キクセダカモクメ フード付きの奇抜な蛾


キクセダカモクメ フード付きの奇抜な蛾
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キクセダカモクメ 幼虫はキク科の花を食べる。 撮影日:2013/04/30 場所:勿来の関

 今日(2013年4月30日)は勿来の関に行く前から期待していました。一日暖かくしかも,下弦の月前の明るい月夜を厚い雲が隠してくれていて暗い晩だったからです。こんな夜は蛾が出現しない訳がありません。
 案の定,最初の建物の蛍光灯の周りには,小さい蛾が5種類とアオシャク亜科の蛾が1種類いました。上の建物には細長い蛾が,蛍光灯に止まっていました。オオエグリシャチホコにしては小柄な感じがしました。手が届かないので取っておいたススキで払い落としました。逃げ出さないうちに床に落ちた蛾を
写真に撮りました。黒っぽくて細長い蛾でしたが,フードを付けたように見える未見の蛾でした。こんな奇抜な格好をしているので驚きました。

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キクセダカモクメ 縦の筋模様を木目に見立てている 撮影日:2013/04/30 場所:勿来の関

 シャチホコガを最初に探しましたが見つかりません。次に,頭部がミミズクのような格好をしているトガリバガ亜科を調べましたが出ていません。それから,キノカワガ亜科を探しましたが見つからないのでヤガ科を調べることにしました。
 ヤガ科は一番大きな科で多くの種があり辟易してので探したくないのですが,それでは名前が分からないので頑張ることにしました。調べる図鑑はいつものように「四国産蛾類図鑑」です。そっくり同じものはありませんでしたが似た紋様の蛾が掲載されてありました。それを手がかりにして調べていくと3種類の蛾のどれかとまで分かりました。その3種類のデータは次の通りです。
タカネキクセダカモクメ:開張47-53mm成虫出現月8
キクセダカモクメ:前翅長21-24mm成虫出現月5-6,8-9
セダカモクメ:開張35mm成虫出現月8-9

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キクセダカモクメ フードを付けているようで奇抜である。 撮影日:2013/04/30 場所:勿来の関

 このデータによるとタカネキクセダカモクメとセダカモクメの出現は8月でキクセダカモクメだけがずっと早く5-6月です。実際に写真の蛾の前翅長を測ると20~21mmありました。この蛾の所属しているセダカモクメ亜科の蛾のデータがわずかしかなく確かなことは言えませんが直感でキクセダカモクメの画像がこの写真に似ていると思いました。それと出現月が唯一5-6月と早いのはキクセダカモクメだけなので私はこれで間違いないと思っています。

 幼虫の餌はキク科植物のゴマナの花、ユウガギクの花、シラヤマギクの花、ヨナメの花だそうです。だから名前の先頭にキクが付くのでしょう。さらに,前翅の紋様が正目の板のように縦真っ直ぐの木目なのでモクメと呼ばれるのでしょう。


五七五

 出る月が 唯一早く 決め手なり

 格好が フード付けてて 奇抜なり


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アカスジアオリンガ 夏型なら同定が難しい蛾


アカスジアオリンガ 同定が難しい蛾
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アカスジアオリンガ 春型だったので同定は楽でした。 撮影日:2013/04/28 場所:勿来の関

 今日紹介する蛾は同定が難しいものばかりです。最初に登場させたのはアカスジアオリンガです。幸いこの蛾は春型の紋様で登場してくれたのですぐ同定することができました。この写真のように春型は赤茶色の前翅中央に緑色の紋があります。

 でも,夏型で登場されたらお手上げでした。それというのも,夏型の紋様は2枚目の写真と似たような紋様だからです。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」の説明には次のように書かれています。
 アオスジアオリンガ:前翅の白帯が平行で間隔が広い。餌:コナラ、クヌギ
 アカスジアオリンガ:前翅の2本の白帯が平行でない。餌:クヌギ    

 平行云々と書かれていますが同じ種でも,平行に見えるものも,そうでないものもありとても写真だけで同定するのは困難だと分かりました。

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アオスジアオリンガ 日本の白帯が平行で幅広くに見えるので。 撮影日:2011/08/18 場所:勿来駅西公園

 2枚目の蛾はアオスジアオリンガと思っています。2本の白帯が幅広く平行に見えるからです。

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ベニモンアオリンガ 撮影日:2012/05/30 場所:勿来の関

 3枚目の写真の蛾ベニモンアオリンガは,幸い前翅中央に紅色の紋がありますので楽に同定ができましたが,その紅色の紋が無かったらアカマエアオリンガと区別がつかず同定は無理だったでしょう。


短歌

 春型の 蛾の登場で すぐ分かる 夏型だったら とても無理なり

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ユキノシタ 紅が濃いのは美しい


ユキノシタ 紅が濃いのは美しい 画像をクリックすると大きくなります。
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ユキノシタ 撮影日:2007/06/10場所:勿来の関

 毎年,5月下旬頃から咲き始めるユキノシタを紹介します。この花の名前を覚えた頃は,奇麗な花だとは感じていませんでした。白い色が大部分を占め面白味がない花だと感じたからでした。ところが,あるときしみじみとユキノシタを観察していたら上3枚の花弁に紅の濃いものを見つけました。しかも花びらの付け根付近に黄色と白の斑が入り,その上,雌しべを取り囲むように橙色のものが並んでいて私はその美しさに暫し見とれてしまいました。どうして今まで気付かないでいたのか不思議なくらいです。葯も薄桃色で色彩豊かなこの花が益々,好きになってしまいました。

 この花の仲間にダイモンジソウがあります。花びらが開くと,どちらも大の字に見えます。ダイモンジソウの葯の色にうっとりしていた頃はユキノシタよりもダイモンジソウが奇麗だと思っていました。しかし,今では俄然ユキノシタの方が美しいと思っています。
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ユキノシタ 命名者はこの白くて長い花弁に注目したのです。 撮影日:2007/06/03場所:勿来の関

 湿った岩や石垣に生えます。走出枝を伸ばしその先に新しい株をつくっていくので群生しています。名のいわれに4つの説があります。それを紹介します。
①冬でも雪の下で枯れずにいるから。
②葉にある白い斑を雪に見立てた。
③白い花を雪にたとえその下に緑色の葉がちらちら見えるのを表現したもの。(牧野富太郎博士)
④垂れ下がった長い花弁を「ウシの舌」に見立てた。それが転じてユキノシタになった。(中村浩博士)

 ユキノシタの5枚の花弁のうちで垂れ下がった2枚の花弁が目立って長く,それを数十㎝と長いウシの舌に見立てたとする中村浩博士の説が一番有力だと思っています。特別に長いということに注目した命名でしょう。


五七五


 垂れ下がる 白い花弁に 目をつけて 長い舌持つ 牛に見立てた

 桃色が 目を惹きつける ユキノシタ 更に黄色が 色を副えたり


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ホタルカズラ 色変わりする花


ホタルカズラ 色変わりする花
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ホタルカズラ 白く盛り上がった5本の筋があります。撮影日:2007/05/06 場所:勿来の関

 ゴールデンウィークが近付くと決まってホタルカズラが咲きます。
 我が家の鉢植えのホタルカズラが開花し始めたのでこの花の紹介をします。
 この花の色が変わるのに,はっきりと気が付いたのは最初に見たときから何年も立ってからです。山と渓谷社の図鑑「山に咲く花」には青い花しか写っていません。説明にも「花は青紫色」としか書いてありません。2000年の4月29日に写真(最初のもの)を写したときには,花弁の中央ほど赤紫色が濃くなっていた花がありました。何故この花は小さくて色が違うのか,未だこのときは分かりませんでした。
 ところが,2007年の5月6日にホタルカズラの写真(2枚目のもの)を撮りに行ったときに初めて色が違って見える訳が分かりました。桃色に写っている花が小さいことから気が付いたのです。サクラの蕾は桃色が濃く開花するにつれて色が薄れていきます。これと同じように,ホタルカズラの蕾や開花したばかりの花弁は桃色で花弁が大きくなるにつれて次第に青くなっていくことに気がついたのです。
 ホタルカズラは時間の経過と共に色変わりする花だったのです。

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ホタルカズラ 開花したばかりのときは小さく桃色です。撮影日:2000/04/29 場所:勿来の関

 私は,ホタルの光が点滅するように,この花の色が変わるので,それで,ホタルカズラと名付けられたのだと思っていました。ところが,ブログ「そよ風のなかで」で,そよかぜさんは「ホタルカズラの名前は、青い花の中央の白い星形が蛍の光に喩えられていると言われています」とおっしゃっています。

 ホタルカズラの花には白く盛り上がった5本の筋があります。この5本の筋が無ければ平凡な花で終わっていたでしょうが,この筋のおかげで魅力的な花になっています。
 
 ところで,語尾にカズラが付く植物がいくつかあります。私が観察した植物からカズラが付く植物を挙げると「テイカカズラ・ヘクソカズラ・スイカズラ・ビナンカズラ・フウセンカズラ・ラショウモンカズラ・ネナシカズラ」ですが,全てつる性の植物です。カズラは葛や蔓と書くように,つる性の植物に付けて外の植物と区別していたようです。これらの植物は蔓が地面に触れるとそこから根が生え,蔓が切られても繁茂していける特徴があると私は思っています。そう思うようになったのは,ホタルカズラの横に伸びた茎を見てからです。蔓が地面に触れている所から根が生えていたからです。

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ホタルカズラ 次第に青くなっていきます。撮影日:2007/05/04 場所:勿来の関

 私はホタルカズラを見ているうちに,欲しくなってしまいました。でも,根こそぎ取ってしまうと無くなってしまいます。そこで,思い出したのがこの植物の特徴でした。長く伸びた茎を探して途中から切って持ち帰れば良いことに気が付きました。5本くらい切って持ち帰りさし木をしたものが,現在花を咲かせています。因みに,葉が焦げ茶色になって枯れたように見える茎でもさし木で殖やすことができます。それが,「カズラ」と名が付れられた植物の生命力の強さです。


五七五

 地触れた 茎に根が生え 殖えていく

 桃色が 次第に青く 成り代わる

 白い筋 ホタルカズラの 名のいわれ

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ヘリグロホソハマキモドキ 紋様が素敵


ヘリグロホソハマキモドキ 紋様が素敵
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ヘリグロホソハマキモドキ 小さい蛾だが紋様が素敵です。 撮影日:2013/04/26 場所:勿来の関

 今朝は昨晩から曇で暖かく蛾の出現が期待できました。しかし,雲が薄く満月に近い月夜のために明るい晩でした。このように明るい晩には,わざわざ灯火目指して飛来する蛾はほとんどいません。灯火と同じくらい周りが明るいからです。そんな訳でゆっくり家を出ました。
 着いてみると何やらいつもより賑やかな子どもたちの声が聞こえてきます。それも子どもの数が多く感じました。今日は,休日でないのに変だなと思いながら歩いて行くと勿来第二小学校の遠足でした。
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ヘリグロホソハマキモドキ 堂々とスズメノヤリの表面に止まります。 撮影日:2013/04/26 場所:勿来の関
 子どもたちの先の方に目をやると去年植えたシバザクラが開花して土手が華やいでいます。その近くまで行ってガードレール越しに覗き込みました。その途端,小さな昆虫が飛び交い始めました。「カ」に似ているが何だろうと止まるのを待っていました。目を凝らして見ますと,翅に横線があります。一瞬,ヨツスジヒメシンクイに見えましたが,何となく線の数が足りません。写した画像を見ますとミズメイガの仲間のような紋があります。名前はWeb図鑑で調べることにして,目の前にいる数㎜くらいの蛾を何枚も写しました。小さい蛾は,きちんと真ん中に蛾を持ってこないとピントが周りにある物に合ってしまいます。それで,いつもより多く撮りました。そのうちに,交尾をしている番いを見つけましたので,更に枚数が増えてしまいました。

 カヤツリグサの生えている土手などの草地にいると書かれてありますが,勿来の関では芝生やスズメノヤリなどの草丈の低い雑草が生えている土手にいました。人影に驚いて飛び交う様はツトガ科の蛾に似ていますが,葉の裏に隠れず,堂々と葉の表にこの蛾は止まります。。

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ヘリグロホソハマキモドキ 交尾中だが雄雌は分かりません。 撮影日:2013/04/26 場所:勿来の関
 家に着いて,いよいよWeb図鑑で名前を調べることになりました。私がいつも拝見するWeb図鑑は,nabeさんが作られた「四国産蛾類図鑑」です。すっきり纏められていて見つけやすい図鑑です。
 最初に,ツトガ科,次にメイガ科,それからハマキガ科やカザリバガ科も調べました。けれども探せません。去年までの私だったら,まだまだ探せなかったでしょうが,最近は予想が立てられるようになったので検索が速くなりました。今回は,何となくハマキガ科の蛾に似ていると思いましたので,ホソハマキガ科を調べ,更にホソハマキモドキガ科へと進んでいくとヒメキスジホソハマキモドキという大変よく似た蛾を見つけました。もう,ここまでくるとゴールは間近です。名前が「ヘリグロホソハマキモドキ」と分かりました。外縁に沿って黒い模様があるので縁黒(ヘリグロ)と名付けられたのでしょう。


五七五

 小さくて ピント合わせに 一苦労

 飛び交いて やがて静まり 葉の上に

 外縁の 黒い模様で ヘリグロに

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ノヒラトビモンシャチホコ 春出現する蛾


ノヒラトビモンシャチホコ 春出現する蛾
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ノヒラトビモンシャチホコ 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 今日,紹介する蛾はノヒラトビモンシャチホコです。一見したところ,コトビモンシャチホコに似ていて,うっかり見過ごすところでした。コトビモンシャチホコには毎年,出会っていましたが,ノヒラトビモンシャチホコとは今年が初めての出会いです。

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ノヒラトビモンシャチホコ 何故かフラッシュを焚いても蛾の目は光を反射しません。 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 なぜ出会いが少ないのか調べると,幼虫の食餌植物によるようです。
  ノヒラトビモンシャチホコの餌はクヌギ、ミズナラです。
  コトビモンシャチホコの餌はクヌギ、ミズナラ、コナラです。
 勿来の関には,ミズナラは分布していませんから,ノヒラトビモンシャチホコの餌はクヌギだけになってしまいます。コナラは多いのですがクヌギはそれほど多くはありません。この食餌植物のクヌギの数が少ないことよって,ノヒラトビモンシャチホコには毎年会えないのでしょう。
 ノヒラの意味は分かりませんが,昆虫学者に「のひら」さんはいませんでしたので,おそらく発見された地名によるものと思っています。
 ところで,この蛾の和名の「トビモン」の意味が私にはなかなか理解できませんでした。最初は「飛び紋」だと思っていました。紋が上下あるいは左右に離れて存在しているからだと思っていました。

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ノヒラトビモンシャチホコ 毛深くて前足を伸ばす癖があるシャチホコガ 撮影日:2013/04/13 場所:勿来の関

 腹端を上に上げて独特の止まり方をするウストビモンナミシャクに出会って益々その思いを強くしました。紋が離れていて飛び飛びになっているからです。
 しかし,ウストビイラガとの出会いが頭を混乱させました。体全体が黄土色で2本のこげ茶色の線が,この蛾にはあります。その2本の線が飛んでいる(離れている)からだとも思いましたが,何か理解に苦しみます。薄い色をしていて(線を紋と見なせば)紋が飛んでいる(離れている)イラガと解釈できます。
 でも,線は紋とは言わないので何かすっきりしません。

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ノヒラトビモンシャチホコ 後翅がはみ出るのもシャチホコガの特徴です。 撮影日:2013/04/13 場所:勿来の関

 そのうち,トビイロリンガとの出会いが,全てを解決してくれました。これらの蛾の和名についている「トビ」とは「飛び」ではなく「鳶」で「鳶色」(トビの羽のような色で茶褐色。)を意味していたのだということを知りました。
鳶色といっても幅が広く薄茶色から焦茶色まであり,ノヒラトビモンシャチホコのように灰色が混ざった色まで含まれています。まさにいろいろです。


短歌と五七五

 トビモンの 意味が分からず 苦しんだ 飛び紋でなく 鳶色の紋

 毛深くて 前足伸ばす シャチホコガ

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カギモンキリガ 春出現する蛾


ブログ54カギモンキリガ 春出現する蛾
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カギモンキリガ 頭部側に一対,その左側にも一対の鉤があります。 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 前にカギモンヤガを紹介しました。今回はカギモンキリガです。ヤガとキリガが違うだけで紛らわしい名前の蛾です。私はカギモンヤガの記事を書いている途中で,この2種類の蛾が持っている「カギ」の意味に気が付きました。
 カタカナで「カギ」と書かれてしまいますと意味が通じませんが漢字で表記されれば分かります。でも,残念ながら生き物の名前はカタカナで表記していますので意味が通じなくて困ります。
 前置きが長くなりました。本論に入ります。
 (残念ながらキリガの意味は分かりません。)
 カギモンヤガは「鍵紋矢蛾」です。
 カギモンキリガは「鉤紋キリガ」です。
 同じカギでも,一方は錠前を開ける鍵で,もう一方は物を引っ掛ける鉤だったのです。

 よく見るとカギモンキリガには,2種類の鉤の紋があります。頭部に近い方は,平潟の魚屋さんが使う手で握る部分が木でできていて,その先に金属でできた鉤が着いている道具に似ています。前翅中央より外縁に近い方にはL字形の鉤が見られます。

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カギモンキリガ 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 ところで,なぜヤガというか予想がつきますか。ヤガ科に属する蛾の多くは止まったときの形が,二等辺三角形になります。丁度それが矢の先の部分に似ているので矢蛾になったと思っています。


短歌と五七五

 翅の紋を 見ればヒントが ついてます 物を引っ掛ける 鉤がついてる

 紋を見て カギモンヤガは 鍵紋で カギモンキリガ 鉤紋と知る

 紋違う カギとは言うが 鉤と鍵

 漢字なら 意味が分かるが カタカナじゃ

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スギタニキリガ 春のキリガ類

スギタニキリガ 春のキリガ類
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スギタニキリガ 明るく写っていて神々しさを感じます。 撮影日:2013/03/23 場所:勿来の関

 今日,紹介するのは,スギタニキリガです。この蛾は大きく堂々としていて,しかも翅の紋様が,はっきりした一度見たら忘れられない蛾です。翅の後縁沿いにある焦げ茶の紋は太い大木が左右に枝や根を伸ばしたように見え力強さと逞しさを感じます。紋の境にある筋が明るい色だと金色で縁取っているように見え神々しさを感じてしまいます。

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スギタニキリガ 撮影日:2013/03/19 場所:勿来の関

 食餌植物は勿来の関で普通に見られるコナラ、クヌギ、サクラです。餌が豊富にあるので,毎年見られるのでしょう。今年のスギタニキリガの出現は,2週間も早く驚きます。不思議にも,どの蛾も去年より一週間以上も早い出現です。寒い日が続きましたが,その後暖かかったからでしょうか。

名のいわれは,杉谷岩彦氏が発見したキリガという意味です。

 杉谷岩彦氏について:コロポックル讃歌clossiana.exblog.jp からの引用です。
「京都三高数学課教授。教え子に岡潔、湯川秀樹、朝永振一郎。そのお人柄は秋霜烈日、人にもおのれにも厳格。まれにみる高い倫理観の持ち主。一方、蝶をやる人間に対しては惜しみなく、その知識、標本を与え義父のように慕われたそうで。。」

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スギタニキリガ 斜め上から写しています。 撮影日:2013/03/19 場所:勿来の関

 話はそれますが,「スギタニ」と名が付く昆虫はいくつかいますが,その中のスギタニルリシジミがいます。私がある年の春ヤマブキソウの花を撮っていたとき,捕虫網を持った人に会いました。私は花に夢中だけれど,この方は昆虫に夢中なんだと思いながら尋ねました。
「何を捕まえておられるのですか。」
「スギタニルリシジミです。」
 私はスギと聞いて杉と思ってしまいました。しかし,この山には杉が見当たりません。それなのに,杉を食べるスギタニルリシジミがいるのは,おかしいなと思ったので
「杉を食べるのでスギタニルリシジミというのですか。」
「いいえ違います。トチノキの蕾や花と若い実だけを食べます。丁度今,トチノキの開花時期でスギタニルリシジミが見られるときなのです。」
「葉は食べないのですか。」
「はい。幼虫は蕾や花と若い実だけを食べます。だから,トチノキが開花する前の今頃,卵を産み付けるのです。」
 お礼を言って別れましたが,採集したスギタニルリシジミを標本にして買ってもらうのだそうです。帰りに車のナンバープレートを見たら「つくば」になっていました。
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スギタニキリガ 撮影日:2013/03/19 場所:勿来の関
 HP『四国産蛾類図鑑』を作られたnabeさんによると四国では深山で見られると『ブログ 高知の自然』に書かれています。でも,標高50mに満たない勿来の関では普通に見られます。おそらく,これはスギタニキリガが寒い地方で見られる蛾であると思いました。そこで,『みんなで作る日本産蛾類図鑑』で調べると,案の定,分布が北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島;アムールになっていました。


短歌と五七五

 感じるぞ 圧倒される 翅の紋に 神々しさと 力強さを

 寒いので 平地に居ます 勿来では

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キリガ類と 春出現するキリガと

キリガ類と 春出現するキリガと (前翅に似たような黒い紋がある蛾)
 キリガ類とはヤガ科の一部分の仲間に付けられた名称です。「どんな特徴がある仲間ですか。」と聞かれても,私には答えられません。それは「北海道に住んでおられるyyzz2さんの調べられた内容」に,次のような経緯があるからです。

『yyzz2;虫撮記
虫の名前の由来(その2).キリガとカスミカメムシ
キリガという名前は山本義丸氏によると、樹木の葉を食べる幼虫「キリムシ」が名前の元となっているようです。1958年頃相次いで発行された図鑑や目録などで和名の整理が行われたとき、分類上近縁のものがなるべく同一の語尾を持つように改称した結果生まれた名前で、ヨトウガ亜科の中のOrthosia属とその近縁属、セダカモクメ亜科の中のConistra属とその近縁属、カラスヨトウ亜科の中の Cosmia属とその近縁属に「キリガ」という呼称を与えられたそうです。』
http://d.hatena.ne.jp/yyzz2/20070306/p1 ←この記事のURL(住所)
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アカバキリガ 翅に赤味があります。 撮影日:2013/04/20 場所:勿来の関

 最初に紹介するアカバキリガは,今年になって初めて見た蛾です。このアカバキリガはカギモンヤガに黒い紋が似ています。ちょっと変わったカギモンヤガだなと思いましたが,念のために写真を撮って画像を見ました。すると,胸部に近い所と亜外縁線に近い所にもカギモンヤガには無い黒紋があるので,未見の蛾であることに気が付きました。
 この蛾はいつでも写真のように翅がピンク色に赤味がかって写ります。そのことからアカバキリガと呼ばれるのでしょう。アカバキリガは前翅長が22mmと大きい蛾です。

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アカバキリガ 大きく堂々とした蛾です。 撮影日:2013/04/20 場所:勿来の関


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カシワキリガ 細かく見ないとカギモンヤガと間違えます。 撮影日:2012/04/04 場所:勿来の関

 次に紹介するのはカシワキリガです。この蛾もカギモンヤガと黒い紋様が似ています。前翅後縁の近い所に,長方形の黒い紋が無ければ間違えてしまいます。幼虫の食餌植物はクブギ、コナラ、サクラ、キイチゴ、カシワと勿来の関には極普通に生育しているものですが,カシワキリガの出現数は少ないです。

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カシワキリガ 今年,初めて見ました。 撮影日:2012/04/04 場所:勿来の関


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カギモンヤガ 毎年,沢山出現します。 撮影日:2013/03/16 場所:勿来の関

 最後に紹介するのは,カギモンヤガという小柄な蛾です。紋様は大きく違うので区別がつきますが,カギモンキリガという名前が似ている蛾がいて混同してしまいます。勿来の関では,毎年,沢山見られる普通の蛾です。
 鍵穴に差し込む鍵の形にそっくりなのでカギモンヤガと呼ばれるのでしょう。

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カギモンヤガ 小柄な蛾です。 撮影日:2013/03/16 場所:勿来の関


五七五

 赤い翅が アカバキリガの 名のいわれ

 中よりに カシワキリガは また紋が

 鍵に似る 前翅の紋が 名のいわれ

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tag : キリガ類

エゾヨツメ 妖しく光る毛深い蛾


エゾヨツメ 妖しく光る毛深い蛾
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エゾヨツメ 後翅の白紋を写すのに苦労しました。 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 今年になって初めて擦れていない新鮮なエゾヨツメに会えました。2011年に会ったエゾヨツメは息絶えていて鱗粉が擦れ落ちた個体でした。次の年のエゾヨツメは片方の翅が破けていました。
 梁(はり)に取り付けられた蛍光灯に大型で明るい茶色の蛾が止まっていましたが斜めになっていて種名までは分かりませんでした。蛾の写真を撮り始めた頃は,高くて手が届かず採集ができないので諦めていました。でも,最近は奥の手を出して写真を撮っています。

 先ず,近くに生えているススキを根元近くから切ってきます。
 次に,その先を蛾と蛍光灯の間に入れに入れます。
 最後に,蛾が足でつかんでから,そっと下に降ろすのです。

 この方法は,ススキに驚いて逃げてしまう蛾には使えません。去年,エゾヨツメに触っても逃げていかなかったから安心してこの方法を使いました。

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エゾヨツメ 写し方によって青い紋が輝いて写ります。 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 ところが,下に降ろしている途中,床に落ちてしまいました。どうなることかと肝を冷やしましたが,エゾヨツメは翅を五,六回バタバタさせた後は大人しくなりました。大人しくしているのを確認して,近くにあるキンモクセイの大きな葉を急いで取ってきました。その葉にエゾヨツメを乗せて明るい場所に移しました。
 写真を撮りやすくするために葉の上に乗せました。向きを変えたり,撮り終えた後元に戻したりするのに便利だからです。
 踏まれたり,鳥に食べられたりするので元居た所に戻してあげました。すると,ガラス窓に止まって盛んに翅を小刻みに振るわせ始めました。飛び立つための準備運動をしているのです。体温が上がらないと上手く飛べないようです。しばらくそうしておりましたが,外に飛んでいきました。
 雌が待っているかも知れない幼虫の餌となるクリ、コナラ、カシワ、カエデ、サクラ等の樹木に戻りたくなったのでしょう。
 食餌植物が周りには沢山あるのに出現数が少ないのは生む卵が大きいだけに数が少ないからだと思っています。

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エゾヨツメ 両櫛歯状の発達した触角が奇麗です。このような触角の持ち主は雄です。 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 ところで,写した画像を見てエゾヨツメは大変毛深いことが分かりました。特に目立つのは,すね毛のような足に生えてる白い毛です。更に,分かることは触角が両櫛歯状で大きく発達しています。これは雄の証しです。雌の触角は棒状です。
 多くのシャクガは翅を床につけて止まります。けれども,エゾヨツメはVの字形にして止まります。そのために後翅翅頂付近の前縁に白っぽくなっている部分が見えなくなってしまいます。そこで,私は翅を地面に近付けてその白っぽい部分を写そうとしました。ところが,たちまち翅は元に戻ってしまいそれが見える状態で写せません。何回か繰り返しやっとこのような写真が撮れました。こんなことができるのは大人しいエゾヨツメだからです。外の蛾だったらすぐに逃げられてしまいます。
 2枚目の写真は建物の中でフラッシュを焚かずに写しました。すると,どうでしょう。青い部分が一層青く輝いて写りました。青く妖しい色に写るのでエゾヨツメに会うたびに写したくなってしまいます。

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エゾヨツメ 体全体が毛で被われ暖かそうです。 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 それから,エゾヨツメを写すたびに感じることは,明るい場所で写真に写すと目で見た状態よりも鮮やかな色に写るということです。フラッシュを焚いても焚かなくても同じ結果になるので不思議に思っています。

 2013年4月21日には,最後の写真のようにクモの餌食になった蛾を見つけました。独特の翅の色と青い紋から餌食になったものは,エゾヨツメと分かりました。写真を見ると向かって左側の翅頂付近を縛っているのが分かります。翅が動けるようにしておくと逃げられてしまうので,いち早く縛ってしまうのでしょう。固い翅の所は残し柔らかい部分は既に,食べられています。

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エゾヨツメの亡骸 翅を残してクモに食べられてしまいました。 撮影日:2013/04/14

短歌と五七五

 翅を上げて 止まる姿勢で 隠される 苦労しながら 斑紋写す

 捕まえる 奥の手がある 棒ススキ

 飛び立つぞ 翅を震わせる エゾヨツメ

 運動だ 体温上げる 震わせる

 毛深いな 蛾にもすね毛が 生えている

 魅せられる 妖しく光る 青い紋

 何故かしら 明るく写る エゾヨツメ

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オビカギバ 写りが悪い蛾


オビカギバ 写りが悪い蛾
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オビカギバ 遠くから見るとこんな風に黒く見える。こんな焦茶色のオビカギバは少ない 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 この蛾は今年初めて出現しました。見た瞬間こんな格好の真っ黒い蛾には,会ったことがないような気がしました。近付いて翅の様子を見てはじめて未見の蛾であることを確信しました。翅頂が鉤(かぎ)のように曲がっていたからです。こんなふうに曲がっているのはカギバガ科の特徴で黒くて帯のように縞模様がある種類は見たことがありませんでした。
 初物の蛾の写真を撮るので,浮き浮きしながらカメラを構えましたが,何か嫌な予感がしました。黒っぽい蛾は光を反射しにくいのか,シャッターが切れないときが度度あったからです。案の定,シャッターは切れません。

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オビカギバ 懐中電灯で照らすと帯の縞模様がはっきりしてくる。 撮影日:2013/04/19 場所:勿来の関

 こんなとき活躍するのが,いつも,ポケットに入れておく小さな懐中電灯です。蛾に光を当ててからシャッターを押すと上手くピントが合って撮ることができました。この方法は,光を当てても逃げない蛾や場合(気温が15℃以下のとき)しか使えません。更に,これから暑くなると,蛾の体温が高くなっていて,いつでも飛び立てる状態にあるので,光を当てた瞬間逃げられることが多くなります。

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オビカギバ 翅頂が鉤(かぎ)のように曲がっているのがカギバガ科の特徴 撮影日:2013/04/20 場所:勿来の関

 ところで,このオビカギバは,ずいぶん個体差が大きく翅の色は茶・薄茶・焦げ茶と様様です。更に,私の写真のように色が帯状のものや線だけのものまでいて多様性に富んでいます。

 ここに取り上げた写真は4/18~4/20まで同じオビカギバを3日続けて撮った写真です。最初の日には触角を広げて止まっていますが,次の日からは触角を翅の下にして止まっています。

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ヤシャブシ a:雌花 b:雄花 c:去年の実
       このように開花しているときは甘い匂いが漂っています。
 撮影日:2013/03/23 場所:勿来の関
 オビカギバの幼虫が食べる植物ヤシャブシは,このオビカギバを見つけた建物の目の前に沢山生育しています。ですから今まで出現しなかったのが不思議です。

五七五

 黒い蛾に 見えたが実は 帯模様

 写真撮り シャッター切れず 光当て

 黒い蛾は 光当て当て 写真撮る

 気が付いた 帯の模様に 命名者

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tag : オビカギバ ヤシャブシ

ナカモンキナミシャク 個体変異の大きい蛾

ナカモンキナミシャク 個体変異の大きい蛾
ここに掲載した7つの画像は全てナカモンキナミシャクです。

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2011/04/10 場所:勿来の関

今日,紹介する蛾は勿来の関で観察されるナカモンキナミシャクです。現在盛んに出現していて建物の壁や床に止まっています。
 3年間写真を撮ってきて,まだ,一度もモンキキナミシャクを写したことはありません。今度こそ絶対間違いないと思い確かめてきましたが,いつも期待は裏切られ決まってナカモンキナミシャクでした。

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2012/04/11 場所:勿来の関

 不思議に思い『みんなで作る日本産蛾類図鑑』から分布を調べました。すると,次のように書かれてありました。

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2011/04/30 場所:勿来の関

 モンキキナミシャク:分布;本州,四国,九州。食餌植物;コナラ、ミズナラ、  ブナクヌギ、シラカシ、カシワ。開張23-26mm

ナカモンキナミシャク:分布;北海道,本州,九州,対馬,シベリア。食餌植物:  ミズナラ。開張22-26mm

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2013/04/15 場所:勿来の関

 このことから,ナカモンキナミシャクは寒い所にも暖かい所にも生息していて,モンキキナミシャクは暖かい所に生息していることが分かります。
 一方,nabeさんが作られた『四国産蛾類図鑑』には両方の蛾が載っています。
 それから,北海道におられる『yyzz2』さんの写された画像を拝見しますとナカモンキナミシャクの画像が多いです。中にモンキキナミシャクかと思われる画像がありますが,ナカモンキナミシャク特有の凹みが僅かに感じられます。
 従って,モンキキナミシャクは寒い気候の所には棲めなく,勿来の関では観察されない種かと思われます。あるいは,いても極僅かで観察されないのだと思っています。

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2013/04/15 場所:勿来の関

ところで,ナカモンキナミシャクの特徴は目玉模様の下あたりで外横線が大きく曲がります。でも,いつもそうとは限らず少ししか曲がっていないナカモンキナミシャクもいて苦労します。Wの字を左右に引っ張った感じの  番目の写真の蛾もナカモンキナミシャクです。でも凹みがあっても二つの凹み(波の模様)がある場合はモンキキナミシャクのようです。

 ナカモンキナミシャクを漢字で表すと中紋黄波尺となるでしょう。翅の真ん中あたりに紋がある黄色っぽい波尺と解釈しています。

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ナカモンキナミシャク 撮影日:2013/04/18 場所:勿来の関

 一方,モンキキナミシャクは理解に苦しみました。二つの「キ」があるからですが,二つの「キ」は。どちらも黄だと思います。翅の真ん中あたりに黄色の紋がある黄色っぽい波尺と解釈しました。
 従って,漢字で表すと「中紋黄黄波尺」となるでしょう。

 ナカモンキナミシャクは個体変異が大きく目玉模様がつながっているものや目玉模様を囲む帯が細いものがいます。

この蛾は同定も撮影も難しくです。フラッシュを焚くと色がとんでしまいます。しかし,フラッシュを焚かないと暗くなってしまい何が写っているか分からなくなります。
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ナカモンキナミシャク 撮影日:2013/04/19 場所:勿来の関

 そこで,私が工夫して上手くいっている写し方を紹介します。ニコンのデジカメはこの蛾を写そうとするとシャッターが切れないときが多いのです。おそらく光を反射する割合が低いからでしょうが,懐中電灯で蛾を照らしてやるとシャッターが切れます。ところが,このようにして写した画像は明るすぎた画像になり,とても見られません。そこで,シャッターを切るときに灯りを蛾から反らすようにしたら見られる画像になったのです。これは,とても良い方法です。みなさんも,是非試して下さい。懐中電灯の光が強いときはティッシュペーパーで被ってやって下さい。


五七五

 寒がりで 南で暮らす モンキキは

 折れ曲がる 目玉の下で ナカモンキ 

 切れるよう 灯りを照らし 写してる 

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tag : ナカモンキナミシャク

奇麗な蛾が多いミズメイガ亜科

マダラミズメイガ 奇麗な蛾が多いツトガ科ミズメイガ亜科の蛾
マダラミズメイガ クロスジマダラミズメイガ キオビミズメイガ アトモンミズメイガ  ゼニガサミズメイガ
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マダラミズメイガ クロスジマダラミズメイガ 撮影日:2011/09/08 場所:勿来の関

 ミズメイガ亜科に属する蛾の幼虫は水に溶けている酸素を気管腮(きかんさい)から取り入れ水生植物を食べるという生活をしています。鮮やかな黄色の筋がある種が多いです。ですから,目を引き奇麗に見えます。

 最初の写真の蛾はマダラミズメイガクロスジマダラミズメイガです。クロスジマダラミズメイガととてもよく似ていて私には区別がつきません。マダラミズメイガの方が資料数が多いのでこの蛾を暫定的にマダラミズメイガとしておきます。
 最初の写真は,クロスジマダラミズメイガです。マダラミズメイガににていて同定するのが大変でしたがやっと違いが分かりました。詳しくはこのブログのクロスジマダラミズメイガをご覧下さい。

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キオビミズメイガ 撮影日:2011/08/31 場所:勿来の関

 2枚目の写真の蛾の名前はキオビミズメイガです。こちらは,マダラミズメイガよりも多く観察されているようです。流水中の蘚苔類を食べるようです。勿来の関には沢沿いに小さな川が流れています。それから,大駐車場の隣にある吹風殿の中に浅い池(田植えの頃は蛙の声が聞こえてきます。)があります。この二つの水場にある水生植物を食べているのでしょう。あんな小さな細々とした環境でも生物の命を育んでいるのですから大切にしていかなくてはいけないと思います。まさに水ある所,命ありです。

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アトモンミズメイガ 撮影日:2012/07/25 場所:勿来の関

 3枚目の写真の蛾はアトモンミズメイガです。4つの蛾の中では一番小さな蛾です。丁度,壁の隅にいたので上の方から写せずピントがあった写真が撮れませんでした。後翅の外縁に沿って黒い紋が並んでいます。それで,アト(後)モンミズメイガと名付けたのでしょう。

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ゼニガサミズメイガ 撮影日:2012/07/23 場所:勿来の関

 4枚目の写真はゼニガサミズメイガです。後翅にある白い楕円形の紋を銭瘡(ぜにがさ:『大辞泉《患部が銭のように円形になるところから》田虫(たむし)の古名』)に見立てたのでしょう。スジグロミズメイガとよく似ていて区別がつきませんでしたが資料の多いゼニガサミズメイガと暫定的にしました。
 
 これらのミズメイガ亜科の蛾は,いずれも暑くなってから観察される蛾です。(私の観察では,6月下旬~9月上旬に見られました。)


五七五

 ミズメイガ 黄色の筋が 引き立てる

 幼虫は 水中に住む 驚きだ

 ゼニガサは 田虫の古名 白い紋

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アオスジナミシャク 珍品といわれます・・・

アオスジナミシャク 珍品といわれます・・・
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アオスジナミシャク これから見られる蛾です。 撮影日:2013/04/17 場所:勿来の関

 今日(2013年4月17日)も,勿来の関に行きました。すると,今年になって初めて見る2種類の蛾に会いました。最初にアオスジナミシャクを紹介します。

 周りの壁を隈無く探しますと,ソトカバナミシャクに形が似て紋様が違うがが居ました。直感で,裏の紋様が独特なアオスジナミシャクだと思い写真を撮りました。

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アオスジナミシャク 前翅前縁近くに黒点があります。後翅にもあります。 撮影日:2012/05/04 場所:勿来の関

 この蛾は珍品といわれますが,数が少ないからではなく,3枚目の写真のように翅の裏の紋様が変わっていて珍しいからだと思っています。普通の蛾の翅の裏は白黒2色の筋なのに黄色の筋があるからでしょう。
 珍しいというと数が少ないと思いがちですが,勿来の関では毎年複数以上見られるので,別な意味で珍しいのだと考えたのです。思い付くのは翅の裏の紋様だけしか考えられません。珍品と知ってビニル袋に入れ大切にとっておきましたが,それを知ってからは何か価値が半減したような感じを持っています。

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アオスジナミシャクの裏側 黄色の筋が珍品のいわれです。 撮影日:2011/05/01 場所:勿来の関

 写真で写すと光の当たり具合で感じが違ってしまいますが,実際の色は1枚目の左側のような感じです。
 写真を見て感じたことですが,面白いことに去年も今年も後翅の縁毛で腹部の下半分が被われ細く見えているのが分かります。

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クロオビシロフタオ 後翅から出ている突起物が大切 撮影日:2013/04/17 場所:勿来の関

 次に,クロオビシロフタオを紹介します。この蛾に会った方は,何科に属するか途方に暮れます。でも,後翅の突起物がヒントになって覚えやすい科名です。
 後翅の外縁を見ると,白い紐のような物が出ているのに気付かれるでしょう。この突起物をツバメの尖った尾に見立ててツバメガ科に属する蛾に入れています。前翅に黒い帯状の模様があり全体に白っぽい蛾なのでクロオビシロフタオと名付けられたのでしょう。後翅はオカモトトゲエダシャクの折りたたまれています。前翅長が1㎝にも満たない小さな蛾ですが,後翅に茶色が混ざっていてなかなかハイカラに見える蛾です。


五七五

 翅の裏の 黄色の筋が 珍しい

 ツバメの尾 後翅の先の 突起物

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tag : アオスジナミシャク クロオビシロフタオ

ウスベニキリガ 珍しいキリガ

ウスベニキリガ 珍しいキリガ
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ウスベニキリガ 資料が少ない蛾です。 撮影日:2013/04/16 場所:勿来の関

薄紅というよりも明るい茶色の蛾です。外横線が後縁に近づくにつれて頭の方に曲がっていて内横線と囲まれた部分がチョウの格好に似ていると,じっと見ていて感じました。
 私はいつも「四国産蛾類図鑑」で蛾の名前を調べています。環状紋と腎状紋が目立って見えたので,最初にヤガ科のモンヤガ亜科を調べました。しかし,見つかりません。
 次にキリガ類かも知れないと気づきヤガ科キリガ類1を探しました。今までですと,標本にするために翅が開かれた蛾の写真は止まっている蛾のイメージと違ってしまい必ず見過ごしていました。
 ところが,そのときに限って,「あっ。これとそっくり。」とたちまち見つけてしまいました。曲がっている外横線が目に飛び込んできたからです。名前はウスベニキリガでした。

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ウスベニキリガ 薄紅というより明るい茶色です。 撮影日:2013/04/16 場所:勿来の関

 ウスベニキリガで検索すると資料数が10前後と少ない蛾でした。
 テンスジキリガのように脈の筋が奇麗な模様になっている蛾です。ただ,腎状紋・環状紋が白っぽくならず,線や脈の筋だけが白っぽい蛾です。内横線から亜外縁線まで仕切られた範囲が微妙な変化をしています。線の模様と色の変化が楽しめる蛾です。
 2013年4月15日,勿来の関の建物の窓ガラスに止まっているのを見つけ写真を撮りました。
 でも,撮りづらい場所にいて,しかも大きさを測っていなかったので,今日改めて撮り直しをしました。キリガ類は触っても逃げていかないので,安心して窓ガラスから指で剥がすようにして,口を開けた下の袋に落としました。
 その後,塵のない歩道の上にウスベニキリガを置くことにしました。近くに落ちている松の葉を拾って来て,胸の下に松の葉を滑り込ませました。脚に引っかかるように持ち上げながら袋から出しました。

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ウスベニキリガ 小さな下唇鬚が見えます。 撮影日:2013/04/16 場所:勿来の関

 今までなら,斜めにならないように写していました。でもそのようにすると堅い感じがするので,少し頭が上になるよう撮りました。蛾の様子をよく掴むために上からだけでなく横からや正面からも写しています。横から写すと触角・下唇鬚(鼻のように出張っている器官)・口・足の様子が分かりやすくなります。正面から写すと,どんな表情をしているのか掴めます。
 撮影が終わってから松の葉に掴ませながら建物の中に移してあげました。

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ウスベニキリガ つぶらな瞳が可愛いです。 撮影日:2013/04/16 場所:勿来の関

短歌と五七五

 極端に 外横線が 盛り上がる 資料の足しに ブログ記事書く 

 少しずつ 色が変化し 並んでる

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ヨホシナミシャク ナカアオナミシャク

ヨホシナミシャク ナカアオナミシャク
現在,見られるナミシャク科を紹介します。
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ヨホシナミシャク ヨホシというよりゴホシに見える 撮影日:場所:2013/04/12

 極普通に見られるものは最後の写真のソトカバナミシャクです。ウスカバナミシャクやナカオビカバナミシャクとよく似ていて混同してしまいます。
 前翅前縁近くにある黒点と前翅後角付近の黒紋(止まっていると下の方にある)が目立ちます。ここに名前を挙げたカバナミシャクのうちではソトカバナミシャクが,一番前翅長が長いようなので明日測って確かめようと思います。
 幼虫の餌に注目すると勿来の関周辺には,ヤマツツジ,コゴメウツギ,イボタノキ,アセビ,イタヤカエデがあります。イタヤカエデはあまりありませんから,一番確率が高いのはソトカバナミシャクです。

 下に「みんなで作る日本産蛾類図鑑」掲載の資料を載せます。

ソトカバナミシャク:前翅長11-12mm 出現月3-4E食餌植物ヤマツツジ、ウゴツクバネウツギ、サワフタギ、コマユミ、コゴメウツギ、メグスリノキ、イボタノキ、アセビ

ウスカバナミシャク:開張 16-21mm 出現月 3M-4食餌植物ミズナラ、ヤブデマリ、イタヤカエデ

ナカオビカバナミシャク:開張 17-21mm 出現月 5B-5M(3種類ともほぼ同じ)

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ヨホシナミシャク 前翅の付け根にある黒い長方形の紋が目印 撮影日:場所:2011/04/14

次に,出会ったのは2年前に会ったことがあるヨホシナミシャクです。今年改めてナミシャク亜科を見直しました。ソトカバナミシャクの外にもいることが分かり,止まっているナミシャク亜科の蛾を一匹ずつ写真を撮っていきました。
 すると,白っぽいものが居ましたので何枚か丁寧に撮りました。ヒメカバナミシャクと大変よく似ていて暫く苦労しました。胸部に近い所の黒い紋が長方形なのでヨホシナミシャクだと分かりました。
 写真の蛾には前翅中央より前縁に近い所に黒点がありますが,その黒点よりも前縁に近い所に細くて小さい黒紋がありヨホシでなくゴホシと呼んだ方が相応しい感じです。
 奇妙に感じるのは角(つの)のように前に突き出た短い突起物です。キバガ・ヤガ科なら理解できます。ナミシャク亜科にも目立つ種があるか調べましたら,結構居ることが分かりました。

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ナカアオナミシャク 腹に近い所が青く見える 撮影日:場所:2013/04/14

 次に紹介するのは今年初めてであったナカアオナミシャクです。2013年4月12日からソトカバナミシャクに似た蛾に気を付けていたら,何か白っぽい感じの蛾に目が止まりました。すかさずシャッターを押すと腹に近い中央(中の所)がわずかに青みがかった灰色の蛾が写っていました。
 中の部分が青みがかっているからナカアオと名付けられたのでしょう。年配の方なら緑色を青と表現しますが,この命名者は若い研究者だったので,そのままずばり青と表現したのだと思っています。この場合,青が一番無難だと思います。

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ソトカバナミシャク 黒点が目立つ 撮影日:場所:2013/04/14

短歌と五七五

 青以外 外に言葉が 見つからず そのままずばり ナカアオとなる

 ソトカバは 似たものあるが ポイントは 仲間内では 一番でかい 

 見つけたぞ 首の近くに ポイントを 長方形の 黒い紋あり

 名ばかりだ 五つもあるぞ ヨホシとは

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前翅後縁に目印のあるシタコバネナミシャク

前翅後縁に目印のあるシタコバネナミシャク
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シタコバネナミシャク 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 この蛾は毎年,1回だけ観察されてました。今年は屋外で見つけました。その場所は一晩中灯りがついている所で,灯りを目指して飛来した蛾が真下にある柵に止まったのでしょう。
ときどき,このようなことがあるので注意して見ています。一見して,ウスミドリコバネナミシャクかなと思いましたが,カメラの画像を見ると前翅後縁に茶色の斑点があります。私が未だ見ていない蛾かも知れないと思いながら調べていきました。この蛾は個体変異が大きく前翅の線が,この写真ほどはっきりしているものはほとんどありません。

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シタコバネナミシャク 目印の茶色の紋が目立っています。 撮影日:2011/05/01 場所:勿来の関

 でも,幾つか共通する所を見つけました。
 ①前翅後縁に茶色の斑点があります。
 ②前翅外縁に鋏模様の紋様があります。
 ③腹部上面に黒い斑点があります。 
④内横線の後縁部分に小さな茶色い斑点があります。

 以上の4点からシタコバネナミシャクと判断しました。

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シタコバネナミシャク よく見ると3対の茶色の斑点があります。 撮影日:2012/04/21 場所:勿来の関

 よく見ると3対の茶色の斑点があります。内横線・外横線が後縁と接する部分に小さく(内横線の所),そしてかすか(外横線の所)にあります。


短歌と五七五

 目印だ 茶色の紋で シタコバネ 線の様子は 変異大なり

 外縁に 鋏模様が 並んでる

 よく見ると 上の方にも 茶の紋が

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tag : シタコバネナミシャク

アセビツバメスガ

アセビツバメスガとシロツバメスガ スガ科の蛾
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アセビツバメスガ 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 上の写真のような蛾を去年は7月1日に,今年はずっと早くて4月12日に見つけています。「みんなで作る日本産蛾類図鑑」では出現月が5月からになっていますが,今までの経験から1ヶ月早いのは別に問題はないようです。

 この蛾を見つけた瞬間,「新しい蛾を見つけたぞ。嬉しいな。」と喜んだのも束の間でした。困ったことに,名前がなかなか分からないのです。この蛾はスガ科に属しますが,その頃はスガ科の名前すら分かりませんでした。外の蛾を調べているうちに偶然分かった次第です。
 ところが,一難去ってまた一難です。このスガ科にはよく似た二つの蛾がいたのです。何度二つの画像を見比べても区別がつかないのです。

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アセビツバメスガ 前方に前足を突き出して止まる。 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に載っている資料を紹介します。
  アセビツバメスガ
  開張 12-17mm
  分布 北海道,本州,四国,九州;
  出現月 5-9,岩手5M-6M,8M-8E
  食餌植物 アセビ、ハナヒリノキ・・・①

  シロツバメスガ
  開張 14-16mm
  分布 北海道,本州,九州
  出現月 5-9,岩手5M-6M,8M-8E
  食餌植物 不明

 以上のように大きな違いは食餌植物だけです。

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アセビツバメスガ  シロツバメスガとはよく似ていて区別が困難 撮影日:2013/04/12 場所:勿来の関

 諦めかけた頃,あるサイトで次のように書かれたものを見つけました。
 『大図鑑によれば、アセビツバメスガは「後縁の約4分の1と中央手前から  翅頂部へ走る2本の黒褐色斜線は、翅長の5分の3(まれに5分の3を超  える)のところで合一する」そうです。
   シロツバメスガは「後縁の約4分の1と中央手前から翅頂部へ走る2本  の黒褐色斜線は、翅長の3分の2(まれに3分の2の手前)のところで合  一する」そうです。』・・・②
 
 勿来の関では,アセビツバメスガの食餌植物になっているアセビをあちこちで見ます。

 この観察の事実と①・②の理由でこの写真の蛾はアセビツバメスガと致しました。

 体の色が白と黄の蛾は,うかつにフラッシュを焚くと色がとんでしまいます。もっと具体的に言いますと黒っぽい線が見えにくくなったり消えたりしてしまいます。ですから今回は,懐中電灯の光を蛾に当てて写真を撮りました。日光ではないので,どうしても不自然な色がついてしまいます。


五七五

 似た画像 やっと探したが 見比べて 区別がつかぬ 困り果てたり

 軍配は 餌がアセビと 知れた方

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マダラハマキホソガ ホソガ科 今年早くも登場

マダラハマキホソガ ホソガ科 今年早くも登場
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マダラハマキホソガ 黒点が前縁近くに1つ後縁近くに2つあり同定ができました。 撮影日:場所:2013/04/11

 暑い頃登場していた蛾が早くも登場しました。
今日は収穫がないとがっかりしながら,入口の壁を見ると犬のお座り姿勢で止まっている蛾が目に付きました。咄嗟にホソガ科の蛾だと思いましたが,今日のように寒波が来て寒いときに見られるなんて驚きでした。
 「みんなで作る日本産蛾類図鑑」によると出現月が7月~8月になっています。岩手はもっと早く(なぜ寒い岩手が早いのか理解できませんが),5月,6月~9月になっています。それなのに,なんと4月中旬に出現してしまいました。でも,その記述と違うことはこれまで度度ありましたので,あまり大切なことではないと思っています。

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マダラハマキホソガ 犬のお座り姿勢で止まっています。 撮影日:場所:2013/04/11

 それよりも,気になっていることは,マダラハマキホソガの画像が1枚しか載ってないのです。それも,真上からしか写していないので全体の様子がよくつかめません。これで同定は無理だと思って諦めていました。
 せっかく写真を撮ってきても,名前が分からず仕舞いになっているものが沢山ありますが,今回も無駄だったかと思いました。
 でも,幸運なことに後縁近くの2つの黒い斑点が決め手になって,同定まで漕ぎ着けることができました。

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マダラハマキホソガ 撮影日:場所:2013/04/11

 それは下のサイトに次のように書いてあったからです。
  http://www.jpmoth.org/~dmoth/15_Gracillariidae/1501_Gracillariinae/framepage_gracillariinae.htm
 「開張12-14mm. 前翅に灰褐色の雲状模様を現す型とより明るい色の型とが  あるが, 両型とも前縁1/2より少し翅頂寄りと, 1/3および2/3の後縁に近い  ところに黒点があることにより, 他種とたやすく区別できる。」

 マダラハマキホソガ幼虫の餌となるヤシャブシが,勿来の関には沢沿いに沢山生育しています。北海道から九州まで分布し,餌も豊富にありますから勿来の関にこの蛾が生育していてもおかしくありません。

 点の御陰で同定ができたお話でした。

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マダラハマキホソガ 黒い点をマダラと見立てたのでしょう。 撮影日:場所:2013/04/11

 私のホソガ科の幾つかのサイトが早いページに紹介されるくらいですから,ホソガ科の資料は不足しています。小さくて見逃してしまうのでしょうか。それとも,小さい蛾には興味がないのでしょうか。小さくても,色も格好も素敵ですから是非関心を持って見つけて欲しいと思っています。

 私はごみかなと思って息を吹き逃がしてしまったことがあります。そのあと,後悔したことがたびたびあります。今日もそれをするところでした。

 願わくは,私の写した写真を「みんなで作る日本産蛾類図鑑」に掲載して頂き,皆さんの同定の手助けになりたいと思っています。しかし,標本にしていないので無理かも知れません。

 黒い斑点をマダラと見立てマダラハマキホソガと名付けたのでしょう。

短歌と五七五

近くには 餌となる木が 生い茂る 早く出て来て 姿が見たい

 驚きだ 早い出現 首傾げ

 寒い日に ホソガ科いるぞ 驚きだ

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tag : マダラハマキホソガ

シジュウカラとヒガラ 勿来の関で見られる鳥

よく似た種 シジュウカラとヒガラ 勿来の関で見られる鳥
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シジュウカラ 翼に1本の白い筋模様< 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 去年の秋頃から野鳥に興味をもって写真を撮り始めました。
 動きの激しい野鳥は撮りづらいと感じておりました。
 初めの頃は,鳥を追いかけ回しておりました。鳥の方で人を恐れ逃げられていました。

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シジュウカラ 胸から尾の方に黒いネクタイ模様。細いので♀。 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 七ヶ月経った今は,鳥が集まって来る場所にいて,カメラを構えて待っています。写しづらいときには物陰に沿って少し移動しますが,今のところ上手くいっています。この場所は柵があってカメラがぶれないように腕を柵の上に乗せて固定するのにも都合よく気に入っています。
 以前にここでシジュウカラによく似たヒガラを写したことがありました。でも,その頃は駆け出しで鳥については全然分からず,両者の違いがやっと分かるレベルでした。

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シジュウカラ 地面に落ちている餌を探している。 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 この両者の違いは次の通りです。
シジュウカラ          ヒガラ
 ①に1本の白い筋模様  ①翼に2本の白い筋模様
 ②ネクタイ模様 ②短い冠羽があり頭が尖って見える
 ③ツツピーツツピーと囀る ③ツピン,ツピン,と早口で囀る

 樹木についている虫を探して食べているように見えます。
 ところが,今日はサクラの花の蜜を吸うような食べるような仕草を見せました。今後の観察を通して明らかにしたいと思っています。

 名のいわれは,巣を始終(しじゅう)空(から)にするからと思っていましたがそうではないようです,鳴き声(地鳴き)に由来してシジュウカラと名付けられたと書かれているものがありますが繰り返し聞いても「シジュウカラ」には聞こえません。

五七五

 ツツピーと 囀る声が シジュウカラ

 よく似てる ヒガラは二本 白線が  

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ヒガラ 翼に2本の白い筋模様 撮影日:2012/12/29 場所:勿来の関




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アカゲラ撮影に成功 勿来の関にて

アカゲラ撮影に成功 勿来の関にて
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アカゲラ カッパの子に見える 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 鳥は絶えず体を動かしたり,飛び回ったりしてじっとしていないので写真を撮るのに苦労します。更に困ったことには「声はすれども姿は見えず」で声する方を探してもなかなか見つからないことがあります。

 今朝は,鳥に会えるように早く家を出ました。今までの経験で,朝早く散歩した方が多くの鳥たちに会えたからです。

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アカゲラ 首が白く腹が赤い 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 ここ2,3日暖かいせいか勿来の関は,サクラが七部咲きになっていました。サクラが咲くにつれ鳥の囀りが多く聞かれるようになりました。

 特に,売店前の広場はサクラが多く植えられているせいか小鳥が集まります。鳥を追いかけても動くものに対して敏感で,すぐ逃げられてしまい無駄足になることが多いです。そこで,写しやすい場所で鳥が来るのを待つことにしました。
 鳥によって餌を取る行動が次の3つに分かれていることに気づきました。()内の名は今日そのような行動が見られた鳥です。
 ①地面に落ちている餌を探す。(シジュウカラ)
 ②サクラの蜜を吸う。(ヒヨドリ)
 ③枝を下から上の方へ螺旋階段を上るようにしながら虫を探す。(コゲラ)

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アカゲラ 一番上の長い白い紋が目印 撮影日:2013/04/09 場所:勿来の関

 この場所で何枚か写真を取ったので帰ることにしました。
 急な下り坂のカーブの所に来ると「キョッ、キョッ」と鳥の鳴く声がします。
 この声は,何回か聞いたアカゲラの鳴き声です。ガサガサ音がした途端,目の前の太いマツの木に鳥が飛んでいくのが見えました。すかさずカメラを向けシャッターを5回切りました。
 鳥の写っている映像を見てオオアカゲラカかアカゲラか迷いました。でも,背中の黒い羽にある一番上の白い紋様がV字型になっているのでアカゲラと断定しました。
 調べたところによるとアカゲラは渡り鳥ではなく留鳥だそうです。ということは,勿来の関には一年中いるので,いつでも観察できることになります。

「キョッ、キョッ」と小さな声で鳴く声がしたらアカゲラが近くにいますから,その声を頼りに是非見つけて下さい。


五七五

 声すれど 姿は見えず 苦労する

 キョッキョッと 声する方に アカゲラが

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tag : アカゲラ

奇麗なカメムシ

《人気ブログランキングへ》奇麗なカメムシ アカスジキンカメムシ
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アカスジキンカメムシ 赤い筋と緑ときらきら光り奇麗です。 撮影日:2006/06/04

 このカメムシは大きさも美しさも群を抜いて見事です。実物も写真でもきらきらしていて一度あったら,また会いたくなります。ただ,息絶えてしまうと,きらきら感が無くなり黒ずんだ緑色になってしまいます。

 このきらきら感があるので名前にキンが付くのでしょう。

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アカスジキンカメムシの幼虫 赤い三本の線があり3齢幼虫 撮影日:2005/10/29

 このアカスジキンカメムシの幼虫を見たことがありますか。
 1齢幼虫から5齢幼虫までありますが,それぞれ独特な紋様をしています。
 幼虫を見て成虫の姿を予想することは難しく
 「エー。まさかこの幼虫があの奇麗なアカスジキンカメムシになるの。」
 と思うほどかけ離れた姿をしています。
 これは,どのカメムシにも当てはまります。

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アカスジキンカメムシの幼虫 5齢幼虫 赤型。ピエロが笑っているようです。 撮影日:2010/11/08

 わたしは,5齢幼虫を見ると可笑しくなってしまいます。だってピエロが大きな口を開け笑っているで,こちらも思わず可笑しくなってしまうからです。

 この5齢幼虫をアカスジキンカメムシの幼虫だと知らなかったときは,
 カメムシの成虫だとばかり思い一生懸命図鑑の頁をめくりましたが名前を探すことはできませんでした。
 小学生が見るような一つ一つの虫を解説している図鑑でやっとアカスジキンカメムシの幼虫だと分かりました。

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アカスジキンカメムシの幼虫 5齢幼虫白型 撮影日:2012/09/01

 このとき初めて昆虫は変態する動物で親と子では丸っきり姿が違うことを身に染みて分かりました。それまでは完全変態という言葉は知っていましたが,知っているだけで生きた知識になっていませんでした。

 驚きはこればかりではありません。5齢幼虫には,白型と赤型があるのを実際に見て知り訳が分からなくなりました。

 甘酸っぱいヤマボウシの実が懐かしくて,赤く熟した実に近付くとスズメバチに混ざってアカスジキンカメムシの成虫と幼虫が入り交じって汁を吸っていました。このヤマボウシの実は,人気が高く至る所に昆虫が群がっていました。その中に3齢幼虫も5齢幼虫もいました。


短歌と五七五

 きんきらら 赤と緑で 大きくて また見たくなる キンカメムシに

 目立ちます 赤と緑で 輝いて

 親と子は 予想がつかぬ 姿なり

 白型もいる 赤型もいる 不思議なり 

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tag : アカスジキンカメムシ

イホタガ 春出現する大きな蛾

イホタガ 春出現する大きな蛾
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イボタガ 中央にはフクロウに似た目玉模様 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 勿来の関の建物の梁(はり)の上から頭の部分を出していたのを去年の4月28日に見つけました。ススキの茎につかまらせて下に下ろす途中自分の重さを支えられず落ちてしまいました。下に着いた途端,翅をバタバタさせた後うつ伏せになりました。
 すると,大きな目玉模様が現れました。ぎっとして体がすくみましたが,毒蛾ではないので心を落ち着かせ逃げないうちにビニル袋に入れました。そこで写真を撮っていたら飛び去ってしまいそうな感じがしたからです。中のイボタガの模様は何本もの横線が波紋を描きながら奇麗に並んでいます。

「よし,この奇麗な模様をカメラに収めるぞ。」とわくわくしながら家に帰りました。

 家の部屋の窓やドアを締め切ってから袋を開けていきました。飛び出すかなと思ったら,じっとしています。袋から押し出してもよかったのですが,体に触れると暴れると思い鋏でビニルを切りました。袋から飛び出した蛾は明るい窓を目指して飛んでいくのを何度も見ているので,張り付いているビニルのままビニルの端を窓にセロテ-プで止めました。明るい所に来られて安心したのかイボタガはじっとしています。

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イボタガ 裏も繊細な波模様 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 翅の表を写した後,裏側を見ました。細かい波の模様が狭い間隔で何本も並んでいて綺麗です。裏側にするには苦労しませんでした。窓に貼ったビニルの向きを変えればよいからです。でも,翅の表面が窓に触れたら嫌がって飛んでしまうかなと心配しました。不安を感じながら裏返しにしました。案に相違してイボタガは動きません。ビニルの表面で光が反射しないように凸凹を直しながら裏側の写真を撮りました。
 これに気をよくして私は,床の上の封筒にイボタガを移しました。ビニルの上を滑らすように封筒をゆっくり頭の方から腹の方にずらしていきました。イボタガは歩くように足を動かし上手く封筒の上に乗りました。
 おとなしくしているのをいいこことに,私は隠れている後翅を写そうと前翅を左右の人指し指で頭の方に水平にずらしました。すると,嫌がるように足を突っ立てました。飛び立ちそうでしたが,そのままじっとしています。でも,頭の方にずれた前翅は次第に元の位置に戻ってしまいます。「翅が痛みませんように。飛び立ちませんように。」と祈りながら,何度か頭の方にずらしていると割合といい位置で前翅が止まり写すことができました。それが最初の写真です。

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イボタガ 何故か口が見当たらない 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 床の上でも裏側の写真を写したくなりました。そこで,蛾を仰向けにすると勿来の関で見せたように翅をバタバタさせて元のうつ伏せになってしまいました。二度三度試みましたが,翅をばたつかせて元に戻ってしまいます。可哀想なので床の上での撮影は諦めました。

 イボタガは♂も♀も見た目は同じなので写真や外見だけで区別がつかないそうです。ということは,雌も触角が櫛歯状になっているということです。

 外横線の様子を見ますとぜんまいのような口が見当たらないので調べましたら成虫は食べないと記述してあるサイトがありました。

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イボタガ フラッシュにも反射しない目 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 前翅の模様をよく見ると左右で微妙に違っています。「前翅模様が左右同じものが殆ど居ない。」と書いてある「YAMKEN明石の蛾達」さんのサイトがありました。それは中央線と外横線の間に集中しているようです。

 あのおとなしかったイボタガは,夕方になったら未だ明るいのにも拘わらず外に出ようと窓ガラスにぶつかりながら盛んに翅をバタバタさせています。何に反応してそのような行動をとったか私には,はっきりしたことは分かりませんか窓を開けて開放してあげました。


五七五

 難しい ♂♀共に よく似てて 外見だけで 区別がつかず

 繊細な 模様が並び 奇麗なり

 隙間無く 並ぶ見事さ 波模様

 口無くて 食べずに過ごし いくばくか

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tag : イホタガ

ヒトリガ科 コケガ亜科 派手な彩りの蛾

ヒトリガ科 コケガ亜科 派手な彩りの蛾
スジベニコケガ オオベニヘリコケガ アカスジシロコケガ
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スジベニコケガの♀ 撮影日:2012/08/28 場所:勿来の関

 前回,スジベニコケガの♂を紹介しましたが今日はその♀です。
 赤い斑模様が無くなり黄色になったような紋様の蛾です。はじめは色あせた♂かなと思いました。この種は個体変化が大きいので,こんな色の♂がいるか調べたら♀と分かりました。灯火に飛来するのは♂ばかりで♀が飛来したのは2012年8月28日の1回だけです。

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オオベニヘリコケガ 撮影日:2011/09/18 場所:勿来の関

 上の蛾は縁が紅色になっていて大きいから,オオベニヘリコケガと名付けられたのでしょう。
 黄色・橙・紅色・黒の4色ですが,単純な黒い筋の模様が目をひきます。

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アカスジシロコケガ 撮影日:2011/09/12 場所:勿来の関

 上の蛾は,未だ3回しか見ていない蛾です。夏,見られる蛾は人が近付くと逃げてしまうことが多いです。そっと寄っていきますがシャッターを切る前に逃げられたり,フラッシュに驚いて飛び去ってしまいます。この蛾は特に敏感で,すぐ逃げられるので写真の枚数は少ないです。

 昆虫の活動が可能な気温は15℃以上だといいます。だから,20℃を越える夏は蛾の動きが機敏で敏感です。

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どちらも地衣類ウメノキゴケ科の生物 撮影日:2013/04/06 場所:勿来の関

 最後の写真は地衣類のウメノキゴケ科に属する生物です。どのようなものを食べているのか紹介するために今朝,撮ってきました。ウメノキゴケ科の生物はウメの木だけでなくサクラの木にも着生しています。どちらかというと若い木より太くて壮年過ぎ頃の木に見られました。
 このようなウメノキゴケ科の生物を餌にしてコケガ科の蛾は大発生します。


五七五

 惹きつける 単純だけど 黒い筋

 夏の蛾は 近づくだけで すぐ逃げる



次回はイボタガかカメムシです。

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tag : スジベニコケガ オオベニヘリコケガ アカスジシロコケガ

ヒトリガ科 コケガ亜科 鮮やかな色の蛾

ヒトリガ科 コケガ亜科 鮮やかな色の蛾
スジベニコケガ ゴマダラベニコケガ ハガタベニコケガ
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スジベニコケガ 撮影日:2011/05/26 場所:勿来の関

 コケガ亜科には鮮やかな色をした蛾が5種類います。黄・橙・黒の3色で彩られているので目をひきます。色の濃さには個体差があります。

 スジベニコケガゴマダラベニコケガは紋様が似ていますが,内横線がほとんど曲がらず直線的なのがゴマダラベニコケガです。それから,外横線線の黒い斑点がスジベニコケガのように長くなく短いのが特徴です。丁度その斑点がゴマ粒のようなのでゴママダラが転じてゴマダラになったのでしょう。
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ゴマダラベニコケガ 撮影日:2012/08/08 場所:勿来の関

 樹皮に着生するウメノキゴケなどの地衣類を幼虫は食べます。幼虫がコケを食べるのでコケガ亜科に分類されているのでしょう。勿来の関ではソメイヨシノやヤマザクラ等の樹皮にウメノキゴケが着生しているのが見られます。

 コケガ亜科の蛾は賢いと思います。コケを餌にしようと考えたからです。コケは寒い冬でも枯れずに木や岩に着生し1年中生育しています。誰も見向きもしないそんなコケを独り占めして食べるのですから大発生するのもうなずけます。

 発生の盛りには多くのコケガ亜科の蛾が,壁に止まっているので驚きます。

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ハガタベニコケガ 撮影日:2011/06/12 場所:勿来の関

 それに対して,スジベニコケガは外横線の黒い斑点が長く,中央線が緩い曲線になっています。♀は全体的に黄色っぽく一目で違いが分かります。灯火に飛来するのは,圧倒的に♂が多く♀はほとんど来ません。

 外横線がつながっているハガタベニコケガの♂は前翅前縁の中央が外の方に出っ張るように曲がっています。ですから上の写真では上の方が♂です。


短歌と五七五

 コケ食いは 邪魔者もなく 独り占め 賢く生きる スジベニコケガ

 盛りには 無数張り付き 肝つぶす



次回はコケガ科かカメムシです。


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tag : スジベニコケガ ゴマダラベニコケガ ハガタベニコケガ

ドクガ科で毒のある蛾

ドクガ科で毒のある蛾
ドクガ チャドクガ モンシロドクガ ゴマフリドクガ キドクガ
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ドクガ 撮影日:2011/08/06 場所:勿来の関

 題を見て,「えっ。」と思われるでしょう。ドクガと名が付くと警戒してしまいますが,害を与えるものは極わずかです。ドクガ科59種類中,危険な毒蛾は10余りです。つまり6分の1だけが危険な毒蛾です。

 上の写真の蛾はドクガです。この幼虫や成虫に触れると毒針毛(大きさ0.1mm程度)が刺さり,かゆみの強い赤いぶつぶつが現れます。かくことでさらに悪化するそうです。治癒に約10日かかるそうです。食餌植物はサクラ属,バラ属,キイチゴ属,コナラ属,カキ,イタドリですから至る所に餌があり勿来の関では普通に見られる蛾です。

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ゴマフリドクガ 撮影日:2012/05/16 場所:勿来の関

 上の写真の蛾はゴマフリドクガです。ゴマを振りかけたような模様から名付けられたのでしょう。この蛾の幼虫は下の写真のように黒や橙・黄橙と奇麗な色をしています。
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ゴマフリドクガの幼虫 撮影日:2010/08/29 場所:勿来の関


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チャドクガ 撮影日:2012/10/15 場所:勿来の関

 上の写真の蛾はチャドクガで櫛歯状の触角があるので雄です。翅頂付近の黒点と白い内横線と外横線があるのでゴマフリドクガと区別がつきます。食餌植物はチャ・ツバキ・サザンカです。チャドクガの雄には翅が黒い個体もいるので注意して下さい。

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クロモンドクガ 撮影日:2011/06/24 場所:勿来の関

 上の写真の蛾はクロモンドクガの♀です。毛深くて黄色なので毒針毛を持つ毒蛾だと思い込んでしまいがちですが,無毒であるようです。毒を持つゴマフリドクガチャドクガに擬態していると思われます。不思議にも,灯火に飛来するのは,ほとんど♂が多いのにも拘わらず,このクロモンドクガは♀が飛来して来ます。なぜか♂は目立たないように♀よりずっと黒っぽい色です。♀は擬態しているだけに自信があるのでしょうか。



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モンシロドクガ 撮影日:2011/06/20 場所:勿来の関

 最後の写真のモンシロドクガはドクガ,チャドクガ同様に,卵~幼虫~繭~成虫と一生の全てを毒針毛で武装しているので触ったら大変です。成虫は卵に毒針毛をなすり付けているので,卵でもうっかり触れません。
食餌植物はサクラ,ウメ,ナシ,リンゴ,クヌギ,コナラ,クリです。勿来の関にはよく見られる植物ですので,大発生しても不思議ではありません。

 日本にはガやチョウの仲間(チョウ目)が約6000種生息しています。それらの幼虫の中には体の表面に毒のある毛(毒針毛)などを持ち、それに刺されると皮膚炎などをおこすことがあります。毒針毛などを持つグループとしてドクガ類、カレハガ類、ヒトリガ類、イラガ類などがあります。カレハガ類、ヒトリガ類、イラガ類は幼虫のみ害がありますが、ドクガ類の中には卵から成虫まで全てが害を与える種類がいます。  

 ドクガ科で毒針毛を持つ蛾は ドクガ・チャドクガ・モンシロドクガキドクガ・ゴマフリドクガ・サカグチキドクガ・フタホシドクガ・マガリキドクガです。ニワトコドクガについては毒針毛が,無いようなことが言われていますが,毒針毛があると書かれている図鑑もあります。
 幼虫や成虫に触ると毒針毛(大きさ0.1㎜)が刺さり激しいかゆみと炎症を起こします。毒針毛を持つ蛾に触れたら,水で流すかセロテープや粘着テープで取り除くとよいそうです。毒針毛は,かけばかくほどくい込んでしまうからです。

 毒蛾の被害に遭わないように特徴をまとめますので触らないで下さい。
 ①翅も足も毛深い
 ②前足を前に伸ばして止まる。
③翅の色は黄や白をしていて黒の斑が入る。


「白と黄の 毛深い蛾には 気を付けて」 と覚えて下さい。
ただし,チャドクガには,翅が黒い個体もいるのでご気を付けましょう。
ドクガ科の蛾は成虫になると口が退化して口を持たない蛾が多いそうです。
翅や足までふさふさした毛があり前足を前に伸ばして止まることが多いのはシャチホコガ科の蛾と似ています。

五大毒蛾,即ちチャドクガ・ドクガ・モンシロドクガキドクガ・ゴマフリドクガには触らないよう気を付けて下さい。

五七五

「白と黄の 毛深い蛾には 気を付けて」

 口退化 何日生きて いるのかな

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ホソガ科 変わった止まり方をする蛾

ホソガ科 変わった止まり方をする蛾
チャノハマキホソガ アカメガシワホソガ クヌギハマキホソガ ホシボシホソガ
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クヌギハマキホソガ 幼虫の餌はクヌギ、コナラ等です。  撮影日:2012/08/19場所:勿来の関

 今回紹介する蛾も大変小さい蛾です。前翅長5㎜前後の大きさです。
 前回は翅に奇麗な模様がある蛾でしたが,今回は変わった止まり方をする蛾です。
 多くの蛾は止まった面に対して体を平行にして止まります。つまり,うつ伏せの状態で止まります。
 ところが,ホソガ科の蛾は前足・中足を前に揃え頭を上にして立ちます。丁度犬がお座りをして待つ姿勢に似ています。
 蛾のこのような止まり方を見るのは初めてでしたので,新鮮な驚きがありました。

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アカメガシワホソガ  撮影日:2012/08/08場所:勿来の関

 アカメガシワホソガ幼虫の食草はトウダイグサ科のアカメガシワなので名前はアカメガシワホソガといいます。赤い目をしているからではありません。蛾の研究,中でも小さい蛾については取り組んでおられる方が少ないようで「みんなで作る日本産蛾類図鑑」には,たった1枚の写真が載っているだけでした。そんな訳で,その1枚を見逃してしまいなかなか名前が分かりませんでした。

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チャノハマキホソガ  撮影日:2012/08/08場所:勿来の関

 チャノハマキホソガ幼虫の食草はチャ, ツバキ, サザンカなどツバキ科植物でチャの重要害虫だそうです。

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ホシボシホソガ  撮影日:2012/08/18場所:勿来の関

 ホシボシホソガ幼虫の食草はサクラ類です。勿来の関にはソメイヨシノもヤマザクラも沢山ありますが,この蛾を見たのはたった1回です。今年の夏には何回出現してくれるか楽しみにしています。


五七五

 止まり方 お座りをする ホソガ科は

 8月に 出現するぞ 勿来では


次回は毒を持っているドクガ科の蛾を紹介します。

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カザリバガ科とマルハキバガ科 下唇鬚が発達した蛾


カザリバガ科とマルハキバガ科 下唇鬚が発達した蛾
ベニモントガリホソガタテスジトガリホソガウスイロカザリバツマジロベニマルハキバガ
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ツマジロベニマルハキバガ この蛾に似たものは8種類もいます。 撮影日:2012/08/04 場所:勿来の関

 下唇鬚が発達した蛾はヤガ科ばかりではありません。

 カザリバガ科とマルハキバガ科にも存在します。これらの蛾はとても小さい蛾です。前翅長が1㎝にも満たない5~6㎜程度の蛾なのです。
 その体に似合わず牙のような大きな下唇鬚を持っている理由が私には分かりませんが,♀がこの下唇鬚の大きさや色艶で交尾相手を決めたり,♀の匂いを嗅ぐときに使ったりしているのでしょうか。

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ベニモントガリホソガ  右ウスイロカザリバ どちらの蛾も目の色は赤です。 撮影日:どちらも2012/07/19 場所:勿来の関

 カザリバガ科の特徴は名前に象徴されているように翅の模様が派手で着飾った感じがします。さらに,不思議にも派手なことには目の色が赤いのです。

 蛾に興味を持った頃は,小さな蛾には目もくれませんでした。なんか小さい「カ」のようなものが壁に止まっているとしか思いませんでした。しかし,カザリバガ科に属する蛾を撮ってからは,小さい蛾を無視せずに写真を撮り続けました。小さい方が大きい蛾より奇麗な蛾が多いことに気付いたからです。

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タテスジトガリホソガ 眼が異様に赤く目立っています。 撮影日:2012/09/12 場所:勿来の関

 私は,蛾に興味を持ってよかったと思っています。その訳は下の5つです。 ①写真を撮ろうと近付いても逃げない蛾が多い。
 ②チョウには,花の咲いている場所を探さないと会えないが,蛾はいつも同  じ場所で出会える。
 ③真冬でも活動する蛾がいるので1年中観察できる。
 ④昼でも夜でも,暇なときに観察できる。
⑤歩きながら観察でき,健康に役立つ。

 でも,気を付けた方が良いことが一つあります。
 それは,毒を持っている蛾には近付かない触らないということです。
 詳しいことは次回か次々回の毒蛾でお話しします。


五七五

 小さい蛾 見劣りしない この模様

 見事だな 小さい蛾ほど 手が込んで

 めかしこむ 5㎜の体 着飾って

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ハナオイアツバ 下唇鬚を発達させた蛾


ハナオイアツバ 下唇鬚を発達させた蛾(ヤガ科クルマアチバ亜科)
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ハナオイアツバ 頭部から背中の方に伸びるL字状のものが下唇鬚です。 撮影日:2012/07/24 場所:勿来の関

 頭部にあって鼻のように見える部分を下唇鬚(かしんしゅ)といいます。匂いを感じ取ったり複眼(大きく見える目は小さな目の集まり)を掃除したりするそうです。

 下唇鬚が発達している蛾はヤガ科のアツバ亜科やクルマアツバ亜科に属する蛾とキバガ科・和名にキバガとつく蛾に見られます。

 大きさも形も大小様々です。その中でハナオイアツバの下唇鬚は特大で見事です。下唇鬚がこれほど発達した蛾に会えるとは思いもしませんでした。

 最初の蛾の名前は,ハナオイアツバです。漢字で表記したら鼻負厚羽となるでしょう。大きな下唇鬚を鼻にたとえて,それを背負っていると見立てたのでしょう。

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キスジハナオイアツバ この蛾も下唇鬚が頭部から背中の方に伸びています。 撮影日:2011/08/05 場所:勿来の関

 なぜ,匂いを感じ取る器官が2つもあるのでしょうか。
 ♀の匂いを感じ取るのはどちらなのでしょうか。
 また,餌の匂いはどちらで感じ取るのでしょうか。
 複眼の掃除はどのようにしているのでしょうか。


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ヒメハナマガリアツバ この蛾の下唇鬚は円弧のように曲がっています。 撮影日:2011/09/24 場所:勿来の関

 3番目の写真の蛾の下唇鬚も普通の蛾より大きなものです。この蛾の名はヒメハナマガリアツバですが,みんな曲がった下唇鬚を持っているのに,なぜこの蛾だけ特にマガリと名付けているのか疑問です。

 今回は疑問だけで終わってしまいましたが,下唇鬚について面白い発見をされたYAMKENさんの話を紹介します。
 それは,nabeさんの「蛾の掲示板」の中の「黒い物は? YAMKEN 投稿日:2012年04月01日 04:04 No.1187 」に載っています。是非御覧下さい。

http://rara.jp/nabenight/link68


五七五

 下唇鬚は 匂い感じる 感覚器

 なぜ2つ 匂い感じる 感覚器

 下唇鬚は 掃除もするぞ 複眼の 

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