・ヤニを体にまとうヤニサシガメ

ヤニサシガメ 撮影日2012/5/14 福島県いわき市勿来の関にて
触角が短く太いのでまだ幼虫 これよりもっと細長くなる。
幼虫のときの腹部の丸みと黄色がヨコヅナサシガメとの区別点です。
幼虫のときから赤い斑点がどこにもない。
散歩しながら,外灯の近くの柵を探すとちょっと小柄なヤニサシガメがいます。この昆虫は主にアカマツやクロマツに生息し、小型昆虫を捕食するそうです。
そのヤニサシガメにとって勿来の関は住みやすい環境にあります。
第一にアカマツに生息すると言われている樹木が,勿来の関には至る所にあります。
第二に餌が豊富にあると思われるからです。なぜなら勿来の関には一晩中灯りがつ
いている外灯が4つもあって,その外灯の光に誘われて飛来してくる昆虫が多くいる
からです。
だから,昆虫を捕食しやすい外灯近くの柵にヤニサシガメは多いのでしょう。
上の写真を見るとこの幼虫の腹部が黄色くなっていることがお分かりでしょうか。それは,この昆虫がヤニのような物質を身にまとうからです。マツからはヤニが出るので,まさにヤニサシガメにとってマツは生活するのに好都合な植物なのです。
ところで,なぜヤニサシガメはヤニを体にまとうのでしょうか。
昆虫学者は,次のような仮説を立てています。
① ヤニでお互いを密着固定させ集団で寒さを防いでいる。
② ヤニの膜で少しでも寒さを防いでいる。
③ 体のヤニにエサとなる虫を付着させ捕食する。

撮影日 2012/5/18 場所:福島県いわき市勿来の関
ヤニサシガメの成虫 ごつごつした足が目立つ 赤い斑点は無い
触角が幼虫のときよりも細くその上長くなっている
このヤニサシガメは,大きく写そうとしてカメラを近付けたら地面に落ちて姿をくらましてしまいました。いかめしい姿からは想像できませんが,ヨコヅナサシガメもヤニサシガメも,人の姿を見ると逃げようとします。とても,昆虫の体液を吸って生きているとは思えない行動です。でも,それは天敵から逃れる優れた方法です。
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