ノヒラトビモンシャチホコ 春出現する蛾
ノヒラトビモンシャチホコ 春出現する蛾

ノヒラトビモンシャチホコ 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関
今日,紹介する蛾はノヒラトビモンシャチホコです。一見したところ,コトビモンシャチホコに似ていて,うっかり見過ごすところでした。コトビモンシャチホコには毎年,出会っていましたが,ノヒラトビモンシャチホコとは今年が初めての出会いです。

ノヒラトビモンシャチホコ 何故かフラッシュを焚いても蛾の目は光を反射しません。 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関
なぜ出会いが少ないのか調べると,幼虫の食餌植物によるようです。
ノヒラトビモンシャチホコの餌はクヌギ、ミズナラです。
コトビモンシャチホコの餌はクヌギ、ミズナラ、コナラです。
勿来の関には,ミズナラは分布していませんから,ノヒラトビモンシャチホコの餌はクヌギだけになってしまいます。コナラは多いのですがクヌギはそれほど多くはありません。この食餌植物のクヌギの数が少ないことよって,ノヒラトビモンシャチホコには毎年会えないのでしょう。
ノヒラの意味は分かりませんが,昆虫学者に「のひら」さんはいませんでしたので,おそらく発見された地名によるものと思っています。
ところで,この蛾の和名の「トビモン」の意味が私にはなかなか理解できませんでした。最初は「飛び紋」だと思っていました。紋が上下あるいは左右に離れて存在しているからだと思っていました。

ノヒラトビモンシャチホコ 毛深くて前足を伸ばす癖があるシャチホコガ 撮影日:2013/04/13 場所:勿来の関
腹端を上に上げて独特の止まり方をするウストビモンナミシャクに出会って益々その思いを強くしました。紋が離れていて飛び飛びになっているからです。
しかし,ウストビイラガとの出会いが頭を混乱させました。体全体が黄土色で2本のこげ茶色の線が,この蛾にはあります。その2本の線が飛んでいる(離れている)からだとも思いましたが,何か理解に苦しみます。薄い色をしていて(線を紋と見なせば)紋が飛んでいる(離れている)イラガと解釈できます。
でも,線は紋とは言わないので何かすっきりしません。

ノヒラトビモンシャチホコ 後翅がはみ出るのもシャチホコガの特徴です。 撮影日:2013/04/13 場所:勿来の関
そのうち,トビイロリンガとの出会いが,全てを解決してくれました。これらの蛾の和名についている「トビ」とは「飛び」ではなく「鳶」で「鳶色」(トビの羽のような色で茶褐色。)を意味していたのだということを知りました。
鳶色といっても幅が広く薄茶色から焦茶色まであり,ノヒラトビモンシャチホコのように灰色が混ざった色まで含まれています。まさにいろいろです。
短歌と五七五
トビモンの 意味が分からず 苦しんだ 飛び紋でなく 鳶色の紋
毛深くて 前足伸ばす シャチホコガ
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