ヒメヤママユ

2016年11月20日(日)
ヒメヤママユ 撮影日:2016/11/20 場所:勿来の関

 ヤママユガ科のヒメヤママユを紹介します。
 縁石の側面に時期遅れのヒメヤママユが2匹止まっています。
 今シーズンの出会いは,もう無いだろうと思っていました。
 ところが,何と今日(2016年11月20日)交尾中のヒメヤママユに会えました。
 雄と雌の違いを記録する良い機会だと思いました。
 そこで次の4つの視点に注目しました。
 ①触角の様子
 ②腹部の様子
 ③翅色の様子
 ④前翅長の長さ

ヒメヤママユ
翅色が橙色の蛾は触角が狭いのでヒメヤママユ雌です。
①4番目の写真から触角の違いを見て下さい。
 雄も雌も触角は両櫛歯です。
 雄の触角は赤矢印で示したように幅広くなっています。(幅広い触角から雄と分かります。)
 雌の触角は黄矢印で示したように幅狭くなっています。

ヒメヤママユ
翅色が茶褐色の蛾は触角が幅広いのでヒメヤママユ雄です。
翅色は個体差が大きいので「橙色ならば雌だ」とは決めつけられないようです。

②3番目の写真から腹部の違いを見て下さい。
 右の蛾は赤矢印で示したように腹部が細いです。(右の蛾は雄です。触角が幅広くなっているからです。)
 左の蛾は黄矢印で示したように腹部が太いです。雌です。

ヒメヤママユ
腹部が細い右はヒメヤママユ雄です。幅広い触角から分かります。
③5番目の写真には茶褐色(上)と外縁が橙色(下)の蛾が居ます。
 茶褐色(上)の蛾は幅広い触角なので雄です。
 外縁が橙色(下)の蛾は幅狭い触角なので雌です。

④前翅長は雄も雌も40㎜でした。

ヒメヤママユ
右の蛾の触角は幅狭いので雌,左は幅広い触角から雄のヒメヤママユです。
結論
 ①雄は触角が幅広く,雌は触角が幅狭いです。
 ②雄の腹部は細く,雌は太いです。
 ③と④個体差があって結論は出ないです。(外縁が橙色の蛾は雌の可能性が大きいと思われますが・・・)

ヒメヤママユ
下の蛾は腹部が太く幅狭い触角からヒメヤママユ雌と分かります。

 科名 ヤママユガ科
 和名 ヒメヤママユ
 大きさ 開張 雄85~90 雌90~105㎜
 分布  本州,四国,九州,対馬,屋久島
 出現月 10~11月
 食餌動植物 幼虫はサクラ,ウメ,ナシ,スモモ,サンゴジュ,ガマズミ,クヌギ,ミズキ,ウツギ,カエデ,クルミ科,ニレ科の葉を食べます。 成虫は何も食べません。
 特徴 雄の触角は羽毛状,♀は両櫛歯状。
     4枚のはねにひとつずつ眼状紋を持っています。

雄と雌 違いはひげの 幅にあり


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tag : ヒメヤママユ

ヤママユ

2016年9月23日(金)
ヤママユ 撮影日:2016/09/23 場所:勿来の関

 ヤママユ科のヤママユを紹介します。
 壁には茶褐色のヤママユが止まっています。そっと近付きながら反対側の壁を見ました。すると,焦茶色のヤママユが止まっているではありませんか。
 今朝は幸運なことに,お知り合いの方から茶褐色のヤママユを頂きました。

ヤママユ雌
胸部背を何度もぶつけて毛が一部はがれているヤママユ雌。
 もっとラッキーなことにその頂いたヤママユは雌だったことです。ビニル袋に入ったままですと翅が痛んでしまいます。特に,胸部背は何度もぶつかり毛が無くなります。そうなる前に車に戻り記念写真を撮りました。

ヤママユ雄
前翅を上へ上げてから写したヤママユ雄。
 同色の雄と雌が居るので,翅の色で区別は出来ません。今までの経験から触角の様子で雄と雌を判断するのが一番確かです。

ヤママユ雄
後翅の目玉模様を写すために前翅を上へ上げてから写したヤママユ雄。実際の翅色は少し緑色を帯びていました。
 即ち,ポイントは次のようなことです。
 ①触角が長い櫛歯状・・・雄
 ②触角が鋸歯状  ・・・雌

ヤママユ雌の触角
鋸歯状のヤママユ雌の触角。
 ヤママユの翅は重いので,止まった状態では最後の写真の様に前翅が少し垂れ下がり後翅の目玉模様が僅かしか覗いていません。

ヤママユ雄の触角
茶褐色のヤママユ雄の櫛歯状触角。
 後翅の目玉模様は素敵なので,私は赤矢印の方へ前翅を持ち上げてから写しています。両方上に上げないと目玉模様は現れません。

ヤママユ雄の触角
焦茶色のヤママユ雄の触角。
 上げすぎるとヤママユが驚いて羽ばたいてしまいます。
 見えるようになったからと安心していますと,翅の重さで垂れ下がりまた見えなくなります。

ヤママユ翅の垂れ下がり
自分の翅の重さで前翅が少し垂れ下がるヤママユ。

 科名 ヤママユガ科
 和名 ヤママユ
 大きさ 開張 115~150㎜
 分布  北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島,沖縄
 出現月 7~9月
 食餌動植物 幼虫はクヌギ,コナラ,カシワ,カシ,クリ,リンゴ,サクラの葉を食べます。
 特徴 雄の触角は両櫛歯状,雌は鋸歯状です。
     口の退化により食餌はとりません。

触角は 雄は櫛歯で 雌は鋸歯


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tag : ヤママユ

クスサン

2016年9月6日(火)
クスサン 撮影日:2016/09/06,2011/09/25 場所:勿来の関

 ヤママユガ科のクスサンを紹介します。
 灯火を見上げますと薄褐色の大きな蛾がクモの糸に止まっています。大きな蛾は風で揺れています。直ぐ隣にはジョロウグモが網の中央で獲物が来るのを待ち構えています。
 クモは昆虫の羽ばたく振動には反応します。だから,風で揺れている振動には無関心です。直ぐ近くに大きな蛾が居るというのにです。目でも確かめて行動すれば良いのにと思いますが,そんな仕組みはクモには育たなかったようです。

クスサン
クスサンの幼虫は白髪太郎,繭は透かし俵と呼ばれていました。このことはクスサンが人間と関わりが深かったことを物語っています。
 少し離れた場所から撮っていましたが,上手く写せないので下に下ろして撮影することにしました。写した画像を見て,ほとんど見たことがない蛾であることが分かりました。家で資料を調べると5年前に会っただけのクスサンであることが分かりました。

クスサン
写真のクスサンは前翅長が70㎜もありました。
後翅の目玉模様を写したくて,前翅を上に上げてから素早くシャッターをきりました。

 クスサンの特徴は次の通りです。
 ①前翅にある目玉模様は細長く外横線(桃矢印)の近くにあります。
 ②後翅にある目玉模様は大きくほぼ中央にあります。
 ③外横線の外側には前翅にも後翅にも波形の紋様があります。
 ④前翅翅頂近くの前縁には黒大白小の紋があります。
 ⑤フラッシュを焚くと全体に褐色が濃くなります。

クスサン
このように翅色は薄褐色から褐色まで個体差が大きいクスサン。

 科名 ヤママユガ科
 和名 クスサン
 大きさ 開張 100~130㎜
 分布  北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島
 出現月 9~10月
 食餌動植物 幼虫はクヌギ,コナラ,クリ,サクラ,ウメ,モモ,ナシ,リンゴ,スモモ,カキ,ケヤキ,ヌルデ,ハゼノキ,カツラ,イチョウ,ミズナラ,カシワ,エノキ,ウルシ,クルミ,サルスベリ,アカメガシワ,クスノキの葉を食べます。 成虫は何も食べません。
 特徴 翅の色は淡黄色から褐色まで個体差があります。

大きさと 目玉模様が 見事なり


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tag : クスサン

エゾヨツメ

2016年4月10日(日)
エゾヨツメ 撮影日:2016/04/06,04/10 場所:勿来の関

 ヤママユガ科のエゾヨツメを紹介します。

 2013/04/18以来3年ぶりにエゾヨツメに会うことが出来ました。嬉しいことに今年は既に2回観察できました。その年によって出現数にむらがあるようです。
エゾヨツメ
勿来の関にいたものをビニル袋に入れて持ち帰り部屋のカーテンに止まらせると
頭を上にして翅を閉じたまま動かなくなったエゾヨツメ
そのままにして寝てしまったらどこかへ隠れてしまいました。その晩,部屋の電気を付けていたら明かり目指して飛んできました。

 エゾヨツメは止まるときに,普通の蛾と違って翅を閉じて止まります。翅の裏はくすんだ色で目立ちません。

エゾヨツメ
今日,電話ボックスにいたので翅を開いた写真を撮ろうと思って連れて来たエゾヨツメ。
部屋の中で放つと明るい窓を目指して飛んでいき翅を開いて止まりました。

 ところが,翅を開くと明るい茶色地の中央付近に円い紋が1つずつあるので目を引きます。特に後翅にある紋は中が青く光り見る者をとりこにしてしまいます。
 前翅・後翅共に翅頂近くには白ずんだ紋があります。

エゾヨツメ
違う部屋に連れて行き袋から出すと,やはり明るい窓を目指して飛んでいったエゾヨツメ。

 科名 ヤママユガ科
 和名 エゾヨツメ
 大きさ 前翅長 32㎜ (実際に私が測定した値です。)
 分布  北海道,本州,四国,九州
 出現月(羽化する月) 4~5月
 食餌動植物 幼虫はカバノキ,ハンノキ,ブナノキ,クリ,コナラ,カシワ,カエデの葉を食べます。
 特徴 前翅・後翅の中央に円い紋があります。

エゾヨツメ 後翅円紋 青光り


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tag : エゾヨツメ

ヤママユ 翅の皺が語るもの

2015年8月3(月)
ヤママユ 翅の皺が語るもの 撮影日:2015/08/01~08/03 場所:勿来の関

 ヤママユガ科のヤママユの紹介です。
 柱を見上げると前翅長69mmもある大きな蛾が止まっています。去年は見られなかったヤママユが今年は例年より九日も早く出現していました。
ヤママユ
柱に止まっていたため前翅の重みで後翅の円い紋が少し隠れているヤママユ
 2枚目の写真は,後翅にある円い紋が見えるように前翅を頭部の方にずらしてから撮りました。だから,4つの紋が見えるようになっています。最初の写真のように後翅の紋が隠れるように止まっているのが普通の状態です。
 床に降りているときは重力よる前翅の下がりが無いので全部の円い紋が見えています。
 後翅の黒白の線の様子を見るため,私は更に頭部の方へ前翅をずらしてから3枚目の写真を撮りました。

ヤママユ
前翅をそっと頭部の方へずらし後翅の円い紋を見えるようにされたヤママユ。
 このヤママユを写していて気になったことがありました。それは,前翅翅頂付近から外縁に見られる翅の皺でした。その皺は後翅外縁に沿っても見られます。
 これを解く鍵は前翅後角の歪み(桃矢印)にあります。この歪みは羽化途中,落下したためです。翅が重力で下の方へ引かれて,皺が無いように伸びる作用が途中で中断したからです。もう少しで,皺が全部伸びるというときに不慮の事故に遭ってしまったのです。

ヤママユ
床の上に降りているので後翅の円い紋は見える状態になっていたヤママユ。でも,後翅の黒白線が全部見えるように後翅を頭部の方へずらしました。これらの写真を撮りながら翅にある皺が気になっていました。
 昆虫にとって重力が無くなったら,体全体が皺だらけになってしまい飛ぶことさえ上手く出来なくなるでしょう。目に見えませんが重力は生物にとってありがたい存在なのです。

ヤママユ
最後にこの蛾の性別を確かめるため触角を写されたヤママユ。櫛歯が発達していないので雌だと分かりました。

 科名 ヤママユガ科
 和名 ヤママユ
 大きさ 開張115~150mm 前翅長69mm
 食餌動植物 幼虫はクヌギ、コナラ、カシワ、カシ、クリ、リンゴ、サクラの葉を食べます。
 分布 北海道,本州,四国,九州,対馬,屋久島,沖縄
 出現月 7~9月 
 特徴 雄の触角は発達しています。前翅にも後翅にもそれぞれ一個ずつ円い紋があります。上は黒く下は白い線が翅頂から後縁まで走っています。

翅の皺は 羽化の半ばの 落下なり


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