガ 触角が目立つ。撮影日:2011/06/23 場所:勿来の関

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クロツヤミノガ 翅脈や腹部の筋が目立つ。実際はもう少し黒っぽい。撮影日:2013/06/23 場所:勿来の関

 ミノガ科の蛾クロツヤミノガを紹介します。丁度2年前の同じ日にこの蛾の写真を撮っています。
 今朝(2013年6月23日)8時頃建物の入口周辺を2匹の黒い蛾らしい昆虫が,雌を探しているかのように休むことなく飛んでいます。そのうち止まって休むだろう思いながら見ていました。しかし,5分くらい経っても2匹の羽ばたきは止まりません。仕方なく,一回りしてから,また,見に来ることにしました。

 1時間後,来てみると流石に疲れたのか柱に止まっていました。蛾を捕まえるために用意していた網を下からそっとすくい上げるようにして捕まえました。近付いた網に驚いた蛾は必ず下の方に落ちるのですくい上げるようにするのです。壁や柱から離れ羽ばたくまでに少し時間がかかるので重力に引かれて落ちるのです。このクロツヤミノガは羽ばたいて逃げずに網に止まってくれたので楽に捕まえることができました。そのとき撮ったのが最後の写真です。
 
 その羽ばたいているのを見たときから,小さくて黒い昆虫だったのでミノムシの仲間の蛾であることを思い出しました。最初の出会いのときは,白い壁に止まっているところをたった2枚の写真を撮っただけで逃げられてしまいました。小さい蛾であることは見ただけで分かりましたが前翅長を測ることができませんでした。今回は採集したので前翅長11mmであることが分かりました。
 でも,その後の名前調べは難航しました。難航するはずです。体の割りに大きな触角がある黒い蛾でこれといった特徴のある紋様が無いうえに,1つの科にたった4種類しかいない小さな科だったので調べずにいたからです。
 「四国産蛾類図鑑」を掲載しているnabeさんの御陰でやっと名前がクロツヤミノガと分かりました。

「ミノムシ - Wikipedia」から面白い話を抜粋して紹介します。
 『オオミノガの雌は一生蓑の中で暮らし羽化した雄が交尾器を蓑の中に挿入して蓑の中で交尾をする。
 その後,雌は殻の中に1,000個以上の卵を産卵する。
 孵化する頃に,雌はミノの下の穴から出て地上に落下して死ぬ。
 20日前後で孵化した幼虫は蓑の下の穴から糸を垂らして外に出る。』


 詳しくは下のURLを見て下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ミノムシ


 科 ミノガ科
 和名 クロツヤミノガ
 前翅長 小さい蛾11mm
 出現月 5月~6月
 食餌植物 ブナ、ニレ、バラ、多くの樹木、灌木、蘚類
 特徴 おそらく雌は一生蓑の中で暮らし,雄のみ羽化する。体の割りに触角が大きい。


短歌

触角が 体の割りに 大きくて 雄が羽ばたき 雌はみの中


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tag : クロツヤミノガ

サクラマルモンヒメハマキ


サクラマルモンヒメハマキ
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サクラマルモンヒメハマキ 前縁沿いにヒメハマキ模様(褐色の縞模様)がある。撮影日:2013/06/21 場所:勿来の関

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サクラマルモンヒメハマキ 外縁近くに丸い紋がある。その内側に南北アメリカ大陸の地図模様がある。撮影日:2013/06/21 場所:勿来の関

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サクラマルモンヒメハマキ 撮影日:2013/06/21 場所:勿来の関

 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科の蛾サクラマルモンヒメハマキを紹介します。
 今朝(2013年6月21日),勿来の関の道路を歩いていると,人影に驚いたのでしょう,道端の草陰から小さい昆虫が飛び出して足下に止まりました。逃げ出さないようにそっとしゃがみながらカメラを取り出しました。「逃げませんように。」と祈りながら,カメラを近付けて写真を撮りました。羽化して間もないのか,フラッシュを焚いても逃げませんでした。
 家に帰るとすぐ,この蛾の名前を調べました。前翅前縁に見える縞模様(ヒメハマキ模様)から亜科名まで分かっていたので速く探し当てることができました。

 外縁近くの丸い紋・その内側にある南北アメリカ大陸に似た紋様が手がかりになりました。

 幼虫がサクラの仲間を食べ外縁近くにある丸い紋様からサクラマルモンヒメハマキと名付けられたのでしょう。

 科 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科
 和名 サクラマルモンヒメハマキ
 前翅長 小さい蛾7~8mm前後
 出現月 6月~9月
 食餌植物 ウワズミザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、エドヒガン、ソメイヨシノ、シダレザクラ
 特徴 外縁近くに丸い紋・その内側に南北アメリカ大陸に似た紋様がある。


短歌

丸紋と 大陸模様 手がかりに 探す対象 ヒメハマキガ科


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tag : サクラマルモンヒメハマキ

フタオレツトガ


フタオレツトガ
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フタオレツトガ ツトガの仲間に似ていますが,前翅長14mmと大きい蛾です。。撮影日:2013/06/17 場所:勿来の関

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フタオレツトガ 触角を翅の上に乗せているのでツトガ科・メイガ科と察しがつきます。撮影日:2013/06/17 場所:勿来の関


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フタオレツトガ 真っ白に見えますが,写真には褐色の線が写ります。撮影日:2013/06/17 場所:勿来の関

 ツトガ科ツトガ亜科の蛾フタオレツトガを紹介します。今日(2013年6月17日)までこの蛾は未見の蛾でした。一見して大きいツトガが止まっていると感じながらシャッターを切りました。画像を見て未見の蛾でしたので名前調べを楽しみにいそいそと帰宅しました。

【探すポイント】
 上の方から写した写真を見ると触角が翅の上に乗っています。こんなときには,まずツトガ科・メイガ科を調べれば速く探せます。シバツトガやシロツトガに似ているのでツトガ亜科を探したら見つかりました。

【写すときのポイント】
 白い蛾と黄色の蛾はフラッシュを焚くと必ず色が飛んでしまいます。そうすると,この蛾のように薄い模様は,写りません。こんなときには奥の手があります。
 まず,懐中電灯で蛾を照らしながらシャッターを半押しします。
 次に,半押ししたまま懐中電灯の灯りをずらした後で(消しづらいのでずらしています。),シャッターを押します。このようにして写した写真がこれらの3枚です。
 
 巻き尺で前翅長を測ると14mm程度ありました。測りづらい場所だったので多少のずれがあると思います。

 科 ツトガ科
 和名 フタオレツトガ
 開張 14mm程度
 出現月 5~6月,8~9月
 食餌植物 不明
 特徴 前翅に淡い褐色の線がある。触角がふさふさしている。


短歌と五七五

触角が 翅の上にある 蛾を見たら ツトガかメイガ 探すに限る

白い蛾は フラッシュ焚けば 色が飛ぶ


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クロテンシャチホコ


クロテンシャチホコ
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クロテンシャチホコ 翅を開いて止まると印象が違って見えてしまいます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

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クロテンシャチホコ このように閉じて止まるとシャチホコガらしいです。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

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クロテンシャチホコ 前翅前縁中央より少し離れたところにある黒点が目印です。撮影日:2013/05/20 場所:勿来の関

 シャチホコガ科の蛾クロテンシャチホコを紹介します。この蛾を見たのは,今年初めてです。最初の写真のように止まっていてくれれば,すぐシャチホコガ科と分かります。シャチホコガ科の蛾は翅を2枚合わせるように屋根形にして止まるからです。
 2枚目の写真のように翅を開かれるとお手上げです。翅頂が尖って見えるのでカギバガ科トガリバガ亜科の蛾に見えてしまいます。ヤガ科の蛾にも見えますが,太い腹部が見えているのでシャチホコガ科も調べたと思います。
 でも,何といっても前翅前縁近くの中央にある黒い斑紋が目印です。これがこの蛾の特徴なのでクロテンシャチホコと名付けたのでしょう。

 大きくて落ち着いた色合いのクロテンシャチホコは好きな蛾です。

 科 シャチホコガ科
 和名 クロテンシャチホコ
 前翅長 20mm以上
 出現月 4~5月,7~8月
 食餌植物 ミズナラ,コナラ
 特徴 前翅前縁中央付近に黒い斑紋があります。


五七五

翅を開き 止まる姿は 別種かな

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tag : クロテンシャチホコ

アカマツハナムシガ


アカマツハナムシガ
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アカマツハナムシガ 橙色の線が目印です。撮影日:2012/06/12 場所:勿来の関

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アカマツハナムシガ 撮影日:2012/06/12 場所:勿来の関

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アカマツハナムシガ 撮影日:2012/06/12 場所:勿来の関

 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科の蛾アカマツハナムシガを紹介します。
 1年前にこの蛾にあって以来名前が分からないでいました。前縁沿いに黒い筋模様があるのでヒメハマキ亜科を何度も探しました。しかし,見つかることはありませんでした。見つからなかった訳は,「みんなで作る日本産蛾類図鑑」にたった1枚しか写真が掲載されていなかったからです。見過ごしていたのです。
 昨日(2013年6月19日),アカマツを食餌植物にしている蛾を「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の「検索機能」を使って調べていました。すると,運良く似た画像が見つかったのです。現在,このアカマツハナムシガの画像を掲示している方は,たった3人しかいませんでした。
 アカマツの花を食べる虫なのでアカマツハナムシガと呼ぶのでしょう。

 科 ハマキガ科ヒメハマキガ亜科
 和名 アカマツハナムシガ
 開張 11~15mm
 出現月 6~7月
 食餌植物 アカマツの雄花
 特徴 橙色の線がある。


五七五

橙の 線目印に 名前知る

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tag : アカマツハナムシガ

ヒロズイラガ


ヒロズイラガ
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ヒロズイラガ 何科の蛾か分からず・・・撮影日:2013/06/16 場所:勿来の関

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ヒロズイラガ ヒロズコガ科を探しましたが,撮影日:2013/06/16 場所:勿来の関

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ヒロズイラガ 似ている画像無し。撮影日:2013/06/16 場所:勿来の関

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ヒロズイラガ 前翅後縁の大きな白紋が目印です。撮影日:2011/07/18 場所:勿来の関

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ヒロズイラガ 大きな白紋の脇に白点もあります。撮影日:2011/07/18 場所:勿来の関

 イラガ科の蛾ヒロズイラガを紹介します。あまり見かけない蛾です。2年前の7月に写真を撮っていました。ところが,今年撮った写真を見て何科に属する蛾なのかも分かりませんでした。
 頭が白っぽく大きいので最初に,ヒロズコガ科を探しました。見つからないので次に,ハマキガ科やヤガ科コヤガ類を探したましたが全て無駄でした。
 その次に,下唇鬚(かしんしゅ)が目立っているように見えるので,キバガ科を探しましたが,徒労に終わりました。こんなときには,一旦探すのを止めた方が良いのです。あるとき,ひょんなことから見つかることがあるからです。

 今朝(2013年6月19日)撮ってきたウストビイラガの紋様が変わっていたので,こんなウストビイラガがいるのかとイラガ科を調べていました。すると,どうでしょう。私の写した画像と似たような画像があるではありませんか。これで,3日後にやっと名前を知ることができました。

ヒロズイラガ
開張 17mm
出現月 6~8月
食餌植物 カエデ類・クマシデ・サワシバ
目立った特徴
 ①前翅後縁に大きな白紋とその近くに小さな白点がある。
 ②胸部の毛が上に立ち上がる。
 ③頭部の毛が橙色。
 ④下唇鬚が目立つ。
 ⑤翅を屋根形にして止まる。
⑥頭が大きく見えるので広頭と名付けられたのでしょう。


五七五

なに科かも 見当つかず 苦労する

後縁の でかい白紋 決め手なり


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tag : ヒロズイラガ

ツマオビアツバ

ツマオビアツバ
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ツマオビアツバ 亜外縁線が一番太く目立っています。撮影日:2012/07/01 場所:勿来の関

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ツマオビアツバ 内横線は直線で逆八の字です。下唇鬚(かしんしゅ)が目立ちます。撮影日:2011/07/09 場所:勿来の関

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ツマオビアツバ 目が笑っているようです。撮影日:2013/06/17 場所:勿来の関

 ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾ツマオビアツバを紹介します。
 このツマオビアツバは,クロスジアツバによく似ていますが,区別がつきますか。
クロスジアツバについて,6月6日に紹介していますので御覧下さい。
 次に,ツマオビアツバの特徴を説明します。
 ①亜外縁線(一番外側の線)がふとい。
 ②内横線(一番頭に近い線)が斜めで,逆八の字になっている。
 ③幼虫の食餌植物は,コメツガ、アカマツ、スギだそうです。

 この蛾の模様は人の顔のようです。内横線が眉に,外横線が口に見えます。口と眉が怒っているようですが,目が笑っているように見え,おかしくなってきます。
愉快な楽しい模様です。

③に書いたように,ツマオビアツバの幼虫の食餌植物にアカマツと表記されています。
 勿来の関は,スギはほとんどありませんが,アカマツが無数に生育しています。
その割りにツマオビアツバの出現数が少ないことが理解できません。

 勿来の関でアカマツを幼虫の食餌植物にしていて普通に見られる蛾をあげると次のようなものです。
 ①フタヤマエダシャク
 ②シロシタトビイロナミシャク
 ③マツカレハ
 ④ミスジツマキリエダシャク
 ⑤マツアトハマキ

 ①と②と③は毎年,見飽きるくらい出現しています。

 ツマオビとは端(つま)に帯のように太い線があるという意味でしょう。


五七五

一つだけ 太くて目立つ 線を持つ

ツマオビは 眉が怒って 目が笑い


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tag : ツマオビアツバ

アトキスジクルマコヤガ

アトキスジクルマコヤガ
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アトキスジクルマコヤガ 外横線が逆八模様になっています。 撮影日:2011/07/25 場所:勿来の関

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アトキスジクルマコヤガ 撮影日:2011/07/25 場所:勿来の関

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アトキスジクルマコヤガ 撮影日:2011/07/25 場所:勿来の関

 ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾アトキスジクルマコヤガを紹介します。この蛾にもよく似たアトテンクルマコヤガがいて長い間同定に悩んできました。最近になって2種類の蛾の違いに気付きました。初めの頃は,亜外縁線の様子ばかりに注目していましたので,区別することはできませんでした。
 その違いは止まったとき外横線が作る形にありました。

 ①アトキスジクルマコヤガは前翅前縁と外横線の交差する位置が後縁の交差する位置より高いので漢数字の八を逆さにした形になります。この事実は,どのサイトの画像を見ても間違ってはいません。
 言い換えれば,アトキスジクルマコヤガは止まるときに前翅を少し上げるようにして止まるのでしょう。

 ②アトテンクルマコヤガの方は,前翅と後翅の外横線で作る形は,漢数字の一です。

 ③内横線と外横線が,アトキスジクルマコヤガもアトテンクルマコヤガも,ほぼ平行でです。

 ④アトキスジクルマコヤガの幼虫の食餌植物はヌルデだそうです。勿来の関にはヤマウルシと同じくらい沢山生育しているので,この蛾が出現するのは納得できます。

 という訳で,勿来の関で見られる方は,アトキスジクルマコヤガとしました。
 従いまして,私のHP「北茨城・勿来周辺の博物誌」の中の「蛾の図鑑」のアトテンクルマコヤガをアトキスジクルマコヤガに訂正します。

追記
 2枚目と3枚目の写真の蛾はアトテンクルマコヤガの可能性があります。それは後翅の亜外縁線(外横線線の外側の線)の黄色い筋が1枚目の写真のようにはっきりと出ていないからです。
 後翅にはっきりとした黄色い筋があるからアトキスジクルマコヤガと名が付いたのでしょうから。

五七五

止まるとき 逆八模様 アトキスジ

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tag : アトキスジクルマコヤガ

ニセミスジアツバ


ニセミスジアツバ
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ニセミスジアツバ 亜外縁線(1番外側の線)には縁取りがありません。撮影日:2012/08/26 場所:勿来の関

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ニセミスジアツバ 亜外縁線は翅頂付近で2本に別れます。撮影日:2012/08/26 場所:勿来の関

 ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾ニセミスジアツバを紹介します。昨日,ミスジアツバを紹介する記事で触れた蛾です。
 よく似ていますが,亜外縁線(1番外側の線)の様子が次のように違うので区別がつきます。

 ①亜外縁線が焦茶色の線からできていて,ミスジアツバのように明るい薄褐色の縁取りがありません。(昨日の写真を見て下さい。)
 ②この亜外縁線が翅頂付近で2本に分かれる。前縁に向かう線と翅頂に向かう線の2本です。


短歌と五七五

ニセミスジ 亜外縁線 焦茶色 縁取りあるは ミスジなり

分かれます 亜外縁線 ニセミスジ

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ミスジアツバ


ミスジアツバ
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ミスジアツバ 縁取りのある決め手の亜外縁線に注目しましょう。撮影日:2013/06/06 場所:勿来の関

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ミスジアツバ クルマアツバ亜科の例に漏れず独特の下唇鬚(かしんしゅ)があります。撮影日:2013/06/06 場所:勿来の関

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ミスジアツバ 撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

 ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾ミスジアツバを紹介します。この蛾を同定するにも苦労しました。それは,ニセミスジアツバと似ていてどこで区別すればよいかなかなか分からなかったからです。やっと違いを見つけたので,記事を書くことができます。

 ミスジアツバには横の線が4本あります。
 内横線・中横線・外横線の外に亜外縁線(1番外側の線)の4本です。
 この中の亜外縁線に注目すれば,素早く見分けることができます。

 ①ミスジアツバには亜外縁線の内側(頭側)には茶褐色,外側には明るい薄褐色の線があります。
②ニセミスジアツバには外側に明るい薄褐色の線がありません。
 ③亜外縁線が翅頂付近で前縁に向かう線と翅頂に向かう線に別れません。
 ④ニセミスジアツバは,2つに分かれます。

 これらに気が付くまでにはだいぶ時間がかかりました。

 幼虫の食餌植物は枯葉だそうです。

 4本の線があるのに,何故,ミスジアツバというのでしょうか。私には分かりません。


五七五

縁取りの 亜外縁線 決め手なり

何故ミスジ 線が4本 見えるのに



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キイロアツバ


キイロアツバ
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キイロアツバ 内横線は歯車模様。撮影日:2012/06/14 場所:勿来の関

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キイロアツバ 下唇鬚(かしんしゅ)が目立ちます。撮影日:2012/06/18 場所:勿来の関

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キイロアツバ  外横線  亜外縁線が外縁から出ています。撮影日:2013/06/14 場所:勿来IC

 ヤガ科クルマアツバ亜科の蛾キイロアツバを紹介します。勿来の関で見られるこれに似た蛾は9種類いると前に「クロスジアツバ (06/06)」で紹介しました。

 この蛾はいつ写真を撮っても黄色がかった褐色に写ります。だから,キイロアツバといわれるのでしょう。

 特徴を説明します。

 用語の意味は次のサイト「ある蛾屋の記録:基本用語と基礎知識:成虫同定の初歩」を見て下さい。URLは次の通りです。
http://www.jpmoth.org/base/L2.html

 ①内横線(頭に1番近い線)が,ぎざぎざの歯車模様である。
 ②中横線(真ん中の線)と内横線との間に黒褐色の紋がある。
 ③外横線が太くて濃く翅頂あるいは翅頂より外縁に寄った所から出ている。

 ②笑った目のような短い弧状の紋がある。
 ③真ん中に見られる外横線は前縁近くで大きく頭の方へ曲がる。
 ④一番太くて濃い亜外縁線は外縁から出ている。
 ⑤クルマアツバ亜科特有の立派な下唇鬚(かしんしゅ)はL字のように曲がる。

 幼虫の食餌植物はカシワだそうです。


短歌

薄黄色 立派な下唇鬚 そびえてる 内横線が 歯車のよう


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アシベニカギバ


アシベニカギバ
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アシベニカギバ 全部褐色のタイプ。撮影日:2011/06/17 場所:勿来の関

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アシベニカギバ 線が目立つタイプ。撮影日:2012/06/14 場所:勿来の関

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アシベニカギバ 上が褐色で下が黄色いタイプ。撮影日:2011/09/09 場所:勿来の関

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アシベニカギバ このように足が赤いのでアシベニカギバといわれます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

 カギバガ科カギバガ亜科の蛾アシベニカギバを紹介します。この蛾は個体変異が大きい蛾です。次の3つの型に分かれます。

 ①翅頂から前翅後縁中央に向かう線が目立つもの。
 ②全体的に同じ褐色のもの。
 ③①で説明した線の内側(頭の方)が褐色で,外側が黄色のもの。

 3つの型に分けられますが,どの型にも共通しているものがあります。それは,前翅中央から前縁寄りの所に白い「ヘ. 」の紋様があることです。前翅が鉤状になっていて,この紋様があればアシベニカギバで間違いありません。最後の写真のように足が赤いので,アシベニカギバといわれています。


五七五

足赤く 白紋付きの カギバなり



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フタテンシロカギバ


フタテンシロカギバ
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フタテンシロカギバ 翅頂に鉤がないカギバガ科の蛾です。撮影日:2012/07/26 場所:勿来の関

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フタテンシロカギバ 鉤が無くてもカギバガ科の蛾です。撮影日:2013/06/08 場所:勿来の関

 カギバガ科のフタテンシロカギバを紹介します。翅頂が鉤状に尖っていないこの蛾を見て誰がカギバガ科の蛾であることを思い付くでしょうか。このように尖っていないカギバガ科の蛾が5種類くらいいます。わたしは,てっきりシャクガ科の蛾と思い探しましたが見付かりっこありません。とうとう分からず「四国産蛾類図鑑」を掲載しているnabeさんの「蛾の掲示板」でお尋ねして,やっと名前が分かった思い出深い蛾です。
 去年から2年続けてこのフタテンシロカギバに出会っています。今年は,苦労しただけあって,見ただけで科名と名前が分かりました。
 名前のいわれは前翅に2つの黒い点があって,白い蛾だからフタテンシロカギバと呼ばれるのでしょう。食餌植物のミズキやクマノミズキは勿来の関で見かけます。

 前翅長は14~15mmありました。
 食餌植物はミズキやクマノミズキだそうです。
 成虫の出現月は4~9月だそうです。


短歌

この姿 誰もシャクガと 思い込む 前翅に鉤が あれば直ちに

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ハスオビヒメアツバ


ハスオビヒメアツバ
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ハスオビヒメアツバ 前翅中央から翅頂寄りにハの字形の黒点があります。撮影日:2013/06/06 場所:勿来の関


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ハスオビヒメアツバ 下唇鬚の細くなった先が急に上方へ曲がっています。撮影日:2013/06/06 場所:勿来の関

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ハスオビヒメアツバ 前翅長が7~8mmの小さな蛾です。撮影日:2013/06/06 場所:勿来の関

 ヤガ科ミジンアツバ亜科のハスオビヒメアツバを紹介します。この蛾はウスオビヒメアツバと酷似していて,同定するのに苦労してきました。私が写した蛾の前翅長は7~8mmありました。
 その2種類の蛾の違いは,次の通りです。

    ハスオビヒメアツバ           ウスオビヒメアツバ
分布   北海道~九州             本州~九州
前翅長   6.5~8mm              記述なし
出現月   4~5,7~9              6~7
特徴    前翅前縁中央より外縁の方に  前翅前縁中央より外縁の方に
      ハの字形の黒点          大きな斑紋

 分布を見るとウスオビヒメアツバは暖かい地方の蛾のようです。
 前翅前縁中央より外縁の方に大きな斑紋がある画像が「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に掲載されています。でも,困ったことに私が写した蛾のようにハの字形の黒点を持つ画像もありました。雄雌の違いなのか,どちらのタイプもいるのか分かりません。この点について触れているのは次のURLのサイトです。
http://mushinavi.com/navi-insect/data-ga_atuba_hime_hasuobi.htm

 大きな斑紋がある画像を掲載しているのは,3つありました。1つは「みんなで作る日本産蛾類図鑑」,2つ目のサイトのURLは下です。
http://bioinfo.lowtem.hokudai.ac.jp/db/modules/zukan/index.php?action=node&node_id=3387

 もう1つはハスオビヒメアツバとウスオビヒメアツバを混同しているように思われます。
 ハの字形の黒点をもつ画像の掲載が,多いことからウスオビヒメアツバは少ないと思っています。

 勿来の関で見られるこの蛾は,「ハの字形の黒点」と分布から考えてハスオビヒメアツバと考えました。
 従いまして,私のHP「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の中の「蛾の図鑑」ヤガ科アツバ類4のウスオビヒメアツバをハスオビヒメアツバと訂正しなければなりません。

 ハスオビとは斜め(はす)になった外横線の内側が濃くなっているのを帯に見立てているものと思われます。ヒメとは小さいという意味です。


五七五


ハスオビは ハの字の点で 区別でき

決め手なり でかい黒斑 ウスオビだ

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シロモンアオヒメシャク


シロモンアオヒメシャク
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シロモンアオヒメシャク 白い紋が目立っています。撮影日:2011/06/20 場所:勿来の関

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シロモンアオヒメシャク 2化(春羽化した成虫が生んだ卵から羽化した成虫)の蛾です。撮影日:2012/08/11 場所:勿来の関

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シロモンアオヒメシャク 少し擦れた個体のようです。撮影日:2013/06/11 場所:勿来の関

 シャクガ科のシロモンアオヒメシャクを紹介します。アオシャク亜科の蛾は翅の色が緑色です。でも,アオシャクというのは,昔,緑色を青といっていたからです。 ところで,この蛾は翅が緑色でもなぜかアオシャク亜科ではなく,ヒメシャク亜科の蛾です。そんなこととは露知らず,2年前にこの蛾を見つけたとき何度もアオシャク亜科を探したことを思い出します。もちろん見つかりませんでした。
 名のいわれは,白い紋がある青いヒメシャクなのでシロモンアオヒメシャクと呼ばれるのでしょう。ヒメには「可愛い・小さい」という意味があります。
 大きさの目安は「四国産蛾類図鑑」によると次の通りです。大きさは前翅長の長さを表しています。

          大きさ
 小さい蛾     15mm未満
 中くらいの蛾  15~30mm
 大きい蛾    30mm以上

 このシロモンアオヒメシャクの前翅長は大きくても12mm程度です。

 前翅長・開帳・前縁・内横線・下唇鬚等の用語の解説は次のサイト「ある蛾屋の記録」の中に出ています。
 URLは次の通りです。
http://www.jpmoth.org/~moth-love/yougo-syu/yo-gokaisetu.html



五七五

青くても アオシャクじゅない ヒメシャクだ

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シロモンツマキリアツバ


シロモンツマキリアツバ
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シロモンツマキリアツバ 白い三つの紋がありミツボシツマキリアツバではないかと迷ってしまう。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関

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シロモンツマキリアツバ 前翅は外縁付近で明るい褐色にならないのでシロモンツマキリアツバと判断できる。撮影日:2012/06/18 場所:勿来の関

 変わった止まり方をする蛾シロモンツマキリアツバ(ヤガ科ツマキリアツバ亜科)を紹介します。以前に紹介したリンゴツマキリアツバと同じ止まり方をします。どちらも前縁に白紋があってよく似ていますが,シロモンツマキリアツバの方は後翅中央付近に三つ星の白紋があるので区別がつきます。
 ところが,同じような紋があるミツボシツマキリアツバともよく似ています。今日(2013年6月10日)まで,その違いが分かりませんでしたが,やっと違いに気付きました。前翅の付け根から外縁まで黒っぽい方がシロモンツマキリアツバなのです。外縁線から外側が急に明るい褐色になるのがミツボシツマキリアツバです。この違いに気付き私のHP「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の「蛾の図鑑:アツバ類 4」に掲載のミツボシツマキリアツバの名を削除しシロモンツマキリアツバと訂正しました。

 ミツボシツマキリアツバが勿来の関に生息していないことは,食餌植物のハルニレの分布からも明かです。ハルニレは日光の戦場ヶ原周辺に行かないと見られないどちらかというと高原で見られる植物です。この点に早く気付いていれば同定で悩まずに済んでいたのにと後悔しています。
 一方,シロモンツマキリアツバの食餌植物は,勿来の関で普通に見られるガマズミです。6月上旬,白い小さな花が無数に咲きます。それに合わせるかのように,毎年シロモンツマキリアツバは出現しています。

 このシロモンツマキリアツバは,アツバの仲間の例に漏れず独特な下唇鬚(かしんしゅ)を持っています。それを写すには横の方向からせまると上手く表現できます。

 名前にツマと付いていますが,端で妻の意味ではありません。ツマキリとは端切りで外縁が前翅・後翅とも真ん中あたりを頂点とするように切られた形をしているからです。前縁に大きな白紋があるのでシロモンと名付けられたのでしょう。

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シロモンツマキリアツバ このように翅を立てて止まる。横からせまると独特な下唇鬚を写せる。撮影日:2013/06/09 場所:勿来の関


五七五

シロモンは ガマズミ食べて 生きている 

ミツボシは ハルニレ食べて 生きている

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イモキバガ


イモキバガ
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イモキバガ 大小2つの楕円形の紋が目印です。撮影日:2013/05/29 場所:勿来の関

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イモキバガ 立派なキバ(下唇鬚)のおかげで格好良く見える。撮影日:2013/05/29 場所:勿来の関

 前翅に大小2つの黄褐色をした楕円形の紋があるイモキバガ(キバガ科)を紹介します。小さい体に似合わず立派なキバの持ち主であることは2枚目の写真でお分かりできることと思います。このキバは下唇鬚(かしんしゅ)が発達したものと思われます。このキバ(かしんしゅ)は触角と同じような働きをするそうです。
 私は名前を見たとき「なぜ,名前にイモが付くのかな」と思いました。とっさに頭に浮かんだのは,イモを食うからだろうということでした。
 イモはイモでもジャガイモかサツマイモか,葉の方か,それとも芋の方か調べるために「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で調べるとサツマイモの葉の方でした。
 このとき,思い出したのは「サツマイモの花がさきました。」と知らせてくれた方がおられたので見に行きますと,ヒルガオにそつくりな花が咲いていたことでした。このとき初めて,サツマイモとヒルガオは同じ仲間であることを知りました。
 予想通りサツマイモの葉だけでなくヒルガオの葉も食べると書かれてありました。何と驚くことには同じ仲間の海浜植物ハマヒルガオの葉も食べるそうです。
 このイモキバガの幼虫のときの様子が面白いので紹介します。
①幼虫は葉っぱを二つ折りにして,糸で縁周りを閉じます。
②袋状の巣に閉じこもり、内側から葉脈と皮1枚を残して食べます。
③巣には穴が開いてないので糞を中に溜め込みます。
 このようにすれば,天敵に食べられたり,寄生蜂の産卵を防いだりすることができます。糞塗れになっても命あってのものだねです。

 葉をつづり合わせるので,とても見つけやすい害虫だそうです。毎年発生しますが,特に干ばつの年に多く発生する傾向があるそうです。


短歌

サツマイモ ヒルガオも食う イモキバガ どちらも同じ 仲間だからだ

葉を折って 糸で綴って 閉じこもり 内側の皮 食い親になる


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ナラクロオビキバガ


ナラクロオビキバガ
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ナラクロオビキバガ 2本の黒帯の濃さにむらがある。形のいいキバが目立ちます。撮影日:2012/08/04 場所:勿来の関

 前翅長5mm程度の小さな蛾ナラクロオビキバガ(キバガ科)を紹介します。
この蛾はニセナラクロオビキバガによく似ています。画像を観察の結果,次のように判断してナラクロオビキバガといたしました。

①胸部の左右に小さな黒点がある。
②上の方の紋は周辺が濃く中の方は薄い黒帯になっているが,その下の方に2つの黒紋がある。
③Vの字の黒帯の下の方に丸い黒丸がある。
④その黒丸の前縁寄りに黒い紋がある。
⑤2つの黒帯が一様に黒くなく,濃さにむらがある。
 
 以上の5つの観点からナラクロオビキバガと判断しました。
 最初の2枚は2012/08/04に最後のものは2013/06/07に撮影しました。

 幼虫はコナラの葉を食べるそうです。

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ナラクロオビキバガ 上の帯にも下の帯にもそれぞれ丸い斑点がある。撮影日:2012/08/04 場所:勿来の関

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ナラクロオビキバガ 前翅長5mm程の小さい蛾です。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関


五七五

黒帯と 丸い斑点 手がかりに


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tag : ナラクロオビキバガ

カクモンヒトリ


カクモンヒトリ
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カクモンヒトリ 頭部を上にして見るとWの紋が見えます。撮影日:2011/06/23 場所:勿来の関

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カクモンヒトリ 頭部を上にして見るとAの紋が見えます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関

 個体変異があるカクモンヒトリ(ヒトリガ科ヒトリガ亜科)を紹介します。

 最初の写真は2011/06/23に2枚目3枚目は2013/06/07に写しました。頭を上にしたとき,最初のものにはWの紋が見えますが,後の蛾にはその紋がありません。Web図鑑「四国産蛾類図鑑」には最初の紋様の蛾は出ています。幸い,2枚目の蛾の紋様は「岐阜大学教育学部 理科教育講座(地学)」のWeb図鑑に出ていましたので安心しました。
 勿来の関で見られるカクモンヒトリの紋様には,不思議にも頭部を上にすると2011年産にも2013年産にもAの紋様があります。

 雌と雄の区別は,地の色が白い方が雌で,薄い橙色が雄のようです。でも,個体差があるので,触角を見て決めるのが一番確実です。3枚目の蛾のように触角が櫛歯状なら雄です。ここに載せたのは,どれも櫛歯状の触角なので全部雄です。

 前翅長は16~17mmありました。5~6月に出現する蛾の方が8~9月に出るものより大きいそうです。これは,どの蛾にも当てはまるようです。幼虫食餌植物はサクラ、ナシ、クワ、ヒマだそうです。

 私はヒトリガ科の蛾は,どことなく不気味な感じがして好きになれません。翅が透き通るような薄い感じで腹部の赤い色が覗いて見えたり,足が黒かったり,赤かったりする蛾がいるからでしょうか。一見派手に見えますが,不気味なのです。蛾の顔の写真は,たいてい目が大きく可愛く写りますが,最後の写真を見ると不気味さを通り越して怖さを感じます。

 以下は「ヒトリガ - Wikipedia」からの引用です。
「成虫は他の多くのガ同様夜行性で、光源の周囲を渦を描くように飛びまわる走光性を持つ。この習性は特に本種に限ったものではなく、他のガや昆虫で普遍的に見られるが、特に本種において目立つ。光源がたき火など直火の場合、最終的にはに火に飛び込んで自ら焼け死ぬ結果となり、和名のヒトリガもここに由来する。また自らを滅ぼすような禍の中に進んで身を投じたり、みすみす敵の餌食になる行為を指す飛んで火に入る夏の虫ということわざも、本種のようなガが見せるこうした習性から生まれたものである。」

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カクモンヒトリ  触角が櫛歯状で雄です。 不気味な怖さを感じます。撮影日:2013/06/07 場所:勿来の関


五七五

大きすぎ 翅の紋様が 個体差が 

何となく 不気味に見える ヒトリガ科

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クロスジアツバ


クロスジアツバ
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クロスジアツバ 黒くて太い内横線と外横線撮影日:2011/05/25 場所:勿来の関

 5月下旬頃,見られるクロスジアツバを紹介します。ヤガ科クルマアツバ亜科にはよく似た種類が沢山いて同定に苦労しています。勿来の関で見られるよく似たものは,9種類もあります。それらの名前は次の通りです。

①ウスキミスジアツバ
②ウスグロアツバ
③キイロアツバ
クロスジアツバ
⑤シラナミアツバ
⑥ツマオビアツバ
⑦トビスジアツバ
⑧ヒメコブヒゲアツバ
⑨ヒメツマオビアツバ

 この中でもクロスジアツバは下のような特徴があるので簡単に見分けられます。
特  徴 該当する蛾
a内横線が曲がらず太い直線です。 (⑥)
b外横線も太く翅頂から出ています。(③⑥⑨)
c中横線は細い。  

 クロスジアツバと呼ばれるのは,内横線と外横線が特に太くて黒く目立つからでしょう。

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クロスジアツバ 真っ直ぐな内横線。翅頂から出る外横線。撮影日:2013/05/26 場所:勿来の関

 因みに,クルマアツバ亜科の蛾は,体の割りには大きめの下唇鬚(かしんしゅ)をもっています。その様子を上手く写すには,横・斜め後ろから写すといいです。

 最後に,幼虫食餌植物は枯葉・オトシブミ・ウリハダカエデだそうです。

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クロスジアツバ 細い中横線。クルマアツバ亜科特有の下唇鬚。撮影日:2011/05/13 場所:勿来の関


五七五

目立ちます 太くて黒い 二本線

一つだけ 中横線が 細いです

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ウスクモナミシャク


ウスクモナミシャク
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ウスクモナミシャク 今日まで未見の蛾でした。撮影日:2013/06/5 場所:勿来の関

 松食い虫防虫散布のため不断より早起きして勿来の関に出かけました。すると,床の上に未見の蛾とおぼしきものが止まっていました。上の方から何枚か撮り上機嫌で,その場を去りました。
 うっかり前翅長を測るのを忘れていました。簡単な紋だからすぐに見つかるだろうという安心感があったのでしょう。
 勿来の関を歩きながらさっき写した蛾は何科に属するか考えました。あの感じはヤガ科だろうと予想しました。もしそうなら,立派な下唇鬚を持っている蛾かも知れません。上からだけでなく横からも写さないと下唇鬚の様子が分からないことに気がつきました。一回りしてきて帰るとき,横から写していないことに気が付き再度写しに行きました。
 横から写し終えた後,前翅長を測るのを忘れなければよかったのに,また,忘れてしまいました。どうも私は,写真を撮ると全て終わった気になってしまう癖があるようです。
家に帰り,Web図鑑でヤガ科を調べました。予想が外れヤガ科には載っていませんでした。止まっている面にぴたっと翅をつけるのはシャクガ科の蛾の習性です。
翅に波模様が見られないからエダシャク亜科を探しました。見つけられず,ヒメシャク亜科を探しました。やはり,探せませんでしたので,「こんな紋様でナミシャク亜科の蛾なのだろうか?」と思いながら,やっとその亜科から似た画像を探し出しました。
 見つけた喜びは糠喜びで終わってしまいました。ウスクモナミシャクとコウスグモナミシャクというとてもよく似た蛾の画像が掲載されていたからです。このときになって初めてあのとき前翅長を測っておけばよかったと後悔しました。

ウスクモナミシャクの開張19-24mm
コウスグモナミシャクの開張16-20mm

 開張÷2=前翅長 のようにして私は前翅長を出しています。蛾LOVE さんが「虫我像掲示板」でそのように説明されているのを読んでから私も使っています。

 私はいつも前翅長を測っています。運良く前翅長が12mmだったらウスクモナミシャク,前翅長が8mmだったらコウスグモナミシャクになります。
 しかし,運悪く前翅長が10mm前後だつたら同定できません。

 今日,もう一度,勿来の関に行ってこの蛾の前翅長を測れば解決するかも知れないと思いました。でも,蛾があの場から移動したかも知れないし,前翅長が10mm前後だったら同定できないしと思いながら,ウスクモナミシャクを検索していました。そのおかげで,状況は一気に大好転しました。野球にたとえるなら,3点差で負けてる試合の9回裏の代打満塁ホームランに当たります。
 Webサイト「多摩蛾廊: ウスクモナミシャク本土亜種?」のおかげで「Digital Moths of Japan」に辿り着き,ここにウスクモナミシャクについての重要な決め手が書かれてあったので,やっと同定することができました。
 それには,「この属の♂の触角は繊毛状で鋸歯状だが, ウスクモナミシャクの♂だけは櫛歯状」と出ていたからです。

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ウスクモナミシャク 両櫛歯状の触角のおかげでウスクモナミシャクと同定できました。撮影日:2013/06/5 場所:勿来の関

 触角の様子が写っていますようにと祈りながら,私の写真を拡大して触角の様子を確かめました。運良く,そこには両櫛歯状の触角(2枚目の写真)が写っていました。

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ウスクモナミシャク 撮影日:2013/06/5 場所:勿来の関

 因みに,灯火に飛来する蛾の多くは,ほとんど雄が多いので解決したといえます。


短歌と五七五

前翅長 測っていても 決められず 決め手となるは 櫛歯のひげだ

運が良く 櫛歯のひげが 撮れていた

飛来する 灯火に来る蛾 雄多し


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ツヅリモンハマキ


ツヅリモンハマキ
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ツヅリモンハマキ 中横線が太い帯状になっています。撮影日:2013/05/25 場所:勿来の関

 ツヅリモンハマキの紹介をします。
 5月25日に初見のハマキガ科の蛾に会いました。 2013年6月4日まで名前が分かりませんでした。ハマキガ科の蛾は個体差が大きく同定に苦労します。このツヅリモンハマキも例外ではありませんでした。
 そういっても,勿来の関で見られるこの仲間には,次のような特徴があります。

①内横線・中横線・外横線が帯状になっているように見える。特に,中央線は太くて目立っている。
②外縁が波打つように凸凹している。
③茶色の帯(紋)には,黒い筋がある。
④内横線の内側には2つの縦長の茶色い紋がある。

 これを手がかりに似た画像を探しました。「YAMKEN明石の蛾達:ツヅリモンハマキ」の蛾によく似ているので太鼓判を押して,皆さんに紹介できます。

 前翅長は10mm程度でした。

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ツヅリモンハマキ 外縁が波打つように凸凹している。撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関

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ツヅリモンハマキ 内横線の内側に縦長の茶色い紋があります。撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関


五七五

中央の 太い茶色の 帯決めて

目立ちます 茶紋の中の 黒い筋


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ウツギヒメハマキ


ウツギヒメハマキ
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ウツギヒメハマキ 黄色の帯が目印です。触角はハの字に開き翅の上に乗せています。 撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関

 今朝(2013年6月3日)見られたウツギヒメハマキを紹介します。

 今日は朝から気持ちよく晴れていたので少々寒い感じでした。ウツギの花が3日ほど前あたりから開花し始めました。今日は更に開いている花が増え3部咲きくらいです。このウツギの咲き出しに合わせるように,ウツギヒメハマキが草の葉の上にいるのを3匹見つけました。去年,初めて灯火に飛来したウツギヒメハマキを観察しているので,昼間見られるなんて思いませんでした。
 毎日,道路脇の植物にも注意を払って歩いていますが,今日のように同じ種類の蛾が3匹も見つかるなんて初めてです。前翅長が10mmにも満たない小さな蛾ですが,黒い地に黄色の紋があるので目に付きやすい蛾です。
 写真を1枚撮って画像を見ますとヒメハマキ模様(前翅前縁にある褐色あるいは白い筋)がありました。この模様が奇麗に出るように写しました。
 ところで,ウツギの咲き出しに合わせるように,ウツギヒメハマキは出現したのでしょうか。食餌植物がウツギ類になっていますが,幼虫は葉だけでなく花も食べるのでしょうか。
 それとも,成虫に口があるならば羽化してすぐに,ウツギの花(卯の花)の蜜が吸えるようにと花の咲く時期と出現する時期を合わせているのでしょうか。因みにウツギの花は蜜を出しているかどうか確かめてみました。雄しべの束をもぎって嘗めるとかすかに甘い味がします。薄いのでウツギヒメハマキは蜜吸いに多くの花を訪れます。そうすればウツギの多くの花は受粉させてもらえます。だから,わざわざ甘さを薄くしているように思われます。

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ウツギヒメハマキ 前翅前縁後半にヒメハマキ模様が見られます。 撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関

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ウツギヒメハマキ 撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関

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ウツギヒメハマキ 触角は左右に広げています。 撮影日:2013/06/03 場所:勿来の関


五七五

黒い地に 黄色の筋が よく目立つ

卯の花の 開花に合わせ 出現す

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カギバイラガ


カギバイラガ
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カギバイラガ 前翅前縁の隙間が気になっていました。撮影日:2013/06/02 場所:勿来の関

 今日(2013年6月2日),観察したイラガ科の蛾を紹介します。
 名前はカギバイラガといいます。名前が分かるまでに時間がかかりました。シャクガ科の蛾は翅を左右に広げて止まりますが,壁に対して翅を垂直に立てて止まる蛾はシャチホコ科やイラガ科やヤガ科にいます。
 そこで,シャチホコガ科から探しましたが見つかりません。イラガ科を探しても見つかりません。最後のヤガ科を調べても見つかりませんでした。
 困り果てましたが,シャチホコガ科で翅を垂直に立てて止まる蛾で写真のように翅に紋様が無い蛾を探しました。シャチホコガ科には,1種類いました。その名はキシャチホコです。でも,何となく違います。キシャチホコは前縁が重なっていますが,写真の蛾は前縁の間から腹部が覗いているからです。1枚目の写真からは分かりませんでした。でも,前縁の部分に隙間があるのが妙に気になっていました。2枚目の写真を見てから,はっと気が付きました。今は真っ直ぐ腹部を伸ばしていますが,腹端を上に上げる習性を持つイラガ科の蛾だと思ったのです。
 早速,イラガ科を探しましたが似たような画像が見つかりません。Web図鑑「四国産蛾類図鑑」には黒っぽい小豆色のカギバイラガだったからです。次に,私が立ち上げているホームページ「北茨城・勿来 周辺の博物誌」の中の「蛾の図鑑」を探すと似た画像がありました。
 念のために「みんなで作る日本産蛾類図鑑」で確かめました。ここには,黒っぽい小豆色のも褐色のも出ていました。個体差が大きい蛾のようです。一安心しましたが,出現月を見て疑問が出てしまいました。出現月(羽化する月)が8月~10月になっているのに,勿来の関ではもうすでに6月に出現してしまっているからです。8月と6月では違いが大きすぎるからです。この図鑑には写真の撮影日が書かれてあるので見てみました。「【成虫写真4】は2004年5月30日、和歌山県中辺路町にて。【成虫写真5】は2005年6月19日、埼玉秩父地。」となっていて,6月頃から出現していることが分かり,ほっとしました。
 名前に付いているカギバとは,横から見たとき前翅翅頂が鉤のように曲がっているからでしょう。でも,この程度に尖っている翅頂の蛾は沢山います。それでも,これといった特徴がないカギバイラガには,そうつけるほかなかったのでしょう。

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カギバイラガ 隙間から腹部が覗いています。撮影日:2013/06/02 場所:勿来の関

 このように私は1つの種を同定するにも時間がかかっています。見つけるまで大変ですが,いろいろ推測して探し当てたときの喜びは,ひとしお大きいです。

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カギバイラガ 腹を斜め上に上げています。撮影日:2012/09/13 場所:勿来の関


五七五

個体差が カギバイラガは あり過ぎる

褐色の カギバイラガが 勿来には 




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スジモンツバメアオシャク


スジモンツバメアオシャク
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スジモンツバメアオシャク さざ波模様が沢山見られます。撮影日:2013/5/31 場所:勿来の関

 昨日(2013年5月31日),観察したアオシャク亜科の蛾を紹介します。
外縁線がこの写真のような波形模様のアオシャク蛾は何種類かいて,いつも,頭を悩ませます。そんな中でこのスジモンツバメアオシャクの同定は簡単でした。それは次のような特徴が見られたからです。

①内横線がはっきりしない。
②前後翅とも細かいさざ波が沢山見られる。
③後翅の前縁に丸みが見られる。
④後翅翅頂が小さく出張っている。(後翅に尾状突起がある。)
⑤翅脈が筋のように見える。

 この中で特に,②のさざ波模様が決め手になりました。

 スジモンツバメアオシャクの食餌植物は,コナラ属(コナラ・ミズナラ・クヌギ・アカガシ・カシワ等)です。勿来の関には,コナラは沢山生育しています。去年は全然見られませんでしたが,2011年と今年は複数回見られています。

 1枚目のスジモンツバメアオシャクの前翅長は19mmありました。2枚目のものは,17~18mmありました。アオシャク亜科では大きい方の蛾です。

 後翅の尾状突起をツバメの尾羽に見立ててツバメと呼ぶのでしょう。

<追記:2013年6月2日>
 ところで,スジモンの筋とは何を指しているのでしょう。昨日までは外横線外側に翅脈の筋が目立って見えているので,その筋を指していると思っていました。ところが,今日になってから,②であげたさざ波模様を指していると思い付きました。

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スジモンツバメアオシャク 拡大すると触角に毛が確認できるので雄です。撮影日:2013/6/1 場所:勿来の関


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スジモンツバメアオシャク 縁毛が少ないので羽化後時間が経っています。撮影日:2013/6/1 場所:勿来の関


五七五

決め手なり 前翅後翅に さざ波が

ツバメとは 後翅突起を 見立ててる


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